2008年09月05日更新

ロバート・ダウニーJR.

ロバート・ダウニーJR.(以下、RDJ)が、
『アイアンマン』でアメコミヒーローを演じると聞いた時にちょっと驚いた。




アイアンマン
『アイアンマン』
9/27より日劇3ほか全国にて
配給会社:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(C)2008 MVLFFLLC. TM & (C) 2008 Marvel Entertainment. All Rights Reserved.




理由はこの手のビッグバジェット映画に出る類のアクターでないと思っていたから。
ましてやヒーローなんて・・・


しかしながら『アイアンマン』を見て、
RDJがキャスティングされた理由が判ったような気がした。


RDJは現在43歳。
デビューは1983年の『ベイビー・イッツ・ユー』なので、既にキャリア25年のベテランだ。


RDJの名を一躍有名にしたのは、1985年の『レス・ザン・ゼロ』。


MTV感覚という言葉を生んだファッショナブルな映像と、
ロスに住む若者たちの退廃的な生活を描いたことで、大いに話題となった作品だ。


アンドリュー・マッカーシー、ジャミー・ガーツ、ジェームズ・スペーダーら、
次世代を担うであろう(と言われた当時の)若手俳優が出演しており、
中でも麻薬中毒の若者を演じたRDJの演技は絶賛された。


この作品で大ブレイクを果たしたRDJは、
続く『ピックアップ・アーティスト』('87)で、
当時大人気だったモリー・リングウォルドの相手役を務めた後、
シビル・シェパードと共演したラブ・ファンタジー『ワン・モア・チャンス』('89)、
メル・ギブソンとダブル主演を張った大作『エア・アメリカ』('90)と、
順調にキャリアを重ねていく。


そして、『チャーリー』('92)で、
偉大なるコメディアン、チャーリー・チャップリンを演じオスカーにノミネート。


名実共にスター俳優となる。


しかしながら、キャリアアップと共に私生活は乱れ始める。
というか、子供の頃から実はドラッグに嵌っていた。


そして、『レス・ザン・ゼロ』で演じた役を地で行くかのように、
麻薬に溺れ、1999年と2000年には麻薬不法所持で逮捕されて、
刑務所とリハビリセンターで過ごしたこともある。


若くして成功したスターにありがちの転落劇。


俳優業も、『チャーリー』以降、話題作に出演はしているが、
RDJ自身が脚光を浴びることはあまりなく、
どちらかといえば、脇を〆る俳優という立ち位置が多くなったうえ、
ドラマ「アリー・myラブ」ではドラッグ絡みで降板劇まで演じているし、
先の逮捕、刑務所&施設収容の期間は、俳優業は廃業状態となった。


2000年代に入って、俳優業を再開。
以前のようなスター扱いではなく、演技派俳優として、再び頭角を現す。
ジョージ・クルーニー監督作の『グッドナイト&グッドラック』('05)や
デヴィッド・フィンチャー監督作『ゾディアック』('06)などで、高い評価を得る。


麻薬依存を克服し、復活したRDJ。
次は『アイアンマン』('08)である。


『アイアンマン』の主人公、トニー・スタークは軍需産業で米国政府と太いパイプを持つ、
天才発明家で大富豪。向かうところ敵無しのエリートだ。


金も女も困らない。


そんなスタークはアフガニスタンで、武装テロ集団に拉致され監禁生活を強いられる。
そこで、スタークは自分の会社が作った武器が、テロリスト集団の手に渡っていることを知る。


なんとか脱出に成功し、アメリカに帰国したスタークは、
自分のしていたことが間違っていたと反省。
周囲の反対を押し切り、兵器産業から撤退を表明。
世界のためになるようなパワードスーツの開発に熱意を燃やすようになる。


このスタークの「成功 → 苦境 → 改心」という流れは、
RDJの今までの人生と大いに重なる。


冒頭の『アイアンマン』にキャスティングされた理由が見えてくる。


実際に成功と転落を経験したRDJを起用することによって、
演技では出せないような人生の苦楽が、スタークに反映され滲み出る。


先日の来日記者会見で、RDJは出演の理由を聞かれ、
「気分転換したかった」と答えていたけど、
オファーを出したスタジオ側の意図はここにあるように思う。


酸いも甘いも噛み分けたRDJだからこそ出せる男のダンディズム。


カッコええなぁ。


そんなRDJにインタビューすることに!
予定日は9月5日(金)。


こんなブログ記事を書いちゃうぐらいだから、
聞きたいことは山ほどある。


しかーし!
9月4日(木)、
RDJが体調不良となり、その日に予定されていた取材が全部飛んだという一報が!


来日しておたふく風邪にかかったジェイシー・チャンに続き、
2週連続で取材が飛ぶのか!?


聞くに、5日の取材はなんとかやる方向性だけど、
取材の時間が大幅に変更するかもしれないとのこと。


そして、9月4日の夜に、午後だった取材時間が午前中に変更となったという連絡が入る。


午前中は・・・会議がある・・・


インタビュー質問案をスタッフT嬢に託した伊藤P・・・


涙・・・・

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コメント (3)

mikomiko:

ロバダニ??
 ファン歴16年のものですが、
 ロバートダウニーjrをそう呼ぶ方は初めてです。
 
 初めて聞く不思議な略語に??
 ギョーカイでは、みなさんそう呼ばれているのでしょうか?
 違和感を感じるのは私だけかしら??

シータ:

すみません・・
チャーリー以来応援してきました。
上記の方と同じく、ロバダニは・・。
非情に違和感あり、品も落ちる感じです。
申し訳ありませんが、以後その様に読んで頂きたくない
と痛切に感じております。

伊藤P:

>mikomikoさん
>シータさん
コメントありがとうございます。
ロバート・ダウニーJR.を“ロバダニ”とは業界でも言いません。
長年のファンの方々に違和感を与えるつもりもなく、
単に伊藤Pがロバート・ダウニーJR.と打つのが面倒なので略しただけです。
長いし、カタカナ+英語だったから・・・


ファンの方々から反感を買うのは本意ではないので、
頭文字を取って“RDJ”という表現にさせて頂きました。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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