2010年06月17日更新

#491 『ハロウィンII』


halloween2.bmp

『ハロウィンII』

6/19よりシアターN渋谷ほか全国にて順次公開
配給会社:ショウゲート

©2009 THE WEINSTEIN COMPANY LLC.All Rights Reserved





ジョン・カーペンターの名作をロブ・ゾンビが2007年にリメイクした『ハロウィン』の続編。
前作で殺人鬼マイケルを倒して生き残ったローリーの元に、
再びマイケルがやって来る・・・。


マイケルはモンスターでも地球外生命体でもない。
生身の人間だ。


一作目のラストで普通だったら死んでいるか、
重体級のダメージを負っているのにも関わらず、
その日のうちに元気に復活!


出た!ルールなきホラー映画!
これじゃ、ジェイソンと一緒じゃん。


それだけでもげんなりなのに、“ローリーが殺られる!”って瞬間に実は夢だったとか、
“ローリーが奇行に走った!”と思ったらやっぱり夢落ちだったりで、
更に興醒め。


マイケルの移動スピードも物理的にどうかと思ったし、
そもそもなんでローリーの居場所が分かるのだ?


で、決定的に最悪な事態が、映画本編とは関係ないところに潜んでいた。
それはマスコミ用資料(いわゆるプレス)にラストシーンの写真が掲載されていたこと。
一目でネタバレ。


いつもは鑑賞前にプレスなんてほとんど見ないんだけど、
パラパラってめくっただけで、その写真が目に付いてしまった。


その問題のラストシーンは、本編を見ると二つの解釈が出来ると思った。
そのうちの一つを推し進めるのならば、上記に挙げた様々な点との整合性は取れるね。


しかし、そんなラストにたどり着くまで、
マイケルによる殺戮が、次から次へと展開していく。


ハロウィンII


慣れって怖いもんで、マイケルが殺れば殺るほど、滑稽で笑ってしまう。


無防備な全裸の女性を鏡にバンバン打ち付けて殺したり、
立ちションしていた全く無関係な人を殺したりと、
殺す動機も目的も必然性もないから、もうただただ笑うだけ。


この映画に理屈を求める方が悪いんだろうけど、
これじゃ単なる殺害ショーじゃないか。


って、それで良いのか!?


追うマイケル、追われるローリーのチェイスもいまいち盛り上がらず、
前作ほどの緊迫感はなかった。


というかクライマックスがないじゃないか!


ハロウィンII


まぁ、昨年8月に全米で公開されてから、なかなか日本公開に至らず、
このままDVDストレートか!?という危惧があった中、
無事日本で劇場公開されるだけでも良しとするべかな。


そんな感じで、イマイチたぎるものがなかったんだけど、
やっぱりジョン・カーペンター作曲の「ハロウィン」のテーマは別だね。


あのメロディが流れると俄然燃える。
流れるのはエンディングだけど・・・。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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