2005年08月16日更新

#086 「ビックン!」

高校生の時、友達と有楽町マリオンで「ロボコップ2」を見た。前に座っている女性が、ちょっとしたアクションシーンでも敏感に反応し、ビックン!ビックン!跳ねていた。映画自体が退屈だったので、映画よりもその人を見ている方がおもろかった。

大学生の時、女の子と一緒に新宿スカラ座で「ジュラシック・パーク」を見た。その女性は、恐竜が人を襲うたびにビックン!ビックン!と何度もおののいていた。映画に驚くより、その子の反応の良さに驚いた。

最近もホラー映画やアクション映画とかで、ビックン!ってなっている人をよく見かけるんですけど、伊藤Pはあまりビックン!とはなりません。

唯一、「危険な情事」だけは映画館で椅子から転げ落ちそうになったんだけど、それ以外は、どんなショッキングホラーを見たとしても、多少驚きはするものの、ビックン!となることは皆無に等しかった。だから映画館とかでビックン!ってなっている人を見ると、からかい混じりに笑っていた。

で、先日、ゾンビの生みの親ジョージ・A・ロメロ監督が、久しぶりに撮ったゾンビ映画「ランド・オブ・ザ・デッド」を見に行った。その後のホラー映画だけでなく、ゲームなどあらゆる方面に影響を与えた巨匠の新作ということで、気合を入れて試写室の一番前、しかもど真ん中の席を陣取った。

そして、映画がスタート。冒頭からダラァ〜グデェ〜と街を徘徊するゾンビ君たち。ホラー映画とは思えないぐらいユル〜イ感じで、思わず微笑む。そんなもんだから、こちらも一番前の席だし、足を投げ出してボケラァ〜と鑑賞。

しかし、この気の緩みがいけなかった。開始から数分後の酒屋に忍び込んだ人間たちに突然ゾンビが襲い掛かるシーンで、思わず驚き、やってはいけないビックン!をしてしまった!!!

左右を確認すると、ビックン!したのは伊藤Pのみ。みんな平然とスクリーンを見つめているではないか!

「し、しまった。。。まぁ、良い。次から気を付けよう」と気を引き締める。


中盤に差し掛かかった辺りで首の無いゾンビが登場。ところがこのゾンビ、実は首の皮一枚で繋がっていて、ガブリッと人間に噛み付くではないか。そして、またやってしまったのだよ。ビックン!を。。。左右を確認すると、やはりビックン!をしたのは伊藤Pのみ。

「ふ、不覚だ。。。きっと隣の人は俺のことを小バカにしているに違いない。。。 しかも一番前だ。後ろの人も俺のことを小心者と思っているに違いない。。。」と羞恥心に苛まれる。


「いや、まだまだ映画の中盤だ。きっと映画が終わる頃には、俺がビックン!したことなどみんな忘れるさ」と、気持ちを改める。

そして、終盤。またやっちまった。これは“来る!”ってわかっていた。予測可能だった。だから、身構えていた。なのにやっちまった。。。当然、ビックン!したのは伊藤Pのみだよ。しかも、映画終わっちまったよ。

屈辱感を味わいながら眺めるエンドロール。客電が点いたときの空しさ。隣の人、俺のこと笑っているよ(疑心暗鬼)。

決して怖いわけではない!ビックリしただけだ!なんていう言い訳はもう出来ない。ひとつの作品で3回もビックン!をやったらもう終わりだ。

伊藤Pはヘッポコに成り下がった。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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