2010年04月12日更新

劇団☆新感線「薔薇とサムライ〜GoemonRock OverDrive」


薔薇とサムライ

劇団☆新感線「薔薇とサムライ〜GoemonRock OverDrive」

赤坂ACTシアター 〜2010/4/18マデ
梅田芸術劇場 メインホール 2010/4/27〜2010/5/13




先日、劇団☆新感線の「薔薇とサムライ〜GoemonRock OverDrive」を
赤坂ACTシアターで鑑賞した。


ということで、今回、その感想を書こうと思う。


「薔薇とサムライ」は、
≪ゲキ×シネ≫(注1)にもなった新感線☆RX「五右衛門ロック」の主人公、
石川五右衛門を再び主人公にした冒険活劇だ。


赤坂ACTシアターは平日にも関わらず、満員。
伊藤Pは2階席2列目のど真ん中から鑑賞。


開演時間オンタイムに客電が落ち、
ジューダス・プリーストの「Heavy Duty」が爆音で鳴り響く。


曲の中盤にある「ワァー」というコーラスにエコーがかかり、
いよいよ舞台がスタート!


17世紀、日本を遠く離れたイベリア半島の一小国コルドニア王国。


その領海で暴れまわっている海賊の石川五右衛門は、
女海賊アンヌ・ザ・トルネードと戦友になり、
彼女の船の用心棒となる。


とある港町。
捕らえられて城に連れて行かれたアンヌを待っていたのは、
ラーカム・デ・ブライボン大宰相。


大宰相はアンヌこそ先王の娘だといい、王位継承を迫る。


アンナのお披露目パーティーに出席した隣国の王子シャルル・ド・ボスコーニュは、
アンナに一目惚れをする。
そして、そこにはアンヌを心配して潜入していた五右衛門もいた。


次第に女王として目覚めていくアンヌであったが、
女王擁立の裏には、様々な思惑がうごめく陰謀があった・・・。


というあらすじ。


石川五右衛門を演じるのは、もちろん古田新太。


薔薇とサムライ
写真撮影:渞忠之


この劇団☆新感線の看板スターの存在感は、本当に凄い。
舞台に登場するだけで、何かしでかすのでは?という期待が高まる。


そして、実際にいろいろとやってくれる。


正直、歌はそれ程上手くないけど、その分、殺陣やギャグでカバーだ。


アンナ役には天海祐希。


アンナの役柄が宝塚に近いので、
ドンピシャなキャスティング。


セリフの滑舌も良いし、歌も上手いので安心して見ていられる。
何よりも華がある。


他に、山本太郎、松田聖子と神田正輝の娘である神田沙也加、
多くの舞台経験を持つ浦井健治らがゲスト出演しているんだが、
松雪泰子、江口洋介、山本未來、川平慈英、濱田マリ、北大路欣也といった
早々たるメンバーが参加した「五右衛門ロック」に比べるとややパンチに欠ける。


しかしながら、いつもだったらどんな役でも山本太郎になってしまう山本太郎は、
山本太郎でなかったし、
浦井健治の弾けっぷりも良かった。


神田沙也加の歌の上手さにも驚いた。
お母さんより、歌が上手ですね。


才能豊かな若手俳優たちが、歌い、踊り、ステージ狭しと駆け回る。


また、劇団☆新感線メンバーの橋本じゅん、高田聖子、粟根まことたちが、
「五右衛門ロック」以上に大活躍している。


中でも海賊バルバ・ネグロを演じた橋本じゅんは、
結構、美味しいところをかっさらっていた。


役者さんたちの歌と演技も良かったけど、
所々プロジェクターを使用して見せる映像との融合が素晴らしい。


薔薇とサムライ


舞台で映像を使う演出に抵抗感を抱く人もいるかも知れないけど、
「薔薇とサムライ」に関しては、スケール感を大きくする効果があったと思う。


役者さんたちの演技に合わせて映像をインサートするわけなんだが、
そのタイミングは本当に絶妙だった。


また、バックバンドの生演奏もたまりません。


演奏がメチャクチャ上手い。
ロックだけでなく、フラメンコ調やワルツまで奏でてしまう。


で、メタル好きなのでメタルな「五右衛門ロック」がかかった時は、やっぱり燃えたし、
テーマ曲の「薔薇とサムライ」もかっこよかった。


映像もそうだけど、バンドも役者の演技に合わせての演奏。
お互いの信頼関係がないと絶対に出来ない。


音楽だけでなく、ドラムのシンバルやカーベルで合いの手を入れたりと、
細かい効果音的な役割も担っていて、
その間の取り方とか唸りまくった。


暗転もまったくストレスがなく、スムーズ。


役者、映像、生演奏、裏方と全ての要素が見事に結実した舞台だった。


特に第二幕は圧巻で、
興奮のあまり何度も何度も皮膚がザワザワ、サワサワした。


「五右衛門ロック」の同様、五右衛門たちが見得を切る場面では、
あまりのかっこよさに涙が出てしまった。


薔薇とサムライ


いやー、本当に楽しい一時でありました。


こりゃ、常連のファンが出来るのも当たり前だよ。
他のどこでも味わうことの出来ない珠玉のエンターテインメントだ。


ただ、2階席ということで、
役者さんたちの細かい表情を見ることが出来なかったのは、やはり残念だ。


そのストレスを解消してくれるのが、≪ゲキ×シネ≫な訳でして、
本作も是非、≪ゲキ×シネ≫化して頂きたい。


今までは舞台を見ないでゲキ×シネだけ鑑賞していたので、
「薔薇とサムライ」では両方見て、
その違いとそれぞれの良さを確認したいですね。


※注1≪ゲキ×シネ≫とは?
劇団★新感線の舞台を10数台のデジタルカメラで撮影し、
フィルムを使わずデジタルシネマの技術を用いて制作されていて、
舞台の臨場感を映画以上の美しい映像で堪能できる新感覚の映像エンターテインメント。


【伊藤Pの部屋】
※『ゲキ×シネ 新感線☆RX「五右衛門ロック」』
※ゲキ×シネ『蜉蝣峠』

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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