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エミリオ・エステヴェス 第二章:更なるミッション

#010


※多くの固有名詞が出てきます。判らない方は自分で調べてください。


<これは、かつて栄光を手にしたエミリオ・エステヴェスが再起を賭けて挑んだプロジェクトのドキュメントである>

 全世界で大ヒットを記録したエミリオ版「オーシャンズ11」。その熱が冷め遣らぬうちに、エミリオは「オーシャンズ12」のリメイクに着手。

 監督とキャストは当然、固定メンバー。


 新キャラクターたちのキャスティングに取り掛かる。

 新たに仲間となるイザベル・ラヒリ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)には、デニス・リチャーズ。チャーリー・シーンの元妻だ。本家「オーシャンズ12」でのラスティ・ライアンとイザベルの関係性を見ればベストなキャスティングと言えよう。ボンド・ガール時代に鍛えた体力も活かせる。


 敵役となるフランソワ・トゥルアー(ヴァンサン・カッセル)役は、マット・ディロンを想定するも、今年のオスカーでノミネートされ、再び脚光を浴びたため却下。

 ダンスの才能に長けているパトリック・スウェイジが適任という周囲の意見を突っぱね、エミリオは良き友であり良きライバルでもあったアンドリュー・マッカーシーにオファーを出す。

 デブになったアンドリューは、再浮上のチャンスをみすみす逃す理由はない。役作りも兼ねて体作りに励み、見事、ヴァンサン・カッセルに負けない“技”を披露。80年代を知る者にとって、2人の再共演は涙なくしては語れない。

 前作を上回る、まるで同窓会のような見事なキャスト・アンサンブルでエミリオ版「オーシャンズ12」は大ヒット。

 さらに「セント・エルモス・ファイアー」の同志ジョン・パーが歌う主題歌もビルボードチャート1位を記録。遂にジョン・パーが一発屋リストから消えるという副産物を生む。



 そして、エミリオの構想は更にグレードアップ。


 「オーシャンズ13」のリメイクに取り掛かる。本家の新たなメンバーはエレン・バーキンという発表を受け、エミリオはそのインパクトを大きく上回るキャスティングを披露。

 なんと、エミリオの元恋人、デミ・ムーアを投入。本家「オーシャンズ12」にカメオ出演して息巻いていたブルース・ウィリスへのあてつけを込めての人選だ。


 しかも、本家は出演者が人気スターだらけのため、中々が撮影が進まないのを尻目に、暇な俳優が集まるエミリオ版「オーシャンズ13」は、迅速な行動で本家より先にクランク・イン。ジョン・バダムが職人監督の手腕で、瞬く間に撮影を終え、本家よりも前に公開。本家「オーシャンズ13」を逆にリメイク版にしてしまうという荒業を成し遂げる。


 このシリーズの成功によって、エミリオはハリウッド・リーダーとしての地位を取り戻し、仲間たちは再び第一線へと舞い戻った。


 更に、エミリオはポーラと、チャーリーはデニスと復縁。


 芸能一家の絆はより強化され、ハリウッドで絶大なる発言権を擁することとなる。



 -完-

※注.フィクションです。
更新日:2006/06/06
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