2009年08月28日更新

『南の島のフリムン』 ゴリ<ガレッジセール>監督 取材記

このところインタビューの仕事にはあまり積極的じゃなかったんだけど、
久しぶりに会心のインタビューが出来た。


対象者は『南の島のフリムン』で監督・主演・脚本を手掛けたガレッジーセールのゴリさん。




南の島のフリムン

『南の島のフリムン』

8/29より角川シネマ新宿ほか全国にて
配給会社:角川映画
(C)2009 USEN CORPORATION All Rights Reserved.




インタビューがスイングした理由はいろいろある。


『南の島のフリムン』が面白い
・ゴリ監督に興味がある
・ムービーカメラがない取材だったので、ざっくばらんに話せた
・ゴリ監督の人柄


などが挙げられるんだけど、T-SHIRT-YA.COMの存在も大きかった。


『南の島のフリムン』が沖縄を舞台にした映画であり、
更にゴリ監督自身が沖縄出身ということもあって、
今回、取材が決まった時点で、沖縄Tシャツをゴリ監督にプレゼントするべく、
直ぐにT-SHIRT-YA.COMに打診。


すると、T-SHIRT-YA.COMで『南の島のフリムン』のコラボTシャツを作っていることが発覚!


「南の島のフリムン」×CAMP RUKYU ちまらぎーTシャツ


ちまらぎー


おぉ!なんという巡り合わせ!


早速、ゴリ監督へのプレゼント用のTシャツと、
伊藤Pが取材時に着用するフリムンTシャツを送ってもらった。


そして、取材当日、インタビュー部屋でフリムンTシャツを着て待っていると、
(宣伝担当の人には伊藤Pが着用することは伝えていなかったので、驚いていた)
ゴリ監督が入室してきた。


ゴリ監督もライトイエローのフリムンTシャツを身にまとっており、
同じTシャツを着用している伊藤Pの姿を見て、“おっ!”という表情になった。


ゴリ監督


全く同じTシャツを着た二人が向き合うというおかしな状況の中、
『うた魂♪』に続いて2回目のインタビューであることと、
伊藤PがコラボTシャツを作ったT-SHIRT-YA.COMに映画のブログを持っていて、
その繋がりでフリムンTシャツを送ってもらったことを説明をした。


するとゴリ監督は、アンバランスという芸人さんも、T-SHIRT-YA.COMに知り合いがいて、
先日、フリムンTシャツを着ていたことを話してくれた。


そんな話からインタビューはスタートしたのですが、
『うた魂♪』の時と同様、ゴリ監督のトークは面白かった。


『南の島のフリムン』の内容を話しつつも、ギャグを所々に散りばめて、
大いにこちらを笑わせてくれた。


印象的だったのは映画に対してとても誠実だということ。


“なんちゃって”で映画を撮るのではなく、
きちんと商業映画として成立するよう練りに練ったうえで取り組んでいる。


そのため相当の不安とプレッシャーを感じ、
何度も逃げ出したくなったと言う。


その“中途半端な作品を作りたくない!”という思いは、
撮影の技法にも現れていて、
新人監督に有りがちな奇をてらった撮影手法を用いず、あくまでも正当派を貫いている。


その理由を尋ねたところ以下の答が返ってきた。


■ゴリ:「(奇抜な撮影手法は)絶対にやりたくなったです。
     以前、ショートムービーを撮った時に痛い目にあっているんですよ。
     撮影に拘ったことでどんどん押して、夕飯も食べられない、
     現場の雰囲気が悪くなる、みんなイライラして怒鳴り出す。

    
     もっとカット割りしたい部分もあったのですが、
     あの時の嫌な思いだけはもうしたくなかったんで、割り切りました。

    
     現場スタッフたちの体調管理も監督の仕事のひとつだと思うので、
     いかに諦められるかが重要でした」



ゴリ監督、周りのことちゃんと考えています。


それでもいくつか拘りの部分があり、ラストには手持ちカメラによる長回しがある。


ところが、この長回しシーンで、伊藤Pはあることに気がついてしまった。


AKINA演じるヒロインのりみが、ゴリさん演じる栄昇に蹴りを入れるんだけど、
蹴った瞬間にAKINAが履いていたサンダルが脱げてしまう。
それでもAKINAたちは演技を続け、そのままエンドロールに至る。


このことを指摘すると、


■ゴリ:「なんで知っているんですか!?」


■伊藤:「いや、だって、見ていたら脱げたんで」


■ゴリ:「おぉ!素晴らしい!初めてですよ、これ指摘した人!
     脱げた瞬間はポストに隠れていてよく見えてないですけど、
     ポストの陰から出ると、片足だけ裸足なんですよ!
     良く見ていましたね!」



と、どうやら伊藤Pが初めて指摘した人物のようで、
ゴリ監督から「お見事!」とお褒めの言葉を頂いちゃいました。


続いて、弱い者(栄昇)が強い者(マッチョな米兵)にがむしゃらになって立ち向かうという点が、
初期ジャッキー・チェン作品と重なったので、そのことを告げると、
やはりかなり意識したと。


伊藤PもジャッキーLOVEなので、ここからジャッキー・トークに。


■ゴリ:「(小さい頃)本当にジャッキーに楽しませてもらいました。
     ジャッキーの作品には夢があります。
     ああいう風に強くなりたいと思いました。
     未来を明るくしてくれました。
     自分にもドキドキする何かが起きるのでは?という風に思わせてくれました。

    
     僕の映画も見た人にそういう力を与えることが出来たら良いなぁって、
     思いながら作りました。


     以前、「笑っていいとも!」にジャッキーがゲスト出演したんですけど、
     僕と関係ない広報用のカメラマンの方に、
     ツーショット写真を撮ってもらいちゃいました。
     家に飾ってありますよ。

    
     ジャッキーとのツーショットですよ。
     沖縄から出てこなかったら絶対に会えなかったです。
     小さい頃は芸能界に入るなんて思いもしないで
     ジャッキーの映画を見ていましたから、人生って面白いですよね」



■伊藤:「僕も同じですよ!
     小学生の時にジャッキーの映画を見て、映画が好きになり、
     ジャッキー映画の宣伝をされていた方に憧れ、宣伝の仕事がしたいと思い、
     映画宣伝代理店に入社したんです。
     それが映画業界に入るキッカケでした。
     ジャッキーがいなかったら、人生変わっていたと思うんですよ」


■ゴリ:「ジャッキーには会えましたか?」


■伊藤:「去年、取材することが出来ました」


■ゴリ:「おめでとうございます!」


■伊藤:「この人(横にいたカメラマン)にツーショット撮ってもらいました」


■ゴリ:「僕のようにカメラマンを使ったんですね」


■伊藤:「はい。使っちゃいました。感無量でした」


■ゴリ:「ジャッキーは本当に凄いですよね」


■伊藤:「凄いですよね。今日は、このようなお話が出来て嬉しいです」


■ゴリ:「僕も嬉しいです。でも、さっきのサンダルの件といい、
     ジャッキーへのオマージュといい、なんでも当ててくるから、
     ちょっと恥ずかしいですよ。
     なんかお尻の穴まで見られている様な気分です(笑)」



と、ジャッキー談義に華が咲いたはいいが、
伊藤Pの指摘が少々鋭かったようで・・・


しかし、攻撃(?)の手を緩めず、


■伊藤:「タイトルに“フリムン(沖縄の方言で、愛すべきアホの意)”とありますが、
     劇中、一度も出てきませんよね?
     ウチナーの人たちはともかく、それ以外の人たちは、映画を見ただけだと、
     フリムンの意味を理解できないと思うのですが?」



という問いかけをすると、これはゴリ監督にとって致命的なミステイクだったようで、
「いくらでもセリフに入れられたのに・・・自分に余裕がなかった・・・大失敗です」と、
後悔しきり。


サンダル、ジャッキー、フリムンと続いたことで、


■ゴリ:「いや・・・なんか質問の内容が(他の人と)違うところをついてきますね。
     フリムンという言葉を使っていないことまで言われるとは思いませんでした。
     本当に気にしていたんですよ。
     なんか、人間ドック受けているみたいです(笑)。
     健康に振舞っているけど、あんたココが悪いんでしょ。知ってますよみたいなね」



取材部屋にいた全員が大爆笑。


この手の切り返しは流石。


その後、いくつか質疑応答を経て、最後にPRコメントをお願いした。


■ゴリ:「心がほっこりとする作品です。
     絶対に“ゴリ、ふざけんな”という気持ちにはならないと思います。
     皆さんの人生の90分間だけ、僕に下さい!よろしくお願い致します!!」



このコメントを聞いた瞬間、すぐさま反応!


■伊藤:「僕は『クレヨンしんちゃん』の映画が好きなんで、
     みんなに良く薦めるんですけど、多くの人が“えっ?”ってなるんですよ。
     素晴らしい作品だということを信じてくれないんです。
     そういう時、“あなたの人生の90分間を僕に捧げて下さい!”って、
     言って啓蒙しているんです」



ほとんど一緒のPR方法に驚く2人。


■ゴリ:「あらぁ・・・、これは僕の〆の言葉なんですよ。
     あれぇ・・・、あなた僕のアニキじゃないですよね?
     沖縄にいるはずなんだけど・・・。
     なんでこんなに似てくるんだ。おかしいなぁ」


■伊藤:「『クレヨンしんちゃん』見て下さい。
     『オトナ帝国の逆襲』、『アッパレ!戦国大合戦』大傑作ですよ」


■ゴリ:「子供が「クレヨンしんちゃん」好きなんで、
     もしかしたら家にDVDがあるかもしれません」


■伊藤:「是非、見て下さい。人生変わりますから」


■ゴリ:「そこまで言いますか?
     そういえば『河童のクゥと夏休み』に出させて頂いたんですけど、
     原恵一監督ですよね?」


■伊藤:「そうですよ!出演しているじゃないですか!
     なのにご覧になっていないのですか!?」


■ゴリ:「・・・す、すみません・・・見ます」



と、どっちが映画のPRをしているんだ状態に・・・


そして、スチール撮影タイム。


せっかくなので、色違いのT-SHIRT-YA.COMのコラボTシャツを掲げてもらって、
パシャパシャと。


ゴリ監督


引き続き、Tシャツプレゼント・タイムに。


■伊藤:「今回、コラボTシャツを作らさせて頂いたので、
     T-SHIRT-YA.COMのスタッフの方から、お世話になりましたということで、
     Tシャツのプレゼントになります」


■ゴリ:「いやー、すみません。ありがとうございます。嬉しいです」



ということで、まずは「南天 鬼太郎シーサー」Tシャツ。


鬼太郎シーサー



■ゴリ:「おっ!お洒落じゃないですか。可愛い!可愛い!」



続いて、「O」の部分が沖縄の県章になっている「沖縄ヤンキース ROCK&ROLL」Tシャツ。


ロックンロール



■ゴリ:「これもお洒落だなぁ」



最後に「CAMP RUKYU ゴーヤポロシャツ」。


ゴーヤポロ


■ゴリ:「あははははっ、これは笑えますね。ラコステじゃないですか!
     ありがとうございます!」



ということで、満足していただけたようで、何よりです。


Tシャツを無事プレゼント出来たのも良かったし、
何よりもインタビュー自体が本当に楽しかった。


ゴリ監督の映画に対する真摯な姿勢に感銘を受け、
取材が終わったら脱ごうと思っていたフリムンTシャツを着用したまま、
家路につきました(取材、夜だったんで)。
少しはPRの協力が出来たかと。


そして、後で宣伝担当の方に聞いた話によると、
オイラの取材、今までこなしてきた取材の中で、
ゴリ監督、一番嬉しそうだったって。


そんな話を聞いて、こっちまで嬉しくなっちゃいましたよ。
また、機会がありましたら、是非インタビューさせて下さい!
また指摘しまくれるよう鑑賞力と観察力を鍛えておきます!!!


『南の島のフリムン』
※ゴリ監督 インタビュー テキスト

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コメント (1)

伊藤Pさん!
報告遅れましたが(すんません)、沖縄県美浜での舞台挨拶は立ち見まででる「満員御礼」でしたよ!

ゴリ監督、照屋政雄さんのトークもひっちゃかめっちゃかで大笑いでした♪

もちろん映画も笑いの渦で、みんなホッコリしてましたわ(笑)

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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