2013年07月29日更新

新宿末廣亭&沖縄パラダイス

7月26日(金)、前の記事「どなん」に登場した元上司のAさんと、
新宿末廣亭で落語を見てきた。


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※写真は別日に撮影


下記、演目。


三笑亭夢太朗「置き泥」
三遊亭遊三「青菜」
桧山うめ吉:俗曲
春風亭笑松(しょうこう)「地口合わせ(じぐちあわせ)」
春風亭柳橋「黄金の大黒」
春風亭昇太「ちりとてちん」
ボンボンブラザース:モダン曲芸
春風亭小柳枝(こりゅうし)「たがや」


まず、落語以外では、桧山うめ吉の俗曲に注目。
俗曲とは、三味線を弾きながら(昔の)流行歌を歌う芸のこと。


あんまり興味なかったんだけど、ゆめ吉が出てきてびっくり。
白塗りに着物姿なんだけど、超綺麗。


観客からの「待ってました!」の掛け声も納得。


思わず滅多にかけない眼鏡を取り出して、しげしげと見つめてしまった。


数曲歌ったうち、印象に残ったのが「品川甚句(じながわじんく)」。





江戸時代、品川宿が栄えた頃の光景を歌った曲とのことで、
先日、散策記「品川」をアップしたばかりというのもあり、
当時の情景を思い浮かべようと思ったんだけど・・・。


歌詞の意味、わかんねぇ・・・。


でも、うめ吉さんの色気とお茶目な可愛らしさが良い感じ。


パッと見、30代半ばぐらいの印象を持ったんだが、後で調べてびっくり!


白塗りの効力もあるんだろうけど、きっとゆめ吉さんの努力も凄いのでしょう・・・。


なにはともあれ、こういうあまり触れることのない芸と出会えるのも寄席の醍醐味。


続いて、昇太と小柳枝の間に挟まった形で登場したボンボンブラザーズでは、
Aさんがまさかの大活躍。


末廣亭のステージ向かって左側の座敷席の一番前で見ていたところ、
帽子を投げてかぶるという芸に、Aさんが強制参加。


何度かの失敗を繰り返し、遂に投げられた帽子が、Aさんの頭に収まった。
その瞬間、場内、拍手。


これも寄席の良さ。


落語の中では、春風亭昇太の「ちりとてちん」(江戸では「酢豆腐」)が、
ぶっちぎりの面白さだった。



人間国宝・柳家小さんもやっている(昇太バージョンとは大分違うけど)


昇太は、前のめりだし、噛むし、勢い任せのところがある。
しかしながら、抱腹絶倒。


腐った豆腐を食べるという噺なわけですが、
昇太はとことん下品に攻める。
(上の小さんは上品です)


結局、排泄物ネタとか下ネタとかグロネタってのが盛り上がるんだよね。


そんな昇太の後ではやりにくいであろうトリの春風亭小柳枝は、
流石は77歳の大ベテラン。


確かに笑いは少ないけれど、メリハリの利いた独特な語り口と安定感、存在感で魅了。
夏という季節感を大切にしたマクラの小話が良かった。


かけた話は、「たがや」。
残念ながらこの日の翌日、雷雨で花火大会が、初の中止になってしまった隅田川が舞台。





ものの見事に21時に終わらせる。
これもスゲェ。


落語終了後は、当然飲み。


しかし、金曜日、しかも給料日明けの新宿三丁目は、
江戸時代の品川宿級に大賑わい。
狙った店がことごとく満員。


であるならばと、あるAさんが何度か行ったことのあるという歌舞伎町の中華料理屋へ向かう。


ところが、その中華料理屋が見つからない。
結構歩いたが、次から次へとやってくるポン引き攻勢に嫌気がさし、
中華料理屋を諦め、別の店を物色。


当てどもなく歩いていると、
雑居ビルに「沖縄パラダイス」という看板が。


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Aさんは一時、沖縄に住民票を移していたほどの沖縄通だし、
小生も沖縄料理は大好き。


ということで、看板見た瞬間、即決。


なんだか4階の店とか怪しいし、周辺に比べると活気がない。
大丈夫か?とも思ったが、予想に反して、
階段で3階まで上がると、賑やかな声が聞こえてきた。


入店すると、店内はほぼ満員。
ここもダメかと思ったが、
テンガローハットにアロハという個性的な出で立ちのおじさんの案内で、
何とかカウンター席に収まる。


どうやらこのおじさんが、店のマスターのようだ。


幾つか沖縄料理を注文し、ビールを飲んでいると先程のアロハのマスターが、
座敷席の一角で、三線を手にしながらマイクのセッティングしていた。


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おっ?ライブか?


案の定、マスターがライブを始めた。
喜納昌吉&チャンプルーズの「ハイサイおじさん」や「花」、
BEGINの「島人の宝」、THE BOOMの「島唄」などを披露したんだけど、
MCが抜群で、店内はみんな踊ったり、歌ったりとノリノリ。


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黄緑色のズボンを履いている男性は、常連さんでお医者さんとのこと


そのテンションは、BEGINの「オジー自慢のオリオンビール」でマックスに。


知っている、知らないは関係ない。
とにかく傍にいる人と「あっり乾杯!」。


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正直、こちらはまだ生ビール一杯しか飲んでいないので、
このノリについていくのが、少々辛い・・・。


早く追いつかなくては!と、早々にビールをやめ、
石垣島の泡盛、請福のボトルをオーダーすると、
見たこともないラベルの瓶がカウンターに置かれた。


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マリンボトル。
こんなのあるんだ。


請福を飲みながら、Aさんと今日の落語のことや仕事のことを語り、
そして、時たまマスターや店員さんと沖縄ネタでおしゃべりをする。


お店の料理はどれもボリュームがあって、美味しかったんだけど、
スーチカーだけが、残念な味だった。
スゲーしょっぱくて・・・。


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「マスター、ちーとしょっぱい」


「・・・気を付けます」


いいっすねぇ。
この返答。


Aさんも小生も飲める口なので、請福のボトルは空に。


時計を見ると11時ぐらい。


Aさんの自宅は人形町。


「どうやって帰るんですか?」
「適当に帰るから大丈夫」


「じゃぁ、もう一杯だけ飲んで帰りましょうか?」
「いいよぉ」


しかしながら、またまた植木等ですよ。
ちょいと一杯のつもりが・・・・。


一杯で終わらず・・・。


今までの人生で、そこそこ泡盛は飲んできたつもりだけど、
聞いたこのない銘柄もあり、ついついオーダー。


そして、日本最南端の島、波照間の酒造で製造されている入手困難な泡盛、
泡波の話をしていると、店員さんが「ほとんどボトルに残っていないから飲んじゃって」と、
泡波をふるまってくれた。


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あ、ありがとうございます!
随分前に目黒駅の近くにある沖縄料理屋で飲んで以来です。
(その時、一杯1200円だったかな)。


ふと店内を見渡すと、あれだけいたお客さんが人っ子一人いない。


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時計を見ると、そろそろ終電がヤバい時間。
Aさんは確実に電車では帰れない。


「Aさん、どうしますか?」
「うーん・・・どうしようかぁ」


なんて会話していたら、マスターがこんな一言を発した。


「電車ないなら、店の座敷で寝ていっていいよ」。


トドメの一言。


そのままズブズブっと飲んじまいまして、
さらに会計後、テーブル席へ移動し、仕事を終えた店員さんたちと飲食。


しかし、前々日、前日も飲んでおり、流石に三連荘は肉体的に辛く、
この頃には、意識が朦朧としてきた。


チータラ食べたのは覚えている。


トイレに行った後、マスターの了解を得て、座敷でゴロン・・・。
撃沈。


起きたのは朝の8時。


何をやっているのだ、俺は・・・。


同じく座敷で寝ていたAさんを起こし、店を出るとすっかり朝。


歌舞伎町の朝は・・・あんまり気持ちよくないね・・・。


Aさんと別れ、新宿駅へ向かい、停まっていた電車に乗った。
これが中央特快だった。


吉祥寺駅停まらねぇ・・・。


三鷹駅まで行き、一駅戻ろうと、停まっていた電車に乗った。


動き出した。


数分後、ハッと気が付く。


吉祥寺駅に着いていないとおかしい時間だ。


社内のモニターを見ると「次の停車駅は中野です」。


ガビィーン!!!


俺は何をやっているのだ・・・。


Aさんとは、今年で出会って13年。
一緒に飲みに行くと予想外の展開になることが多い。


多分・・・これに懲りずに、またやらかすはず・・・。


とにもかくにも「沖縄パラダイス」、店員さん、
そして、マスター、ありがとうございました!


また行きます!


次回がいつになるのかはわからないけど、
Aさんと末廣亭に行った後は、「沖縄パラダイス」だな。

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コメント (1)

たま:

パラダイスやばいっすね。
まさかお泊りオッケーな居酒屋って。。。
落語いいっすね。行ってみたいです。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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