2008年02月28日更新

#191 『ライラの冒険 黄金の羅針盤』

伊藤Pは以前、映画宣伝の仕事をしておりました。
担当した作品の全てが面白かったわけではありません。
中にはどーしようもない作品もありました。


それでも宣伝マンという背広を着ている以上、
どんなにつまらない作品でも貶すことは出来ません。


例え映画は商品だと割り切ったとしても、媒体に紹介してもらうために好きでもない作品を、
「面白いです!」と本音の“ほ”の字もない言葉で褒めるのことに躊躇いがあった。
それが辛くて宣伝マンを辞めて、媒体の側に移った部分も少しはある。


映画が好きすぎると割り切れなくなって、こういったジレンマに陥るので、
そもそも宣伝の仕事自体、向いていなかったのかもしれない。


そして、今回、ちょっとニュアンスは違うけど、
政治的に貶してはいけない作品に出くわした。


もしも所属している会社が配給会社を擁していて、
その配給会社が社運を賭けた映画の紹介記事を書くとしたら、
一体どこまで本音で書きますか?


一つの会社の運命を左右するかもしれない映画とは、
いわずもがな、『ライラの冒険 黄金の羅針盤』でございます。




『ライラの冒険』
『ライラの冒険 黄金の羅針盤』
3/1より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にて
配給会社:ギャガ・コミュニケーションズ、松竹
TM & (C) MMVII NEW LINE PRODUCTIONS, INC.ALL RIGHTS RESERVED.




配給元のGAGAのみならず、USENグループ全社を挙げての勝負作。
「こけちゃいました」では済まされないし、
もしも失敗したら伊藤Pにも負の余波が少しはあるでしょう。


さーて、どう紹介する・・・


って、迷っているってことは、あんた、つまらなかったってことじゃないの?


いや、違うんですよ。
面白かったんですよ。思ったよりは・・・


すみません、そもそもファンタジーがあんまり好きじゃないんですわ。
『ハリー・ポッター』シリーズも『不死鳥の騎士団』以前の作品はまるでダメだったし、
『ロード・オブ・ザ・リング』も1作目しか見ておらん。


最初の入り口からして抵抗感がある。
でも、これは個人の嗜好の問題だからさ。


なので見るのもちょっと憚られていたのですが、何かと“『ライラ』凄いですね”と話題に出たし、
「見ました?」と聞かれることも多かった。


このブログでの感想を楽しみにしていますとも言われた。
そして、この一言が鶴の一声になり見ることにした。
(良いのかそれで!?ネタですよ!ネタ!)


スケジュール的な問題で、日本語吹き替え版を見た。


既に見ている人から“いきなりパラレルワールドから始まる”と聞かされていたし、
ダイモンという人間の分身がいることも知っていた。


そんな『ライラ』の世界のルールが冒頭で説明される。
ちょっとわかりにくい部分もあるのですが、日本語吹き替え版だったので、
字幕版よりも多くの情報が得られたからか、スムーズに『ライラ』の世界観に入れたのも良かった。
(逆に言えば、知らないと相当戸惑うし、字幕版ではわかりにくいのかも)


ポスタービジュアルに使用されている白クマは、
酒を飲ませてくれるから人間の下で働いているという設定。
超シンパシーを感じたね。


伊藤Pの人生、一体、アルコールにどれだけお金を注いだことか・・・
今までの稼ぎの半分以上が酒代で消えているんじゃないのかね?


って、話がそれましたが、そんな訳でなかなか親しみやすい愛すべきキャラだ。


これはかなりの高得点。


また、巷では“老けた”、“目がずっと充血している”、“皺が気になる”と、
ボロカス言われているニコール・キッドマンですが、
伊藤Pの青春時代からのミューズなんだよ。
やっぱり美しいし、いるだけで絵になる。
出ているだけでも嬉しいのだ。


そして、アカデミー視覚効果賞を受賞しただけのことはあって、
ビジュアルもとても綺麗だし、クマVSクマのシーンは迫力満点。
(でも個人的には『トランスフォーマー』の方が凄かったと思っている)


そんなこんなで2時間弱、それなりに楽しみながら見ることが出来ました。


なので、“良かった、良かった。これなら大丈夫”って色んな意味で一安心。


が!


しかし・・・


鑑賞後、暫くして数々の疑問がフツフツと・・・


その疑問をここで、この公開前のタイミングで書くとなると・・・
やっぱりちょっと無理かな・・・。


1年間という長い期間『ライラの冒険』に携わり、
神経すり減らしながら一生懸命宣伝していたGAGA宣伝部の面々の姿を、
比較的間近に見ているのもあるし。
もの凄いプレッシャーだったと思うんですよ。


ということで、ちょっとずるいんですけど、
『ライラの冒険』の初日があけて、大ヒット。
伊藤Pの感想なんて鼻くそ状態だったら
その疑問点も含め、もっと詳しく、
もうちょっと本音で『ライラの冒険』の感想を【裏部屋】で書きます!


大丈夫!きっと大ヒットさ!!!


所詮、組織の人間である伊藤Pでございました。


■追記:『ライラの冒険』の感想を【裏部屋】で書きました

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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