2007年11月16日更新

#167 「『ソウ4』、『モーテル』」

■『ソウ4

先日、『ザ・シンプソンズ MOVIE』を見に行ったら、知り合いのライターさんが3人来場していた。


鑑賞後、みんなで六本木駅に向かって歩いていると、女性ライターTさんがこれから『ソウ4』を見に行くという。

ところが、このTさん、前3作を見ていないと言う。

速攻で見に行くのをやめるように訴える伊藤P。


『ボーン・アルティメイタム』とかだったら、ここまでは激しく止めないだろうというぐらい激しく止めた。

既に『ソウ4』を鑑賞済みの男性ライターHさんも同意見だった。



それ程『ソウ4』は前3作と密接に関係している。

もしも前3作を見ていないのに、『ソウ4』を見に行こうと思っているのなら、前3作を見ることを強くお薦めします。

というか見ないで見るのは時間の無駄です。


また、見てはいるが、ちょっとうろ覚えの方々も、おさらい鑑賞した方が無難です。

全部が無理ならば、せめて『ソウ3』だけでも見返したほうが良い。


『ソウ3』を1年前に一回見ただけ状態の伊藤Pは、あまりの唐突さに相当戸惑った。

前作を見ていないと『ソウ4』の驚きは半分以下、いや、まったくわかんないね。


このトリックに対して、ずるいとか、マニアしか楽しめないとか、批判的な意見も多々耳にします。

確かにひとつの作品として見ると、その技法自体に疑問が残るであろうドンデン返しだ。


でもね、
『男はつらいよ』、『座頭市』とか1話完結なら良いけど、シリーズものって、前の作品を見ている前提で作らざる終えないと思うんだよね。


それがダメというのなら『ハリー・ポッター』シリーズだって、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズだって否定することになっちゃう。


『ハリポタ』途中から見た人は、“ヴォルデモートって何?”状態でしょ?

ぶっちゃけ、ポッタリアンってマニアじゃん。


『パイレーツ』だって『3』だけ見て、全部を理解するの無理だよ。

一方、『シュレック3』なんかは、前の作品を見ていなくてもなんとなーく理解出来ちゃう。

これは全シリーズを通しての流れが単純だからでしょう。


立ち返って、『ソウ4』は前3作の内容とちょっとじゃなくて、かなりのヴォリュームで関わりあっているうえ、登場人物が多いし、物語は複雑。

そして、『ハリー・ポッター』のように全7作で完結するのではなく、とりあえずは1作品ごとに解決してきたといえば、解決してきた。


1話完結シリーズと、通しのストーリーがあるシリーズの中間に位置するんだな。


そもそも『ソウ』を撮った時点で、シリーズ化なんて頭になかったはず。

だから回を追うごとに後付け感が漂って、ズルイって言われちゃう。


でもね、後付けとはいえ、こんなに練られた脚本は中々書けないよ。

でもって、何が起こるかわからないハイテンション状態をキープして、90分間飽きさせない。


伊藤Pは凄いと思うよ。

製作スパン、たったの1年だよ。

よくまぁ、考えるねぇーって。


毎度毎度楽しませてくれるトラップも同様で、大の大人が“あーでもない、こーでもない”と考えて捻り出した代物でしょ?

よくまぁ、考えるねぇー。


さらに『ソウ3』以降、トラップと共に『ソウ』のグロを担う医学的解剖シーン。

インタビューした時にダーレン・リン・バウズマン監督は、「血を見るのダメなんだよ」って言っていたけど、嘘は良くないよ。


血がダメな人間が、超リアルな遺体解剖シーンをジックリとは撮らんだろ!

しかも冒頭。


グロいけど良く出来ている。

CGだけでなく、造形技術の進歩も格段に上っていることがわかる。


益々エスカレートしていく、『ソウ』シリーズですが、当然『ソウ5』もあるそうな。

監督はダーレンではなく他の人が撮るそうな。

まぁ、3本撮れば十分だろう。


で、注目なのはジグソウを演じたトビン・ベル。

契約が『ソウ4』で切れるそうな。


『ソウ5』は新たなるシリーズの幕開けとなるのか?

それは来年の秋、明らかになる。


微妙に文章、韻を踏んでいるな。。。


そういえば、試写室で見る前に誓約書にサインしたな。

公開前にレビュー書いちゃいけないんだっけ?


『ソウ』シリーズは毎度書かされるので、内容も読まずにサインしちゃったよ。


公開前にUPしちゃうけど、いろんなサイトで既にレビューが掲載されているし、まっ、いっか。。。


<バックナンバー>
『ソウ』(#56)『ソウ2』(#93)『ソウ3』(#131)
#131を読み返すと「よくまぁ、考えるなぁー」って書いてある。

<関連記事>
『ソウ4』トビン・ベル 単独インタビュー動画テキスト

■『モーテル

不慣れな田舎の山道。夜中に車故障。
破局寸前の夫婦が、仕方なく泊まった薄汚いモーテルで恐怖の体験をする。


すげー、たったの2行であらすじ書けた。

って、ぐらい超ウルトラ単純な話。


で、最近のホラー映画にしては、血糊量がすこぶる少ない。

複雑で、血まみれの『ソウ4』とは対極ですな。


しかしながら、単純で血の量が少なくても、リアリティがそこそこあるので、自分だったらどうしよう。。。

という疑似体験ができ、結構盛り上がる。


恐怖におののくケイト・ベッキンセールも良いね。


まぁ、ヒッチコックの『サイコ』に近い話だ。

オープニングタイトルも『サイコ』を意識していると感じた。


前回取り上げた『ディスタービア』もヒッチコックの『裏窓』っぽいと言われている。

やっぱりヒッチコックはこの手の映画のベースなんだなぁーと思う今日この頃。


そして、“宿泊料、イノチ”。

いいねぇ、このキャッチ。


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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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