2008年02月08日更新

#188 『チーム・バチスタの栄光』

東城大学付属病院で結成された心臓手術の専門集団「チーム・バチスタ」。
成功率60%と言われる難易な手術を、26回連続成功させたエリートたちだ。


しかし突如、3例連続で術中死が発生。事故なのか?殺人なのか?
その調査にあたるのは、門外漢の心療内科医師・田口公子と、
厚生労働省のキレモノ役人・白鳥圭輔。
様々な人間関係が交錯する中、二人は謎を究明することが出来るのか?




チーム・バチスタの栄光
『チーム・バチスタの栄光』
2/9より日劇2ほか全国東宝系にて
配給会社:東宝
(C)2008映画「チーム・バチスタの栄光」製作委員会




この『チーム・バチスタの栄光』は伊藤Pの人生において、
初めてと言える段取りを踏んでから鑑賞した。


作品が完成するよりも前に、
主演の竹内結子と阿部寛の取材が決まったため、
まず台本が手渡された。


作品を見る前に、台本を読みたいとはあまり思わなかったけど、
全く内容を知らなかったので、とりあえず読むことに。


犯人探しのミステリーなので、結末が楽しみ!
ということで、二人の役所を大体掴んだあたりで、
一旦、読むのをやめた。


台本を途中まで読んだ時点で、
面白い、テンポが良い、田口と白鳥のキャラクターが良い、
あて書きかと思うほど田口=竹内結子&白鳥=阿部寛だ、
二人のやり取りはコメディぽいというような印象を持った。


そして、竹内さんと阿部さんにインタビューした。
(インタビュー テキスト


完成前なので当然お二方ともまだ見ていない。
どんな作品になっているのか楽しみだと言っていた。


伊藤Pも台本で読んだ二人のやり取りが、どう演じられているのか、
また、多くは書かれていないが、
イメージできる手術室のシーンとかが、
実際にはどう映像化されているのか早く確かめたいと思った。


映画が完成するまでには、少し時間があるようなので、
次に、海堂尊の原作を読んだ。
というか、台本と一緒に借りたんですけど、返却期限付きだったので、
さっさと読まざる負えなかっただけなのですが。。。。


原作では田口は男性だが、映画では女性になっている。
原作の田口よりも台本上の田口の方が、
自信がなく、頼りのない感じだ。


また、脚本化にあたり、原作にある医療問題的な部分を、
かなりバッサリ切り落とし、ミステリーの部分を抽出していることがわかった。


この台本と原作の比較が短いスパンで出来たのは、良い経験だった。
何を残して何を切るのか?とても勉強になりました。


そして、遂に完成した映画を見ることになるのですが、
台本を読んでから映画を見る機会なんて中々ないので、
もう見る前から普通の感情ではない。


純粋に楽しむというよりは、
台本との照らし合わせながら、
「あぁ、こういう風になるんだー」ってな感じで見ていた。


ところが、暫くしてそんな関心は歓心に変った。


思い入れが入ってしまっているってのもあるとは思うのですが、
役者も揃っているし普通にミステリーとして楽しく見ることが出来た。


チーム・バチスタの栄光


そして、今回の一番の収穫は、
やっぱり映画は監督次第ということ。


台本を読んだ段階では、もっとコミカルな作品になっていると思っていた。
しかしながら、出来上がった作品にはあまりコメディ要素が見受けられない。


中村義洋監督はコメディ色を押さえ、緊迫感溢れる本格的ミステリーの路線を選んだ。


もしも違う監督が撮ったら全く違う雰囲気を帯びた作品になっているでしょう。


と、ここまで書いて、はたと気が付く。
これから見る方々は台本を読む機会なんてないわけでして、
この文章、全く鑑賞の手引きになっていない。
すんません!!


チーム・バチスタの栄光


まぁ、原作ファンも多いと思うので、
原作の方がもっとコミカルだとか、
白鳥は中年でファッションセンスがゼロのオッサンだとか、
田口はもっと利口だとか、
井川遥演じる機械出しの看護師がドジすぎるとか、
色んな指摘もある作品だとは思うんですけど、原作と映画は別もの。


映画化するなら男女のコンビの方が、性別問わずに集客しやすくなると思うし、
小説で描ける量と、映画で描ける量はイコールじゃない。
映画は映画というスタンスで見るのが良いでしょう。


原作を読んでいない方々は、まっさらの状態ですから、
普通に楽しく見ることが出来ると思います。


因みに原作「チーム・バチスタの栄光」はシリーズ化されている。
続編の「ナイチンゲールの沈黙」。


東城大学付属病院に隣接する桜宮病院に舞台を移した「螺鈿迷宮」。


「ナイチンゲール」と同時期に起きた別の出来事を、
微妙にシンクロさせならが描いた「ジェネラル・ルージュの凱旋」。


東城大学付属病院の20年前を描いた「ブラックペアン1988」。


そして、「螺鈿迷宮」に登場する女性記者と白鳥の活躍を描いた「死因不明社会」。


「死因不明社会」以外、全部読みましたが、
全ての作品が「チーム・バチスタの栄光」と多かれ少なかれ関わっている。
続編というか、時系列を前後した連作である。
しかもたった2年間で、全部出版している。
現在も勤務医である海堂尊の脳みそは一体どうなっているのだ。






『チーム・バチスタの栄光』
※竹内結子&阿部寛 インタビュー テキスト


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.t-shirt-ya.com/blog/cgi/mt-tb.cgi/830

この一覧は、次のエントリーを参照しています: #188 『チーム・バチスタの栄光』:

» 「チームバチスタの栄光」この映画がすごい!まではもう少し 送信元 soramove
「チームバチスタの栄光」★★★☆オススメ 竹内結子、阿部寛主演 中村義洋 監督、2008年、108分 成功率60%といわれる心臓手術 ... [詳しくはこちら]

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)




リンク

プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
Powered by
Movable Type