![]() 2/14よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて 配給会社:東宝東和 (C)2008 byDEFIANCEPRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved. |
1941年、ホロコーストの脅威が押し迫ったポーランドに隣接するベラルーシの森には、
ナチス・ドイツの迫害から逃れるため、多くのユダヤ人が身を隠していた。
自らもユダヤ人であるトゥヴィア・ビエルスキは、ユダヤ人が自由に暮らせるコミュニティを作るため、
リーダーシップを執っていた。
しかし、飢えと寒さ、そして、ドイツ軍の度重なる攻撃が容赦なく襲い掛かり、
彼らは生きるための抵抗<ディファイアンス>を余儀なくされる。
![ディファイアンス](http://www.t-shirt-ya.com/itoup/images/D3.jpg)
監督は『グローリー』、『戦火の勇気』、『ブラッド・ダイヤモンド』など埋もれた史実を掘り起こし、
ヒューマン・エンターテイメント作品に仕上げることを得意とするエドワード・ズウィック。
今回も実在の人物に焦点を当て、その手腕を遺憾なく発揮している。
フィクションの『ラスト サムライ』も含め、
歴史を紐解きながら登場人物をヒロイックに描くのが本当に上手い。
時代背景を徹底的に調べ、リアリティを追究。
そして、対象人物を掘り下げる。
ズウィック監督は、取り上げる人物に凄い愛情を持っているんだと思う。
だからズウィック監督が描く人たちはみんな魅力的なのでしょう。
『ディファイアンス』もトゥヴィアを筆頭に、
ズシュ、アザエルのビエルスキ兄弟の人物描写が素晴らしい。
(もう一人アーロンという末っ子がいる)
リーダーとしてみんなを引っ張るトゥヴィアの、自信と優しさ。
そして、焦りと不安
ズシュの反骨精神。
アザエルの幼さと成長。
3兄弟それぞれが個性的で、それが物語に彩を与えている。
また、彼らを演じた役者が良い。
トゥヴィアを演じたのはダニエル・クレイグ。
![ディファイアンス](http://www.t-shirt-ya.com/itoup/images/D5.jpg)
戦い、傷つき、成長するという点では新生ボンドと共通する点は多々あるが、
己のために孤軍奮闘するジェームズ・ボンドとは違い、
トゥヴィアは引率者として、様々な苦難に立ち向かうことになる。
信念を持ちながらも、自分の行っていることが正しいのかどうか、
不安に陥ることもある。
ボンドとは全然違う葛藤を、表現している。
ズシュ役には、ユダヤ人の血を引くリーヴ・シュレイバー。
元々演技力には定評があるけど、今回も要所を締めてくれる。
妻子の死を知り泣き崩れ、自暴自棄になるズシュ。
悲しみが全身から溢れ出ていて、もらい泣きしちまった。
そして、アザエルを演じたジェイミー・ベルにも泣かされた。
自信を喪失したトゥヴィアに代わり、指揮を執るアザエル。
この成長ぶりにトゥヴィア同様、感動しちまった。
![ディファイアンス](http://www.t-shirt-ya.com/itoup/images/D2.jpg)
そして、ラストシーンでまた涙流しちまった・・・
幾ら史実を基にしているとは言え、
誇張したり、事実に反することも描いていると思うけど、映画ですからね。
ドラマチックに描く必要がある。
“こういう人がいた”という事実を知ることが出来るだけでも嬉しい。
戦い、苦悩、成長、恋愛、兄弟愛。
人間の命の尊厳を描いた良質な社会派人間ドラマだった。
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