2008年09月29日更新

ポール・ニューマン

ポール・ニューマンが亡くなった。


癌とはいえ83歳だから大往生なのかな。


ポール・ニューマンが最も華々しく活躍したのは60年代なので、
伊藤Pにとって、全てリアルタイムに接したとは言えないから、
あまり知ったようなことを書くと、偉い評論家の方々にお叱りを受けるかもしれない。


でも長きに渡るポール・ニューマンの俳優人生のうち、
その半分ぐらいはリアルタイムで接しているし、その勇姿を鮮明に記憶に刻み込んでもいる。


伊藤Pがポール・ニューマンという俳優を、
きちんと意識したのは、多分『ハスラー2』('86)だったと思う。


当時、小学6年生だった伊藤P。
『ハスラー2』で描かれていた大人のドラマを理解できたかといえば、
絶対に出来ていなかったと思う。


『ハスラー2』と共に同年のお正月映画として公開された『トップガン』('86)。
この両作に出演しているのが、『トップガン』で一躍大スターとなったトム・クルーズだ。


キューをブンブンとアクロバティックに振り回して、
ダース・モールのようにポーズを決めるトム・クルーズが、ただカッコ良かった。


80年代の小学6年生なんて、今の小学生と違って単純だからさ、
友達と一緒にビリヤード場に繰り出して、玉突きまくった。


出来もしないのにトムを真似てキューを振り回して、店員に怒られた。


そんなサブな思い出の詰まった『ハスラー2』でのポール・ニューマンの印象は、
“渋い”に尽きる。


小学6年生だけど、“ダンディズム”というのはなんとなく判ったんだよね。


で、その頃は映画少年まっしぐらだったので、
先頃休刊した「ロードショー」とかを読み漁っており、
アカデミー賞なんてのにも興味を持っていた。


ポール・ニューマンは、『ハスラー2』でアカデミー主演男優賞を受賞。
7回目のノミネートにしての念願の受賞だったんだけど、
“出席すると受賞できない”ということで、授賞式に出席していない。


このエピソードがとても印象に残っている。


また、このポール・ニューマンの受賞は、
“そろそろあげないと不味くない?”というその作品の演技に対してというよりは、
今までの功績を讃えて授与するというアカデミー賞特有の体質を知るきっかけにもなった。


最近だと『ディパーテッド』のマーティン・スコセッシ監督がそうだよね。
因みに『ハスラー2』の監督はスコセッシです。


ちょっと話がそれましたが、
『ハスラー2』でポール・ニューマンがかっこいいと思った伊藤Pは、
その後、ポール・ニューマンが出演した作品をビデオで見まくった。


『傷だらけの栄光』
『左ききの拳銃』
『熱いトタン屋根の猫』
『動く標的』
『引き裂かれたカーテン』
『暴力脱獄』
などなど・・・


ポール・ニューマンはどの作品でも、反骨心溢れた感じの役で、
鋭く澄んだ目がとても印象的だった。


そんな中、意外だったのが『ハスラー』だったりする。
というのは、ロックな音楽に乗せてスポーティーにビリアードを描写した『ハスラー2』に対して、
『ハスラー』はひたすら静かに突く。
しかもかなりビターなお話だったから。


ジャリにはこの世界観、判るわけねぇ〜って。


ヒロインの女優が後に『キャリー』で、
フィーバーするパイパー・ローリーだったのには、驚かされたけど。


で、やっぱりポール・ニューマン出演作品で最もかっけーと思ったのは、
『明日に向かって撃て!』だな。


後にアメリカン・ニューシネマという時代が作った作品群に感銘を受けまくったんだけど、
『明日に向かって撃ては!』はそのきっかけになった作品だ。


ハッピーエンドが当たり前だったんで、ラストの展開に衝撃を受けた。
でも、それがスンゲーかっこ良かった。


ロバート・レッドフォード、ジョージ・ロイ・ヒルと再びチームを組んだ『スティング』も印象に残っている。
ご多分に漏れず、ラストの目パッチリにやられましたわ・・・


うーん、そんなに語ることもないだろうと思いながら書き始めたけど、
やっぱり長くなってしまうものなんだなぁ〜。


まだまだ、ポール・ニューマンの話は尽きないんだけど、
延々と続きそうなんでこの辺にしておこう。


自分も歳を取れば、スターだって歳を取る。
これからも多くのスターたちの訃報を耳にすることになると思うけど、
なかなか辛いものがありますな・・・


ポール・ニューマンが癌で闘病中だというニュースは耳にしていたので、
それ程、訃報には驚かなかったけど、やはり名優がこの世を去るのは寂しいな。


なんかね、銀幕のスターはいつまでも年取らないような錯覚に陥るんだよねぇ。。。


ポール・ニューマンさん。
長い間、お疲れ様でした。
ご冥福をお祈りいたします。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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