2013年01月11日更新

千駄ヶ谷

早いものですねぇ。
もう2013年も1週間以上経ってしまいましたよ。


1年前のお正月がついこの前のように感じるってのにねぇ。


それぐらい時の流れってのが早いってぇのに、
あんた、まだ去年の9月にやった散策のネタ書いてるってんだからねぇ。


と、出来もしない落語調で始めてみましたが、
2012年の9月某日、取引先からの直帰がてら、千駄ヶ谷地域をぶらぶらしたので、
今回はその散策記を綴ってみたいと思います。


神宮前で仕事を終え、外苑西通りを千駄ヶ谷方面へと歩く。
まず向かったのは、今まで何度も訪れたことのある「千駄ヶ谷トンネル」。


都心・・・いや、都内で最も知名度の高いバケトンだ。


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バケトンたるゆえんは、トンネルの上に将軍2人を輩出した紀州徳川家の菩提寺、仙寿院のお墓があるから。


1964年、東京オリンピックの道路整備のために掘られたトンネルなんだが、
墓地を移転するとオリンピック開催に間に合わないため、お墓の下を貫く形となった。


お墓が上にあるがために、様々な怪奇現象の目撃談があるんだけど、
正直、交通量も多しい、まるでそういう怖さを感じることはできません。


ちょっと前まで壁にグラフィティ(エアロゾールアート)が描かれていたが、
上塗りされていて、すっかり綺麗なトンネルとなっていました。


しかしながら、「千駄ヶ谷トンネル」が引き起こす怪異のパワーは強いらしく、
入口横にあるビクタースタジオでは、「変な声が聞こえた!」といった話もチラホラと。


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個人的にはビクタースタジオのお隣にある蔦だらけのお家の方が、
ソッチ系の雰囲気を醸し出しているように思う。


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それにしても、散策した日は、いつもよりもこの界隈にしては人出が多い。
しかもかなり若い女の子ばかりだなぁ〜なんて思っていたら、
ほど近い神宮外苑内の国立競技場から凄まじい黄色い声援が聞えてきた。


どうやら嵐のコンサートのようだ。
38歳の中年のオッサンなんで、若者まみれの神宮外苑に、原宿の竹下通りに通ずる気おくれを感じた。


でもバケトンパワーの結界お蔭か、
「千駄ヶ谷トンネル」を原宿方面に抜けると、女子はほとんどいなくなった。


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ありがとう。
「千駄ヶ谷トンネル」。


でもって次に向かったのが、「鳩森八幡神社」なのですが、
軽い上り坂の住宅街を歩いているとおもむろに右手に「お万榎稲荷神社」を発見。


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これぞ散策って感じなんで、こういうの好きですねぇ。


ちゅうことで、鳥居をくぐり、階段を数段上がると穴ぼこが。


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写真ではしっかりと穴の奥が写ってはいるものの、
実際には相当暗くて肉眼では中の様子が伺えなかったんだが、
後で調べたらこの穴こそ「お万榎稲荷神社」の核だった。


以下、「神社人」という神社を紹介するサイトの一文を引用させてもらう。


「今は昔、当地には、根元が女陰に似ている大きな榎(えのき)があったという。
 そして、とある四谷の大工が、その根元を加工して自分の女房の女陰そっくりにしたところ、
 女房が女陰の病気に掛かってしまった。


 大工は榎の祟りと思い、岩屋に祠を造り、榎神社として祀ると女房の病気はすぐに治った。
 それ以来、女性の下の病に御利益がある性神として信仰されるようになったと言われる。」


まさか写真を撮った穴が、女陰だったとは・・・。
し、失礼しました!!!


その女陰・・・いや穴の左手には階段が。


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段差がバラバラのうえ、ぼこぼこしている。
しかも暗い。
やや腰砕け状態で階段を登ると小ぶりな鳥居と社殿が。


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周りを見渡すと高級マンション。
社殿の向かい側もビル。


国立競技場からは、嵐のコンサートの低音が響き、
さらに数多の女性の悲鳴に近い歓声がこだまする。


見上げるとコンサートのサーチライトが、夜空を照らしていた。


でも自分がいるのは小さな、2階にある神社。
変な感じ。


やや珍スポットの趣となってしまった「お万榎稲荷神社」を後にして、
再び緩やかな坂を登ると目的の「鳩森八幡神社」に到着。


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抜け道になっているのか、奥の方から時たま人が歩いてくるが、
ひっそりとしていてここが都心であることを忘れさせてくれる。


地元吉祥寺の武蔵野八幡宮もそうだけど、
神社って縁日とか七五三以外、昼間でもあまり人がいなくて静かだ。


それが心地よかったりする。


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さて、この「鳩森八幡神社」の名前の由来ですが、
公式ホームページによると


「この地の林の中にはめでたいことが起こる前兆の瑞雲(ずいうん)がたびたび現れ、
 ある日、青空より白雲が降りてきたので不思議に思った村人が林の中に入っていくと、
 突然白鳩が数多、西に向かって飛び去った。この霊瑞(れいずい)に依り 
 神様が宿る小さな祠(ほこら)を営み鳩森『はとのもり』と名付けた」


とのこと。


そして、「鳩森八幡神社」には、寛政元年(1789)の築造で、
都内で2番目に古いという「富士塚」がある。
(現在の富士塚は、大正12年(1923年)の関東大震災後に修復)


こちらが登山口。


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「富士塚」は、「武蔵野市 PART6 境」
の「杵築大社(きづきたいしゃ)」にも登場する。


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その時に書いた説明文をそのまま引用する形で、改めて紹介しよう。


「(神が宿るとされていた)富士山は、僧侶が修行のため行っていたが、
江戸時代に入ると、庶民の間でも富士山信仰は盛んとなり、
町内のみんなで金を積み立てて、貯まった時点で富士山に登った。


これを富士講と呼ぶ。


とはいえ、富士山に行くにはそれなりにお金と時間がかかるので、
富士講メンバーが融資して、近くの神社などに富士山に見立てた山を作り、
そこに登ると富士山に登頂したのと同じ御利益があるとした」


「杵築大社」で、富士講や「富士塚」の存在を知り、
他にも近場にないかと調べたら、「鳩森八幡宮」にあった。


今回の散策の最大の目的はこの富士塚。


「なぜ登るんだ」
「そこに山があるからさ」


さっそく登山開始。


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富士の頂を目指しました。


「杵築大社」の富士山は段差も段数もあまりなく、登り易かったが、
「鳩森八幡神社」の方は、段差や凹凸があり登りにくい。


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しかも結構暗かったうえに道幅も狭く、へっぴり腰状態で恐る恐る登った。


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頂上手前の階段はかなり急だ。


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その急な階段を登りきると、
富士山山頂にある「浅間大社(せんげんたいしゃ)」の奥宮が再現されていた。


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奥宮の周りの岩は富士山の溶岩を使用しているとのこと。


こちらが山頂からの眺め。
富士山は見えませんが、月が見えました。


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下界はこんな感じ。


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なかなかの眺めを堪能し、下山となるわけですが、
頂上から下りの階段は、結構な急勾配なうえ、見た感じ足場も悪そう。
来た道を戻ることに。


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それでも一つ階段を降りると別のルートがあり、
せっかくなんでそちらから下山。


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ルートも豊富だし、標高もそこそこありで登り甲斐のある富士山でした。


そして、富士の裾野には、甲賀者(近江国甲賀郡の地侍。忍者)が崇拝していた「甲賀稲荷社」が。


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鳥居が何本も並んでいるのを「千本鳥居」というんだけど、
こういう光景、神秘的で結構好きです。


鳥居のトンネルをくぐって本殿に参拝。


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「富士塚」、「千本鳥居」を堪能できるナイスな「鳩森八幡神社」を後にし、
人通りの少ない住宅&個人オフィス街を歩き、千駄ヶ谷駅に到着。


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次に向かったのは、千駄ヶ谷駅と信濃町駅の間にあり、
JR中央線と総武線の線路の上にかかる車両通行止めの陸橋「大番町通跨線道路橋」。


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頭上を首都高速道路が走っており、“電車、人、車”が交わる橋だ。


なんでこの橋に来たかというと、実はこの橋は鉄道遺跡なんです。


橋を渡るとその先は神宮外苑なんだが、
この神宮外苑一帯にはかつて「青山練兵場」があり、
近隣の軍事施設(現慶応病院)とを結ぶ線路が、この「大番町通跨線道路橋」に敷かれていた。


千駄ヶ谷駅から「青山練兵場」まで引込線もあり、
よく見ると総武線の線路に沿って、「大番町通跨線道路橋」に向かう坂道らしき跡が見受けられ、
どうやらその坂が引き込み線の跡のようだ。


こちらは橋の渡った神宮外苑方面からの一枚。
かつてここに線路が通っていたとは・・・。


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この後、神宮外苑内を散策しようかと思ったんだが、
嵐のコンサートの影響で、「普段はこんなに人(しかも若い子)、おらんだろう」ってぐらいの人出。


コンサート終了後には更なる混雑が予想されたので、
相変わらず国立競技場から聞こえてくる低音と黄色い歓声を背に受けながら、
そのまま信濃町駅へ向かい帰宅。


それにしても、コンサート中にも関わらず、会場周辺はかなりの人の数だ。
普通はコンサートが終わったら会場周辺が混むわけでして・・・・。


チケットを入手することの出来なかったファンが、
屋外施設である国立競技場から漏れてくる音だけでも・・・ってことで集まってきているようだ。


散策途中、国立競技場をジィーーーーーーーーーーーーーーと見つめる女子がかなりいた。


流石、嵐。


嵐の凄さを知った。
そんな散策でした。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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