哀川翔+遠藤憲一というダブル・アニキの記念すべきダブル主演作なので、
【伊藤Pの部屋】扱いとしようと思ったのですが、
やっぱり文章を書いていくうちに【裏部屋】が妥当と判断。
ということで、【裏部屋】です。
WRC(世界ラリー選手権)参戦直前のレースでミスを犯したため仲違いし、
それぞれ別の道を歩んだ二人の男。
![]() 『SS-エスエス』 1/12より新宿トーアほかにて 配給会社:リベロ |
ダイブツ(哀川翔)は自動車修理工場で家族のために黙々と働き、
栗原(遠藤憲一)はカリスマ自動車評論家として成功を収めている。
二人は常にこのままでいいのか?という自問自答を繰り返しながら日々暮らしている。
しかし、中年に差し掛かった二人は、これではいかん!と、
かつての情熱を取り戻し、夢を叶えるべく再びハンドルを握る。
製作サイドは「カー・アクション+人間ドラマ」にしたかったそうですが、
全てにおいて詰めが甘い。
まず肝心のカー・アクション。
箱根の峠道を1台で走り、そのタイムを競うタイムアタックなので、
カーチェイスではない。
よって、抜くか抜かれるかのスリリングなバトルは無い。
だから演出的に難しいのかも知れないが、とてつもなく単調。
なにが凄くて、これだけ優れたタイムを叩き出せたのかが不明だし、
そもそもタイムの基準自体も不明だ。
ドリフトのテクニックとかは、忠実らしいけど、
そんなドライビングは日常生活ではしないので、知らんがな。
ドリフト・テクを堪能するのなら『RONIN』とか既にあるし。
「これだけライティングをして、夜間に車が走っている映画は邦画ではない」
そうですが、同じところにカメラを据えて、
何度も何度も目の前を車が駆け抜けていくだけでは、ちょっと飽きるよね。
撮影期間とか、撮影現場の規制とかいろいろあるとは思うけどさ。
まぁ、全部CGでレースを表現しちゃった『スピードマスター』と違って、
一切、CG無しで撮影したという情熱は感じたけどね。
それでも映画的にスリリングな展開にならないのは、
カー・アクション映画と謳っている以上、致命的でしょう。

で、もう一方の人間ドラマも薄い。
まず、二人の男が再びカー・レースに挑もうとするキッカケが不明。
そんなに簡単にやれるなら、くよくよ悩まずさっさとやれば良かったじゃないか。
ダイブツの家族も、あんな聞き分けの良い嫁さん(酒井法子)オランがなぁ〜。
子供もディズニーランドに行けないぐらいで泣くな!
友達がラジコンで、自分がミニカーだからってフテ腐るな!
他の家と自分の家を比較するな!
親も怒れ!
伊藤Pはディズニーランドに初めて行ったのは大学生だぞ!
ラジコンだって一生懸命お年玉とか、お小遣いを貯めて、
タミアのグラスホッパーとプロポとバッテリーを買ったぞ!
あと、この一家、貧乏という設定なんだけど、
ハンバーグは大量に出てくるし、結構広い一軒屋だし、十分じゃない?
固定資産税とかさ、ちゃんと払えているわけでしょ?
子供をディズニーランドに連れて行くぐらい大したことなさそう。
対して栗原。
突然、番組の収録中に「俺、辞めた」って、そりゃないでしょう。
男だったらしっかりと自分の仕事を終えてから、夢を追いなさい。
それが男気ってもんでしょ。
そんな中途半端な仕事しているから、レースでミスを犯すんだよ。
車もマネジャーだか、プロデューサーだかにあげちゃうけど、
ちゃんと陸運局に行って、名義変更せないかんでしょ。
他人に任せるんでも、実印押した委任状が必要だぞって、
まぁ、これは映画的演出だからつっこむのは野暮だな。
あとね、二人の脇を固める方々も中途半端すぎる。
いや、固めてない。溶解している。
二酸化炭素だ。地球温暖化の原因。
特にクワマンが演じた志村とか全く必要ない。
二人との絡みも皆無だし。
この分、他に予算や時間を当てた方が良かったんじゃないの?って。

とまぁ、散々、ボロカスですが、
それでもアニキのダブル主演作なんだよね。
共演シーンはさほど多くないのけど、
やっぱり二人が納まっているシーンは絵になるね。
それから、ダイブツが乗る車は三菱スタリオン4WD。
『キャノンボール2』で、ジャッキー・チェンとリチャード・キール組が乗っていた車だ。
そのエピソードがキチンと活かされているのは、ちょっと嬉しかった。
| 『SS-エスエス』 遠藤憲一 インタビュー動画 & テキスト |
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プロフィール
伊藤一之<♂>
大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。
「リーサル・ウェポン4」、「アイズ ワイド シャット」、「マトリックス」などの宣伝を手がける。
2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」にて映画情報番組の製作に従事。
2006年11月、「カミングスーンTV」が総合エンタメチャンネル「シーエス Gyao」に変更したのを期に、映画情報サイトの運営に関わる。
現在は「Gyao」の「最新映画ナビ」をメインに、最新映画情報を収集、提供の業務に携わっている。
本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年にスタート。
開始当初はコラムだったが、2007年にブログ化
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