2009年06月03日更新

#382 『ウルトラミラクルラブストーリー』


ウルトラミラクルラブストーリー

『ウルトラミラクルラブストーリー』

6月6日よりユーロスペース、シネカノン有楽町2丁目ほか全国にて順次公開
配給会社:リトル・モア
(C)2009「ウルトラミラクルラブストーリー」製作委員会




青森の田舎町で農業を営むちょっと変わった青年・陽人が、
事故で彼氏を亡くしたショックから立ち直れないまま、
東京から青森の幼稚園に赴任して来た町子先生に一目惚れ。
さらに陽人に“ある出来事”が起きたことから次々と珍事が巻き起こる。


監督は横浜聡子。
前作『ジャーマン+雨』は未見だが、
非常に作家性の強い個性的な作品だということは耳にしていた。


同様に、この『ウルトラミラクルラブストーリー』でも独特な世界観を構築している。


ウルトラミラクルラブストーリー


横浜聡子監督の出身地である青森でオールロケを行ったにも関わらず、
映像の雰囲気は80年代のインディーズ映画やアート作品に似ていて、
青森らしくない雰囲気も醸し出している。


でものんびりとした中、陽人役で同じく青森出身の松山ケンイチを筆頭に、
ほとんど全てのキャストが津軽弁をしゃべっていて、やっぱり青森だったりする。


そして、およそスコアとは言い難い、不思議な音楽というかノイズがかかり、
観客の感覚を麻痺させ、完全に作品の世界へと引きずり込む。


文章力がないんで上手く表現でかないんだけど、とにかく変。
勿論、確信犯なんだけど、ちょっとズレていてトンチンカン。


更に物語も奇天烈だ。


中盤まで普通の人間ドラマとして見ていたんだけど、
陽人の身にあることが起きてからは、
この作品がどこに向かって行くのか皆目見当がつかなくなった。


鑑賞後にARATAが演じていたと知った町子の死んだ元カレ・要の登場シーンも驚愕だ。


なんなんだ?この映画は!?


真面目な人間ドラマなのか?
ファンタジーなのか?
もしかしてホラーに転じちゃうのか?
ってな感じで混乱させられた。


そして、トドメはラストシーン。
頭の整理が出来ていないうちに、さらなる混乱を引き起こす。


なんだぁ〜!この話は!!
なんだぁ〜!このラストシーンは!!


エンドロールが流れている間、必死に考えるも、
まるで理解が出来ないまま客電が点灯してしまった。


ウルトラミラクルラブストーリー


たまたま知り合いの女性Mッチが見に来ていたので、
Mッチに「なんなん?この映画?」とやや憤慨チックに言うと、
Mッチも困った顔で“私も全然分からない・・・”と首を横に振った。


「麻生久美子が出ていなかったら、絶対に見なかった!!
 この2時間はなんだったんだ!」と、作品に対する怒りを爆発する一方で、
理解出来ない自分も腹立ったしい。


しかも横浜聡子監督は30歳だと!?
畜生!分からないままでいるのは悔しすぎる!


ということで、帰りの電車の中で必死に考えた。


そして、なんとか『ウルトラミラクルラブストーリー』を理解するに至った。
これを説明しちゃうと完全にネタバレになってしまうので、
追って、【裏部屋】にて「ネタバレ」解釈篇を書こうと思います。
(いつものように正解かどうかは分かりませんが・・・)


裏#74 『ウルトラミラクルラブストーリー』ネタバレ解釈篇


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コメント (2)

abc:

はじめまして。
自分も、わけわからんかったです。
トラックバックさせてもらいますね。
よろしくですー

伊藤P:

>abcさん

コメントありがとうございます。ウルトラミラクル大ヒット中で、賛否両論巻き起こっているようです。
ちょっと前ですが【裏部屋】に解釈編を載せましたので、お時間ある時にでも是非。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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