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エミリオ・エステヴェス 第一章:ビッグ・プロジェクト発動

#009


※多くの固有名詞が出てきます。判らない方は自分で調べてください。


<これは、かつて栄光を手にしたエミリオ・エステヴェスが再起を賭けて挑んだプロジェクトのドキュメントである>



 ハリウッド。自分だけでなく仲間までもが居場所を無くしてしまった。。。


 エミリオは自らのリーダーとしての才能を世に再び知らしめるため、そして、落ちた仲間たちを救済するため、遂に10年間の沈黙を破り壮大なるプロジェクトに着手した。


 それは「オーシャンズ11」のリメイクであった。


 ジョージ・クルーニーが仲間たちを集めて作り上げ、世界中で大ヒットを記録した「オーシャンズ11」。

 プロデューサー、エミリオ・エステヴェスはジョージに対抗するべく、同じ企画をエミリオ流に焼き直すことにトライした。



 まずは監督選びだ。

 本家の監督はオスカー受賞者スティーヴン・ソダーバーグということで、エミリオもそれ相応の人選を考えるが、オスカー監督のギャラは高く断念。



 そこで、エミリオはかつて「張り込み」シリーズ(87、93)でコンビを組んだジョン・バダムの元を訪ねる。

 「サタデー・ナイト・フィーバー」、「ウォー・ゲーム」など数々のヒット作を手がけたが、90年代半ばからフェイドアウトし、今やTVムービーの人となってしまったバダム。

 同じような境遇を辿った者同士、共鳴しないわけがない。職人気質な監督なので、オシャレな演出は出来ないが、妙にアートぶっているソダーバーグに敢えてオーソドックスな手法で対抗することに。



 監督が決まれば、次は演技陣。エミリオは今までに築いた人脈を活かし、これ以上ない素晴らしいキャスティングに成功する。

 主演のダニー・オーシャン (ジョージ・クルーニー)は勿論、エミリオ・エステヴェス。チームをまとめるリーダー的役割を劇中でも果たす。

 オーシャンの右腕であるラスティ・ライアン(ブラッド・ピット)は、数多くの作品でコンビを組んだエミリオの実弟、チャーリー・シーン。ヤンチャ坊主というキャラクターも彼にぴったりだ。

 オーシャンの元妻テス・オーシャン(ジュリア・ロバーツ)には、エミリオの元妻ポーラ・アブドゥル。彼女の経歴を活かし、主題歌とアクションコーディネートも担当。

 見習中のライナス・カルドウェル(マット・デイモン)役には、クリス・オドネル。「バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲」(97)で、ジョージ演じるバットマンの子分ロビンを演じたが、兄貴分であるジョージに見捨てられ、「バーティカル・リミット」(00)以降、影が薄い。「三銃士」(93)でチャーリー・シーンと共演したよしみもあり、ジョージへの恨みを晴らすべく出陣。

 爆薬のエキスパート、バシャー(ドン・チードル)には、“「ミスター・ソウルマン」出演時の”C・トーマス・ハウエル。

 輸送&車両エキスパートで兄弟のバージル・モロイ(ケイシー・アフレック)&ターク・モロイ(スコット・カーン)には、エミリオの盟友ロブ・ロウとその実弟のチャド・ロウ。今は脇役本業のロブ兄弟。ジャストな配役だ。

 電子機器専門のリビングストン・デル(エディ・ジェイミソン)には、レイフ・ギャレット。あまり知名度はないが「アウトサイダー」では、エミリオやトム・クルーズよりも上にクレジットされていた。ミュージシャンとしての方が有名だが、最近、麻薬所持で逮捕されており、仲間思いのエミリオは更正の意味を込めてレイフを大抜擢。

 曲芸師イエン(シャオボー・クィン)には、顔がそっち系ということで、ラルフ・マッチオ。アクションをこなす必要がある役だけに、「ベスト・キッド」でミヤギに鍛えられた運動センスが活かせる。

 金庫破りのプロ、フランク・カットン(バーニー・マック)には、「ジャッジメント・ナイト」(93)でエミリオと共演したキューバ・グッディングJr.。決して落ち目な俳優ではないが、エミリオのとある目論見を踏まえた上でのキャスティング。その目論見は後に述べる。

 チームの活動資金の提供者ルーベン・ティシュコフ(エリオット・グールド)には、実父マーティン・シーン。

 続いて、老詐欺師ソール・ブルーム(カール・ライナー)には、エミリオの伯父にあたるジョー・エステヴェス(マーティン・シーンの双子の弟)。本プロジェクトではアメリカ人が大好きなファミリー愛もちらつかせ、共感を呼ぶことに成功。


 親近者とかつて苦楽を共にした“元ブラット・パック”の面々で固めた布陣。


 今や売れない俳優と身内となればギャラは安いということまで考慮した見事なキャスティング能力。そんなエミリオの冴えはターゲットにも及ぶ。


 チーム・エミリオが狙うのはベガスの大富豪テリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)ではない。


 多くの脱落者を生んだ“ブラット・パック”出身者の中で最も成功した人物。誰であろう、トム・クルーズだ。

 ターゲットを発表したエミリオは、更に奇抜なアイディアを出す。物語の前半から中盤にかけての仲間を集め作戦を練るところまではドラマとして撮影し、後半はドキュメンタリーの手法を用いるというのだ。

 つまり、後半の山場となる作戦遂行場面は、実際に、LAにあるトム・クルーズの豪邸に侵入、最新鋭のセキュリティを突破し、トムの私財を盗み出すというプロットだ。


 「ミッション・インポッシブル」で、あっけなく殺されたエミリオの恨み。同世代の俳優が行き場を無くしている中、一人ボロ儲けしているトムに抱く“ブラット・パック”出身者たちの嫉妬心。


 チームの結束力を高めるには十二分の相手。

 「ザ・エージェント」でオスカーを受賞したキューバ・グッディングJr.の謀反によって受けるトムのダメージも絶大だ。


 勿論、トムには本計画は知らさせれていない。しかも、本人としての出演なのでギャラはない。そう、「ミッション・インポッシブル」のお返しということで“カメオ出演”扱い。

 エミリオの地位を奪ったジョージ・クルーニーだけでなく、憎きトム・クルーズをも成敗する一石二鳥のビック・プロジェクト。


 「オーシャンズ11」と「ミッション・インポッシブル」の面白さをミックスした内容、本当にトム・クルーズの豪邸に侵入するというマイケル・ムーア的な前代未聞のアイディア、そして、懐かしの俳優たちが夢の共演を果たしたことが大いに受け、1億ドルを有に越える大ヒットとなる。

<第二章に続く…>
更新日:2006/05/25
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