2012年03月28日更新

#652 『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム


2012年3月10日より丸の内ルーブルほか全国にて
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2011 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED


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遅ればせながら『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』を見た。


公開から2週間以上経っており、既に鑑賞済みの人も多いと思いますが、
せっかく見たので書きます。


前作は石畳が各プロダクションのロゴになっているという洒落たオープニングだったが、
今回も本にインクで書かれたシルバー・ピクチャーズ(プロデューサーのジョエル・シルバーの製作会社)のロゴからスタート。


やはり始まりが素敵だとウキウキする。


シリーズ第二弾は、前作の最後にほんの少しだけ登場したモリアーティ教授と
シャーロック・ホームズとの戦いがメインとなっている。


ガキの頃「ルパン」は貪るように読んだが、「シャーロック・ホームズ」は読んでおらず、
シャーロック・ホームズに関してはかなり知識が乏しい。
でもモリアーティ教授がホームズの宿敵であることぐらいは知っている。


なるほど、最大のライバルなだけある。
共に意識し合っていた2人が面と向かって対峙して以降、
頭脳戦、心理戦、銃撃戦とあらゆる戦いが繰り広げられる。


一手先、いや、二手、三手先を読み合う2人の攻防が、スピーディーに展開していく。


シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム


ホームズと助手のワトソンのコンビネーションはさらに磨きがかかっているし、
2人の奇妙な友情がより深まるエピソードも良い。


相変わらずたまに分からないところがあるが、ユーモアも盛り沢山。
(たぶん、英語が解れば笑えるんだろうけど、ジョークを他言語に訳すのは難しい)


ガイ・リッチー監督ならではの凝った映像作りは、カッコイイし、見ているだけで楽しい。


2時間強がアッという間に過ぎてしまい、
エンターテインメント作品として充分に楽しめた。


シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム


しかし、何かが足りない。


前作で作り上げた今までとは違うシャーロック・ホームズ像は、もはや新鮮とは言えない。
まぁ、これはシリーズものの宿命みたいなもんなんので致し方ないんだが、
その分もうちょっと全体的にスケールアップして欲しかった。


アクションが増えた分、ミステリーとしての要素が、かなり激減してしまったのも残念。
前作は死者が蘇るという大きな謎が最後まで解き明かされなかった。
観客の興味を終わりまで牽引するような大きなトリックが、今回ない。


シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム


前作と同じじゃつまらないから、二作目はアクションを全面に押し出す
というコンセプトだったのかもしれない。


であるならば、クライマックスがあまりに弱い。
原作通りなのかもしれないが、前作のタワーブリッジでの決闘みたいな派手さが欲しかった。


それと今回レイチェル・マクアダムスの出番が少ない。
メインキャストにもクレジットされていなかったし、予告編にも登場しなかったので、
なんでだろう?と思っていたら、そういうことだったのね・・・。


彼女が演じるアイリーン・アドラーがいないと、華やかさに欠ける。


とはいえ、ワトソンの妻が前作以上の活躍を見せるし、
ホームズたちと共闘するジプシーのシムやホームズの兄マイクロフトは、頼もしい存在だ。


是非、ホームズ、ワトソンはもちろん、レギュラー陣のキャラクターと世界観を生かして、
シリーズ第三弾を作って欲しい。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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