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[ 裏 伊藤Pの部屋 ]

「存在価値 」

#114



 今年は例年よりも日本映画を見る機会が多く、公開が近い作品で“人の存在価値”、“生きていることの認識”といった、人類にとって普遍であり、尚且つ、ストレスフルな現代社会だからこそのテーマ性を持った作品に出会った。



 まずは、寺島しのぶ+廣木隆一監督という「ヴァイブレータ」コンビが再び手を組んだ「やわらかい生活」。

 一流大学卒業後、一流企業でバリバリ働いていた35歳で独身の優子(寺島しのぶ)は、仕事、恋人、親友、仕事、全てを失う。鬱状態の優子は蒲田に引越し、仕事もせず親の保険金で特に目的もないままフラフラと暮らしている。そこに、福岡から従兄弟の祥一が優子の元へ転がり込んでくる。

 祥一は、妻とは別居中、事業も失敗した一文無しのダメ男。しかし、そんな危機的状態にも関わらず、祥一はノラリクラリとしており、鬱状態の優子の世話をサラリとこなしたりする。そして、優子は次第に祥一との生活に居心地の良さを感じていく。

 優子は全て失い、生きている目的も目標も気力もない。方や、祥一も仕事も家庭も失敗し、表情には出さないが孤独を感じている。

 祥一は頼まれた訳でもないのに優子の世話をする。仕事も家庭も破綻してしまった今、“自分の存在価値”をそこに見出すかの様に。

 優子はそれがウザイと思う時もあるが、そんな時でも面倒を見てくれる祥一の存在によって、生きていることの実感が湧いてくるようになる。




 宮崎あおい主演「初恋」は、“三億円強奪事件の実行犯は18歳の女子高生だった”という大胆な解釈が話題となった中原みすずの同名小説の映画化。


 “なぜ、彼女は実行犯となったのか?”


 その動機は単純。


 それは映画を見ていただきたいのですが、“人の存在価値”に関わるとだけ言っておきましょう。




 前回紹介した「嫌われ松子の一生」の松子も同じだ。彼女の生涯の糧は“誰かに愛されること”。愛されることが“自分の存在価値”である松子は、例え傍から見たらその行為がおかしくても、例え報われなくても、人に尽くそうとする。

 しかし、松子は「愛される」という“見返り”を強く求め過ぎたために、間違ったレールに乗ってしまい、悲惨な目に遭ってしまったのではないだろうか?それは見る者にとって反面教師の部分もあると思う。


 松子のセリフではないが、劇中にこんなセリフがある。

 「人の価値はどれだけ人にしてもらったかではなく、 どれだけ人にしてあげられたかだと思う」


 人にしてあげる行為というのが、恩着せがましいと不味いが、その人のためにやってあげたいというー例えば、“きっと喜んでくれるだろう”といったー純粋な気持ちを持ってすれば、そこにその人の存在価値が出てくるのでは?そして、それはしてもらった人も同じだ。


 プライベートや仕事、日々の生活に憤りを感じている人は多いと思う。そんな時は、ふっと“自分の存在意義”を自問してみる。


 ちょっと見方を変えれば“居て当たり前”だった人が、実は自分を必要としているかも知れない。

 そんなことをこの3本の映画は教えてくれたような気がする。


 映画を見たからって、劇的に生活が変わることは余りないと思うけど、ちょっとでも前向きになれるように、背中をポンと押してくれる。それも映画の魅力のひとつだと思う。



 PS:うーん、なんか説教くせぇ〜なぁ〜。。。
    オヤジ化



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