2009年03月25日更新

#359 『ナットのスペースアドベンチャー 3D』


ナットのスペースアドベンチャー

『ナットのスペースアドベンチャー』

3/28より新宿バルト9ほか全国にて
配給会社:ティジョイ、さらい
(c)nWave Pictures




1969年、月面着陸に成功したアポロ11号に、
こっそりと侵入したハエのナットたちの冒険を描いた3Dアニメ。


実は今回、初めて3D映画を見た。


以前、『ベオウルフ』の3D版を見に行った知人が“凄かった!”とやや興奮チックに語っていたし、
昨年、『センター・オブ・ジ・アース』が話題になっていたので、
3D映画を体験してみたかったんだけど、なるほど、なかなか面白かった。


昔の3Dと言えば、赤と青のメガネ。
でも今は色無しメガネ。


普段より裸眼生活なので、ちょっとメガネに違和感を覚え、
それが鑑賞の妨げになるかと思ったんだけど、たまさか気にならなかった。


でも、スクリーンにはどう映写されているのか確認したくて、
序盤は何度かメガネをずらして見たりした。
勿論、映像は二重だった。


恐らく、立体的に見えるよう緻密な計算をして、映像を重ね合わせているのでしょう。
2D映画の倍以上の作業になるわけで、その労力を考えると頭が下がる。


ナット


主人公のナットをはじめ、キャラクターたちを立体的に見せることが多かったんだけど、
たまに手前にある葉っぱとか、破片とかも立体になり、
まさにその場に居るかのような感覚だった。


いつもだったら一番前にの座席に座るんだけど、
初3D映画鑑賞ということで、目の負担を考慮し最終列のシートで見た。
一番前で見たらもっと迫力あったに違いない。


そして、本作の見所は3Dだけじゃない。
ナットたちの宇宙冒険も思いの他楽しかった。


アポロ11号の話は誰もが知っている。
だからこそ観客を引き付ける展開が必要なんだけど、
アポロ11号船内は勿論、ヒューストン宇宙基地を舞台にしたエピソードもあって飽きさせない。


あと、アポロ11号に関しては、
先日公開されたドキュメンタリー『ザ・ムーン』を見ていたので、より一層興味深かった。


アームストロング船長、
『ザ・ムーン』にも出演していたバズ・オルドリンの描き方にも配慮がなされていて好感が持てた。


ナット


それから、本作の監督ベン・スタッセンにインタビュー出来たのも大きな収穫だった。


本作は「企画段階から3D専用に作られた初のCGアニメーション」というふれこみだった。


先述の『ベオウルフ』をはじめ、3DCGアニメは他にもあるので、
その意味が良く分からなかったんだけど、ベン・スタッセン監督の話を聞いて理解できた。


『ベオウルフ』やCGアニメじゃないけど『センター・オブ・ザ・アース』と言った作品は、
2Dを3Dに変換したり、2Dでも3D効果が得られるように制作されたもので、
いわば、2.5Dの映画だという。


ベン・スタッセン監督は、
「2D上映であっても十分楽しめる作品を、わざわざ3Dにする必要があるのか?
 3Dには3Dにあった企画があるはずだ」という。


ナット


『ナットのスペースアドベンチャー』は、アポロ11号の史実をベースにしている。
物語の展開はある程度読めている。


でもこれがもっと複雑な話だったりすると、話を追う方に気を取られ、
3Dを体感しようという気持ちが薄れてしまう可能性がある。


誰もが知っている物語だからこそ、3D映画に相応しいといえるのかもしれない。


そんなこんなで、3D映画初体験が“本物”の3D映画だったこと、
そして、3D映画の専門家であるベン・スタッセン監督から3D映画の話が聞けたのは、
本当に良かった。


ただ一点、日本語吹替え版で見たんだけど、
ソ連のことをロシアという風に表現していた。


確かに今はロシアなのかも知れないけど、
1969年当時はソ連なわけで、そこがちょっと気になった。
(細かいけど、子供が見る映画だからこそ史実に沿って欲しいな)


『ナットのスペースアドベンチャー 3D』
※ベン・スタッセン監督 インタビュー

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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