2011年10月26日更新

“デフ・レパードの来日公演を楽しもう!” Part5

前回の“デフ・レパードの来日公演を楽しもう!” Part4の続き。


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■「SLANG」(1996)
スラング
ヴィヴィアン・キャンベルが本格的にアルバム制作に携わった初のアルバムだが、
バンド史上最も異色のアルバムであり、発売当初、ファンを大いに戸惑わせた。
96年当時、オルタナティブやラウドロックが席巻しており、それを意識した楽曲が並ぶ。


「Slang」★
問題作故か、「スラング」ツアーではそこそここのアルバムの曲がライブで演奏されたが、
現在は1曲もこのアルバムから演奏されることはない。
唯一可能性があるのはタイトルソングだろう。
ファンキーなカッティングとへヴィーなパワーコードがブレンドされ、
ジョー・エリオットの歌はラップ調という意欲作。
今演奏したらそれなりに盛り上がるのでは?と思ったりして。
決して嫌いな曲ではないので、久しぶりにライブで聴いてみたい気もする。


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■「EUPHORIA(ユーフォリア)」(1999)
euphoria
前作の迷走に反省したのか、タイトルの「IA」という語尾が示すとおり、
「PYROMANIA」「HYSTERIA」の路線へと逆戻りしたアルバム。
その後、「IA」で終わるアルバムはリリースされておらず、三部作的な意味合いか?
今まで以上にポップな曲が多く、ハードロック・ヘビーメタル・バンドのアルバムとしては、
全体的なかなり軽いが、これぞデフ・レパード!これぞブリティッシュ・ロック!と思わせる楽曲が並ぶ。
「Promises」ほか全3曲でジョン・マット・ランジが参加している。


「Demolition Man」★★
このアルバムや後の「X」ツアーでは演奏されていたが、
2008年のライブではセットリストから外された。
デフ・レパードの中でも抜群の疾走感のある曲なので、ライブでは盛り上がるのだが・・・。


「Promises」★★
本作のファーストシングル。「Demolition Man」同様、本作と「X」ツアーでは演奏されたが、
最近はカットされている。
曲調があまりに「Photograph」に似ているので、セットリストに組み込むのが難しいか?


「Goodbye」★
これも「Demolition Man」、「Promises」と同じ。


「Paper Sun」★
「Goodbye」と同じ。大作の部類に入る作品だが、この曲をやるならば、
「Die Hard The Hunter」、「Gods Of War」、「White Lightning」をやって欲しい。
因みに前回の来日公演ではこのアルバムから一曲も演奏されていない。


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■「X(テン)」(2002)
X.jpg
デフ・レパードのファンの間では「SLANG」が問題作とされているが、
今、振り返ってみるとこのアルバムが一番問題作のような気がしてならない。
あらゆる点で、今までのデフ・レパードと違うのだ。
まず、外部のソングライターの曲が2曲ある。
共作やカバーは別として、これはバンド初の試みだ。
前作以上にポップ路線を推し進め、ギターソロがある曲は14曲中わずか3曲。
サウンドはデフ・レパードそのものなんだが、ちょっと物足りなさが残るアルバム。
セールス的にも今まで最も振るわず、ジャケットどおり「バツ」となった。
下記、一応、曲を列挙するが、多分、今回の来日公演でこのアルバムの曲が演奏されることはないと思う。


「Now」★
「X」ツアーでは、ジョー・エリオットがアコースティックギターを持って演奏された。


「You're So Beautiful」★
キャッチーで、爽やかな印象を残す一曲。まぁ、大分、ポップです。


「Long Long Way To Go」★
バラード。良い曲だとは思うが、数多ある他のバラードよりもインパクトは少ない。


「Four Letter Word」★
そういえば、インタビューでジョーはこの曲の歌詞を自画自賛していたっけ。


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■「BEST OF」「ROCK Of AGES」(2004)
bestof.jpgrock%20of%20ages.jpg
イギリス盤とアメリカ盤が存在し、若干収録曲が異なるというファン泣かせの2枚組みベスト。
デフ・レパードの重要曲をほぼ網羅できるので、このアルバムさえ聴いておけば、
ライブの70〜80%ぐらいカバーできるでしょう。
初心者にお勧め。アルバム未収録だった「No Matter What 」はバッド・フィンガーのカバー。


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■「YEAH!」(2006)
year%21.jpg
バンドメンバーが敬愛する諸先輩方の曲を収録したカバーアルバム。
他人の曲なのにこのバンドが演奏するとあら不思議、デフ・レパード・サウンドに仕上がってしまう。


「Rock On」★
あまり重要なアルバムとは言えないが、
2008年来日公演の2日のうち1日だけ演奏されたのが、このDavid Essexのカバー曲。
個人的にはダルダルなので、最もやって欲しくない一曲。


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■「SONG FROM THE SPARKLE LOUNGE」(2008)
songfrom.jpg
「X」以来、実に約6年ぶりとなるオリジナル・スタジオ・アルバム。
初期の粗さ、「PYROMANIA」路線、「SLANG」の質感、「X」のポップさと、
今までのバンドの要素が結実したアルバム。
バンドメンバーの共作は11曲中2曲だけで、メンバーひとりひとりが持ち寄っている。
トータルのランニングタイムが30分台(ボーナストラックを除く)で、
厳選した捨て曲無しのタイトなアルバムだが、
ジョー・エリオットの言うところの“アルバム・トラック(アルバムならではの曲)”的な大作曲があれば、
もう少し映えたような気がする。


「Go」★★
検証できるのが前回のツアーだけなので、このアルバムから演奏されるかわからないが、
とりあえず前回の2日間の来日公演のうち1日だけ演奏されたので。
今までのデフ・レパードのライブでの演奏の傾向を考えると多分、切られる曲かな・・・。
バンド史上最も重いリフだし、フィルとヴィヴィアンが掛け合うギターソロもあるので、
是非、演奏して欲しい一曲。


「Nine Lives」★★★
本アルバムのファーストシングル。「Go」同様、2日間あった来日公演のうち1日のみ演奏。
「Photograph」「Armageddon It」を足したような“癖”のある一曲。


「C'mon C'mon」★★★★
かなりライブ栄えするのであえて願望も含めて★4つ。
ゲイリー・グリッターを髣髴させるグラム・ロック。
数回聴けば覚えちゃうぐらいな簡単な歌詞なので、覚えておいた方が良いでしょう。
2008年の来日公演では初披露とは思えないぐらいの盛り上がりをみせた一曲。


「Bad Actress」★★
2008年の来日公演のアンコールで演奏されたシンプルなロックチューン。
キャッチーなんだが、早口で日本人には覚えにくい歌詞なので、ちょっと厄介な一曲。
でも、全体の公演を考えると置き場に困る一曲のような気がする。
だからアンコールだったんだろうけど、アンコールにしてはインパクトがない。


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■「MIRRORBALL」(2011)
mirrorball.jpg
バンド初のフルレングス・ライブ・アルバムだが、
スタジオ新録の「Undefeated」、「Kings of the World」 、「It's All About Believin'」 も収録されている。
ジョー・エリオットが「BURRN!」のインタビューで、
「新曲3曲はライブで必ずやる」と語っており、3曲とも要チェックだ。
とはいえ、「X」発表時のインタビューでフィル・コリンが、
「『Scar』は絶対に演奏する」と言いながら、結局やらなかったので、
あまりあてにはなりません。
でも、「Undefeated」は、演奏すると思う。
良い曲だと思うし、ラストのギターソロとか生で聴いてみたい。


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以上、デフ・レパードの来日公演前の予習にお役立ち出来たらと思い、
自分の知りえる知識と経験を元に綴ってみました。


デフ・レパードの来日公演には、「アドレナライズ」の時から欠かさず行っています。
前回はホワイトスネイクとのカップリングで、チケット代が13,000円もしたので、
1公演しか行かなかったけど、それ以前は、2公演行っていた。


全てのセットリストを覚えているわけではないので、
うろ覚えな部分もありますが、少しでも皆さんの参考になってくれれば嬉しいです。


また、同じようにデフ・レパードを敬愛しているファンの方々が、
ライブ前にこの文章を読んでくれて、ライブに賭ける意気込みや楽しみが増してくれれば幸いです。


伊藤Pは、毎回一緒にデフ・レパードの来日公演に行っている後輩のゴッチ、
そして、メタル無頼漢ナレーター佐藤朝問と11月7日(月)の公演に行きます。


みんな一緒に盛り上がりましょう!
I want rock'n'roll!
Long live rock'n'roll!!


最後に、こんなセットリストだったら良いのになぁ〜、という勝手な願望を記載しておきます。


<プロローグ>
・「COMA」ガンズ&ローゼス(場内BGM) → トイレへ → 「We Will Rock You」クィーン(場内BGM)
→ 曲終了と共に客電オフ → 総立ち
・「Rock'n'Roll Part2」ゲイリー・グリッター(場内BGM) → 手拍子と「ヘイ!」の掛け声。
 → “I say wellcome to my show”byジョー・エリオットの掛け声からスタート!


<本編>
1.「Stagefright」
2.「Demolition Man」
3.「Rocket」
4.「C'mon C'mon」
5.「Undefeated」
6.「Make Love Like A Man」
7. 「Slang」
8.「Too Late For Love」
9.「Women」
10.「God of War」
11.「Bringin' On The Heartbreak」
12. 「Switch623」
13. 「Love Bites」
14. 「Excitabel」or「Tomorrow」(意外な選曲で)
15. 「Nine Lives」
16. 「Animal」
17. 「Photograph」
18.「Armagedon It」
19.「Action」(今までの流れにないアクセント)
20.「Pour Some Sugar On Me」
21.「Rock Of Ages」


<アンコール1>
22.「Two Steps Behind」
23.「Let It Go」


<アンコール2>
24.「Hysteria」
25.「Let's Get Rocked」

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コメント (5)

ALICE:

伊藤P様
初めまして。ブログを拝見致しました。
詳しい情報有難うございます。
デフ・レパードは96年に大阪城ホールで1度見たきりでした。他に好きなバンドが多く、しばらくデフ・レパードの存在を忘れていたのですが・・・
youtubeでたまたま95年ごろのアンプラグドの映像を見たら、あまりにもカッコいいので止まらなくなってしまい、11月5日の大阪グランキューブを見にいくことにしました。
さっきチケットが届きましたが、気づくのが遅かったので、2階の後ろです。
もうデフレパードにはまって抜けられなくなってしまいました。10年間、休んでたギターも再開することにしました。
デフ・レパードの事、いっぱいお話したいです!
今後もよろしくお願い致します。
ALICE

伊藤P:

>ALICEさん

コメントありがとうございます。
そして、デフ・レパードの素晴らしさを再び思い出してくださって嬉しい限りです!

日程は大阪の方が前なので、ALICEさん先に楽しんじゃってください!
でも、オープニング曲とかセットリスト情報は、
11月7日(月)の東京公演初日まで無しにしてくださいね(笑)。

お互い遠距離ですが、距離と時間に関係なく、
彼らのライブを共有しましょう!!!

公演後、ちょっと時間がかかってしまうかもしれませんが、
2008年の来日公演同様、レポートを書こうと思っています。

正直、今回の記事書きながら、誰が読んでくれるのか?という疑問がずっとあったので、
こうやってコメント頂けると凄く嬉しいです。

ありがとうございました!

そして、10年ぶりのギター復活!
素晴らしい!!

ガンガン、レップスの曲コピーしてください!!

昨晩は、「炎のターゲット」の曲をギターで弾いていました。
速弾きは出来ないので、フィルのソロとか適当ですが、
やっぱり彼等の楽曲は最高ですね!

今日もこれから家に帰って弾こうと思います!

merissa:

伊藤P様
はじめまして。
私は、デフ・レパードの魅力に取り憑かれて6年程の、ファンとしてはまだまだ若い50歳過ぎのおばさんです。
子育てに必死になっていた頃に、何処からか耳にはいってきたBringin' On the Heartbreakのフレーズが心の片隅に引っかかっていたのですが、6年前に再び耳にした時は、まるで何十年も会っていなかった恋人と再会したかのように感動し涙してしまいました。
以前はドラムをちょこっと演っていたこともあり、リック・アレンのドラムセットが気なったりもしているおばさんですが、よろしくお願いします。
で、昨夜は大阪公演に行ってきました。
デフ・レパードのライブは2回目ですが、2008年の時より会場の大きさもあるのか音も何もかも良かったです。私とほぼ同年代の彼らがカッコよく、もうただ感動でした。
一緒に行った主人が、何かの雑誌で日本公演でサプライズがあるという記事を読んだらしく、「あ〜、あれがそうだったのか…」っていう曲もありましたよ。
月曜日の東京公演、この日の為に貯めたへそくりでもう一度行きます!
伊藤P様、一緒に楽しみましょう!!


伊藤P:

merissaさん
コメントありがとうございます!
大阪に続いて、東京公演も参戦とは凄いですね!!
そして、その月曜日の東京公演は既に終わりましたが、いかがでしたか?
今しがた大阪のセットリストを確認したのですが、東京公演初日と一緒のようで・・・。私は事前情報をシャットダウンしていたので、純粋に楽しめましたが、
大阪・東京と連荘のmerissaさんからしてみたら、ちょっとがっかりでしょうか?
そして、「Bringin' On The Heartbreak」演奏してくれて良かったですね!!

merissa:

伊藤P様
返事を頂き、ありがとうございます。
大阪に引き続き、東京もがっかりするどころかすごく良かったですよ。
大阪公演も昨夜の東京初日も、まるで再生ボタンを押したかのような…(笑)
東京国際フォーラムの大きさには驚きました。大阪の会場の倍はありそうですね。
「Bringin' On The Heartbreak」の大合唱が、会場が大きい分少し寂しく感じましたが。
今日は、違う曲をするらしいですが、すごく気になります。
私は、今回のツアーで「Action」を期待していたので、それだったらすごくがっかりです。
高校時代、SWEETの来日コンサートで大声で歌った覚えがあります。
Joe Elliottとも一緒に歌いたいわ。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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