2007年12月02日更新

#170 「ジョン・レノン特集第2弾『チャプター27』」

ジョン・レノンを撃った男、マーク・チャップマン。

彼がニューヨークを訪れ、ジョン・レノンを撃つまでを、チャップマンの証言を元にドラマ化した作品。


チャップマンは殺害時に手に持っていたサリンジャー著26節で構成されている「ライ麦畑でつかまえて」に傾倒しており、
本の主人公と自分を同化していた。

本作はその共通点を踏まえつつ、チャップマンの動向を描いている。


もっと突っ込んだ映画になっているのかと思ったら知っている範疇のお話でした。

チャップマンがどういう心境で、ジョンに銃口を向けたのかも、なんだか釈然としないまま。


皆さんの解釈に委ねますということなのでしょうが、わかるわけねーっての。

殺害に到るまでのチャップマンの心理は勿論だけど、彼の生い立ちとかをもっと知りたかったな。


ただ、チャップマンがジョンを殺害する数時間前に、ジョンの息子のショーンと握手をしていたことと、

犯行数時間前に、チャップマンがジョンからサインを貰っている写真が、どのような経緯で撮影されたのかは知らなかったので、“へーっ”って思った。


でもそれはこの作品の本質とは違うと思うので付加価値でしかありません。


付加価値といえば、ジョン・レノン暗殺にまつわるお話を一つ。

音楽と平和の祭典ウッドストックが開催された1969年。

ヒッピーの教祖であるチャールズ・マンソンが、ビートルズの「ヘルター・スケルター」という曲を聴き、神のお告げだと解釈し、妊娠中の女優シャロン・テートらを殺害した。


シャロン・テートの旦那であり、お腹の中の子供の父であったのは、映画監督のロマン・ポランスキー。

ロマン・ポランスキーは前年の1968年に、悪魔崇拝を題材とした心理ホラー『ローズマリーの赤ちゃん』を撮影していた。

この作品の舞台となるのが、ニューヨークに実在するダコタ・ハウス。


ダコタ・ハウスはジョンとヨーコの住まいであり、チャップマンはダコタ・ハウスの入り口でジョンを射殺している。

ジョン・レノンはアメリカ移民局から国外退去命令が出されていたけど、訴訟を起こし勝訴している。


一方、ロマン・ポランスキーは13歳のモデルの女の子に性的な悪さを働き逮捕。

刑務所に入るのが嫌で、映画撮影と偽りアメリカを脱出。

以降、アメリカに入国していない。


偶然にも程がある。

という話も『チャプター27』に出てきたりするのですが、ファンの間ではよく知られた話。


でも、知らない人には興味深い内容なのかもしれませんね。

って、この文章を読んだら知っちゃうじゃん。。。


あと、見所としては、チャップマンに成り切るために、ジャレット・レットがウルトラ体重を増やしてブクブクになっているところでしょうか?


普通に見たら凄い!って思うのかもしれませんが、友人女性ライターTさんの「コントに見えた」という感想を見る前に聞くにあたり、コントにしか見えなくなっちまって。。。。


因みに前回紹介した『PEACE BED アメリカVSジョン・レノン』は、オノ・ヨーコの全面協力の下で作られたのに対して、『チャプター27』はオノ・ヨーコから、

“ジョンを殺した人を主人公にするなんて・・・”という批判を受けています。


あっ、そうそう、チャップマンはアメリカ政府にマインドコントロールされて、ジョンを射殺したなどという説を唱える人たちもいます。

理由は『PEACE BED アメリカVSジョン・レノン』を見ればわかります。
伊藤Pの部屋#170 「ジョン・レノン特集第2弾『チャプター27』」
■「チャプター27

配給:アスミック・エース
12/15より渋谷シネクイントほか全国にて

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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