2014年07月23日更新

裏#90『GODZILLA ゴジラ』

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『GODZILLA ゴジラ』
2014年7月25日より全国にて
配給:東宝
©[2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC




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『GODZILLA ゴジラ』を鑑賞した。


ハリウッド大作を最後に見たのは、『ワールド・ウォー Z』だから、約1年ぶり。


久々のハリウッド大作ということで、ちょっと楽しみにしていたんだが・・・。


ここ最近、映画作りの大変も以前よりは、わかるようになったし、
自分が好きなものを批判されると腹が立つという気持ちも判るし、
何よりも一生懸命作った人たちの意気込みとか熱い思いを考えると、
あんまり好き勝手に貶せないなって思うんですよ。


作り手がこうしたいと思っても、
出資者からダメと言われたら出来ないこともあるでしょう。


映画である以上、商業ベースに乗せなくてはならない。


そこに作家性は介在しないし、
現場の思いも踏みにじられる。


映画製作でやりたいように出来るケースは稀であり、
ましてやビックバジェットならばなおさらでしょう。


といったような、思いもあり
あんまり【裏部屋】行きにしたくなかったんだけど、
『GODZILLA ゴジラ』は、【裏部屋】映画だな。


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そもそも脚本が酷い。
よくゴーサインが出たよなぁって。


・物語が点でしかなく、線になっていない。
・ご都合主義的な展開。
・スリリングにしなくてはいけいないシーンに、まるで緊迫感がない。
・役者の魅力をまったく引き出せていない。


ダメ映画の基本を網羅。


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謙さんの飼い殺し


ネタバレになるから書かないけど、
細かい突っ込みどころ満載映画だった。


が、しかし、同じようなハリウッド大作は多々あるので、
許容範囲内ではあった。


“そこおかしいだろ!!”って、突っ込みながら見るのも映画の楽しみだ。


そう、だからむしろそういう点を楽しみながら、『GODZILLA ゴジラ』を見ていた。


でもね、冒頭からちょいちょい描写される水爆実験の理由が語られた瞬間、
愕然とした。


なんだ、この設定は?


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本作の監督ギャレス・エドワーズは、54年版『ゴジラ』をリスペクトしていると聞いたが、
ゴジラがなぜ誕生したのか理解しているのか?


映画は製作された時代を少なからず反映するものだ。


1954年に産声を上げた『ゴジラ』は、
当時の社会状況を物語っていると言われている。


いくつかの文献を読むに、第五福竜丸事件も『ゴジラ』誕生に大きく関わっている。


ギャレス・エドワーズ監督は、54年『ゴジラ』をDVDで見て、
「ストーリーの根底にある意味合いを比喩的ながらも明確に表していることや、
時代を越えて関連性を持ち続けていることに魅了された」と述べている。


なのに、なぜ、当時の水爆実験とゴジラの関係が真逆に描かれているのだ。


これが2014年の時代を反映した『GODZILLA ゴジラ』なのか?


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この他、311を経験した日本人には辛い描写が多々ある。


ストーリーとまるでリンクしていない、
ハワイの津波のシーンとかいるのか?って思った。


ゴジラがハワイに上陸した時には津波が起こるのに、
何故、アメリカ本土に上陸した際には、津波が起きない?


核爆発の影響は日本にはあるけど、アメリカにはないんですか?


『ゴジラ』を生んだ日本へのリスペクトも上っ面だけで、
全く根本を捉えてないように思えて仕方がなかった。


まぁ、アメリカ映画ですからねぇ。
不満があるなら日本人の手で作るべきなのかな。


日本が生んだゴジラが、
アメリカの良いように改ざんされるのは辛いっす。


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ゴジラよりも『キック・アス』でのヒーローぶりの方が好きだな


【鑑賞前のポイント!】


以下、日本の資料から。


■日本のキャッチコピー
最高の恐怖
極限の絶望
ゴジラ復活


<最高の恐怖>
⇒全く怖くないので、怖いのが苦手な方も安心してご鑑賞頂けます。


<極限の絶望>
⇒今の日本の政治の方が絶望的なので、安心してご鑑賞頂けます。


<ゴジラ復活>
⇒復活ではなく、新生歪曲版ゴジラ誕生をお楽しみ頂けます。


■「テーマはリアル」
⇒どこにもリアリティはないので、SF映画としてその世界観をご堪能頂けます。


■「これは怪獣映画でもモンスター映画でもない。ゴジラ映画だ」
by ギャレス・エドワーズ

⇒勝手に監督がそう言っているだけなので、別物としてご鑑賞頂けます。


■アカデミー賞常連の実力派キャスト集結
⇒役者を生かすも殺すも監督次第という教訓を学べる
教科書的映画をご賞味頂けます。


■ゴジラから受け継がれたもの
⇒何かを伝えることの難しを悟り、学んで頂けます。


見所満載だなぁ〜。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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