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“作り手の話を聞こう”
#43
  33年間事実をうやむやにされていた事件を題材にした韓国映画「シルミド」。韓国では1000万人以上の観客動員数を記録した話題作。(観客動員数の記録はその後「ブラザーフッド」に抜かれる)

 1968年に北朝鮮特殊工作部隊が韓国大統領を暗殺を狙って攻め込んできた仕返しに、死刑囚などの訳ありな人たちを集め、金日成暗殺のための特殊部隊を結成。その訓練の場所がシルミド島と呼ばれる無人島。この島で繰り広げられる人間ドラマを軸にした骨太な作品。

 韓国で大ヒットを飛ばし、みんなが号泣したというので気合を入れすぎたのか伊藤のハートにはドカンとは響かず、「普通に楽しめた」という感じでした。

 後日、主演のソル・ギョング、アン・ソンギ、そして監督が来日。その折にインタビューをしまして、それをベースに「シルミド」のインタビュー特番をオンエアすることにしました。(6/4〜6/13)

 で編集作業を伊藤がやったのですが、彼等の映画にかける熱い思いとか、実際の事件の生存者たちの逸話など聞くにつれ、「シルミド」に対する熱い思いが伊藤の心にも段々と芽生えてきて、映画の印象も変ってきました。

 宣伝マン時代、「さくや妖怪伝」という映画の宣伝を担当しました。少女剣士が妖怪と戦うというファンタジー映画なのですが、正直作品の出来は。。。なうえ、映画宣伝マンとしてかなり煮詰まってしまった時期だったことも重なり、当然、宣伝活動にもあまり力が入りませんでした。

 「なんで俺が担当しなきゃならねぇーんだよぉー」ぐらいな勢いでした。(若気の至りだな)

 ところが、テレビの取材や出演の立会いなどで原口智生監督と過ごす時間が多くなり、控え室で監督の映画に対する情熱とか映画制作の苦労話なんかを聞いていたら、段々と情が移って、「監督のために頑張ろう」という気になった。

 「シルミド」の特番を編集して、ふっとそんなことを思い出したりした。

 映画の作り手の話を聞くことによって興味のなかった映画に興味を持つだけでなく見ていて大して面白くないと思った映画でも見方が変ってくるんですよ。

 そういった意味でもインタビューって必要なんだよね。

 で、「シルミド」に出ていたソル・ギョングとアン・ソンギ。おっちゃんだけど伊藤的にはニヤケタ俳優なんかよりよほどカッコ良く見える。役者って感じだしね。ソル・ギョングは酒乱らしいけどさ。

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