2008年02月21日更新

#190 『裏切りの闇で眠れ』

パリの闇に生きる一匹狼の殺し屋フランク。
暗黒街の派閥争いが激化し、裏切りが裏切りが呼ぶ。
敵味方の区別さえ出来ない中、フランクは生き抜くために策略を練るが...




裏切りの闇で眠れ
『裏切りの闇で眠れ』
2/23より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開
配給会社:ムヴィオラ




フランスの暗黒街を描いたフレンチ・フィルム・ノワールだけど、
はっきり言って物語的には少々まとまりに欠けていて、イマイチ乗り切れないし、
フランクにも大した愛情を持てないまま終わってしまった。


ジャン=ピエール・メルヴィル監督の『サムライ』を初めとする、
過去のフレンチ・フィルム・ノワールのような、
クールなんだけど、グッとくる何かを感じることが出来なかった。


しかしながら、この作品は凄いぞ。


バイオレンスとセックス描写は、近年稀に見る強烈なインパクトだった。


ということで、以下、R-18的文章です。
また、少しだけネタバレがありますので、ご注意下さい。


まず、バイオレス描写ですが、鮮血飛び散る白昼の銃撃戦、脳天ぶち抜き射殺なんてのは序の口だ。
とある裏切り者はスッポンポンにされて、椅子に縛られた状態でスネに電気ドリルを突き刺され、
グリグリやられる。
そして、メン玉スッパと『アンダルシアの犬』。


資料を読むとフレデリック・シェンデルフェール監督は、
リサーチにリサーチを重ね、かなり事実を本作に盛り込んでいるとのこと。


ってことあぁ、あんたフランスの暗黒街ではリアル『ホステル』ですか!?


更にバイオレンスは加速して、ケツの穴にバット挿入。
ある意味、バットの使い方としては『アンタッチャブル』のアル・カポネよりも痛い。
ちゅうか、入るの!?


そして、性描写ですが、オッパイは当たり前、
男も女も出血大サービスの猥褻ブツ陳列罪!


セックスは基本的に男が主導権を握り、好き放題にやりまくる。
男社会を描いた作品ですからね。


特にフィリップ・コーベール演じるギャングのボス、クロードは鬼畜街道まっしぐら。
愛人に舐めさせるは、便所に女連れ込んで野獣の如くバックから突きまくるはの暴れん坊将軍ぶり。


裏切りの闇で眠れ

次いでフランクが唯一信頼を寄せるジャン=ギイは、
嫁さんが浮気していると知ると、自分は風俗に行って楽しんでいることを棚に上げ、
「このアバズレ女!」と罵りながら、バシバシぶん殴りDVセックス。
愛憎、すごいぞう。


しかも、出てくる女優がみんな綺麗でスタイル抜群。


いやー、凄かった。


バイオレンスとセックスが満ち溢れていた。
しかもセックスがちっともエロじゃない。
痛々しいセックスなんだよね。


現在、アメリカや日本において、映画(テレビも)での暴力や性描写は自粛傾向にある。


子供たちに悪影響を与えるとか、犯罪につながるからという理由は勿論だけど、
興行的なダメージも大きいからというのもある。


アメリカでは年齢制限のレーティングが厳しいので、
低いレーティングにするために、試行錯誤しながら作られている。


例えば、『アイ・アム・レジェンド』のダークシーカー(劇中登場するあの方々のことです)。
俳優が演じて人間ぽくしちゃうと、描写にリアリティが増してしまいレーティングが厳しくなる。
なので、人間色を消すためにCGで描かれているという面もある。
結果、PG-13で公開されていて、周知のとおり大ヒットだ。
大ヒットの要因として、10代のお客様は必要不可欠。


日本は暴力よりも、性描写が厳しい。
いまだに性器にぼかしを入れる入れないで揉めることがある。


『裏切りの闇で眠れ』も男優がシャワーを浴びるシーンに、
ぼかしを入れる入れないで映倫と争っていた。


一般映画で脱ぐ女優も極端に減った。
昔はみんな濡れ場をガンガン演じていた。


松坂慶子『蒲田行進曲』
岩下志麻『悪霊島』
秋吉久美子『ひとひらの雪』
十朱幸代 『魚影の群れ』
浅野温子『スローなブギにしてくれ』
かたせ梨乃『極道の妻たち』
夏目雅子『鬼龍院花子の生涯』
名取裕子『吉原炎上』
原田美枝子『火宅の人』
風吹ジュン『蘇る金狼』
桃井かおり『もう頬づえはつかない』
森下愛子『もっとしなやかに もっとしたたかに』
って、キリがねぇー。


ちょっと前の黒木瞳『失楽園』以降、寺島しのぶぐらいでしょ。
あっ、あと、杉本彩。


ハリウッドでも反ヌードの傾向が強くなってきた。


昔はみんな脱いでいたんだけどね。


ダイアン・レイン『ビッグタウン』
ジョディ・フォスター『告発の行方』
デミ・ムーア『きのうの夜は...』
フィービー・ケイツ『パラダイス』
ニコール・キッドマン『デッドカーム/戦慄の航海』
シンシア・ギブ『栄光のエンブレム』
シャロン・ストーン『イヤー・オブ・ザ・ガン』(『氷の微笑』よりも絡み的には好き)
メグ・ライアン『プレシディオの男たち』
ミラ・ソルヴィーノ『ノーマ・ジーンとマリリン』
アシュレイ・ジャド『ダブル・ジョパディ』


最近だと、
『ブラック・スネーク・モーン』のクリスティナ・リッチや、
『ファクトリー・ガール』のシエナ・ミラーとかが頑張っていたりと、
まだ、日本よりは脱ぎ率高だけどやっぱり大分減ったよねぇー。


別に脱げば良いという訳ではないけど、
伊藤Pが思春期の時は、綺麗な女優さんの美しい裸目的で映画を見たこともあったりしたし、
普通に雑誌の「ロードショー」とかで、ヌード特集やっていた。


そんな時代を共に過ごした映画ファンの中には、
伊藤Pと同様、同じ部分で映画にロマンを感じていた人は多いと思う。


裏切りの闇で眠れ


話が大分それましたが、
今のアメリカや日本の映画業界とは真逆に突き進む『裏切りの闇で眠れ』を見て、
激しい描写とは裏腹に、「うちはうちですから」と独立独歩を決め込むフランスの大らかさを感じた。


勿論、本作はR-18です。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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