![]() 9/12より全国東宝系にて 配給会社:東宝 (C)2009 「キラー・ヴァージンロード」製作委員会 |
結婚式前日に誤ってアパートの管理人を刺殺してしまった沼尻ひろ子は、
“どうしても結婚がしたい!”ということで、遺体をスーツケースに入れ、
盗んだ車で青木ヶ原樹海へと向かう。
そこで、男に振られまくり、自殺を試みるも死に切れない女、小林福子と出会い、
2人の珍道中が始まる。
![キラー・ヴァージンロード](http://www.t-shirt-ya.com/itoup/images/killer56.jpg)
冒頭からいきなりアクの強いミュージカルで幕を開ける。
監督の岸谷五朗は『FROGS on Screen』というミュージカルの演出も手掛けているし、
奥さんはプリプリの奥居香だし(って、これは関係ないか・・・)、
ミュージカルが出てくるのは必然なのかもしれないけど、
このジャンルが苦手なので一瞬たじろいだ。
しかしながら、全編ミュージカルではなかったので、
一安心したものの、アクが強いというか、妙なテンションが常に全編を支配している。
そのテンションとは言ってしまえば、“悪ノリ”。
あまりの馬鹿馬鹿しさに、
「天下の東宝もこの手の映画を配給するんだ」と妙な関心をしてしまった。
さっきまで青木ヶ原樹海にいたのに、道路の標識が秩父という、、
ジャック・バウワーの如き、不可能な移動を含め、
そんなんあるわけないじゃん!的な要素がてんこ盛りなんだけど、
まぁ、ナンセンスコメディなんてこんなもんでしょう。
問題はコメディとしては、あんまり笑えないってことかな。
ひろ子と福子の行動が笑えないので、
あまりギャグが成立しないのが残念だ。
ひろ子を演じた上野樹里は、コメディエンヌとして評価が高いけど、
今回は役柄的に振り切れていないような気がする。
![キラー・ヴァージンロード](http://www.t-shirt-ya.com/itoup/images/killer4.jpg)
それはひろ子の役がそういう役だから仕方ないのかもしれない。
イマイチ、ひろ子に好感が持てなかったんだよね。
どっちかといえば、イライラする。
上手くいかないのを笑いにするのが、
この手のコメディの真骨頂だと思うんだけど、
それが出来ていない。
そして、福子役の木村佳乃は、どう見てもコメディという感じじゃない。
鋭い眼差しだからか、どこか怖い。
軽い感じになるべきシーンが、重くなってしまう。
一番のギャグは、スーツケースに跨ったひろ子と福子が、
雑木林を滑り落ちるシーンだね。
![キラー・ヴァージンロード](http://www.t-shirt-ya.com/itoup/images/killer2.jpg)
これって、木村佳乃が出演している三井住友銀行の、
「ご利用は計画的に!」とあんまりかわんなくねぇ?って。
「お問い合わせは0120-923-923!」って、
出来の悪いセルフパロディみたいで、笑ってしまった。
それでも90分間、一気に見せてしまう勢いがある。
笑えないけど、決して退屈するというわけではない。
コメディとしては物足りないけど、ロードムービーとして見れば、
上野樹理は適役だと思うし、
木村佳乃の新しい一面も見られる。
![キラー・ヴァージンロード](http://www.t-shirt-ya.com/itoup/images/killer5.jpg)
脇役だけど、寺脇康文も中々、ナイス。
最初、寺脇さんだって分からなかった。
この役は、昔だったら間違いなく竹中直人がやっていたに違いない。
それはともかく、上野樹理、寺脇康文、小倉久寛、小出恵介、小松彩夏、
ついでに主題歌の福山雅治、
更には監督の岸谷五朗までアミューズ所属。
スターダストに負けてなるものか!
という感じでしょうか?
あっ、これは映画の中身とは関係ないですね。
正直、鑑賞直後に内容というか、見たことすら忘れちゃうんだけど、
見ている最中はそれなりに楽しめる。
そんなライトな作品でした。
旬な女優が出ているし、ポップな感じだし、軽いし、上映時間短いし、
デート・ムービーとしては最適なのではないでしょうか?
特に初デート・ムービーは、これぐらいが無難でしょう。
なんて書いていたら、なんか嫌なこと思い出した。
大学1年生の時、初デートで何を血迷ったのか、
ホウ・シャオシェンの『戯夢人生』を選んだことあってさ・・・。
上映終了後、2人とも“どよぉ〜ん”って雰囲気で、
もろクリスマスの時期だったんだけど、
ディナーも無いまま日比谷シャンテ前で別れた。
その後、その子と進展は・・・
あるわけない!
以降、デート時には慎重な作品選考が行われるようになったのであります。
しかしながら、厳選した割には、実りはなったな・・・、
そんな俺の青春。
コメント (1)
そう言えば、岸谷五朗さんとバライティー番組に出ている時、樹理さんが納得ゆくリハーサルが出来ていなかった心境を話していましたね。恩人の五朗さんに対して、後で考えると無意識でしょうが、遠慮があったみたいな、納得いく答えを戦わせて導くことが出来なかったみたいですね。
嫌われたくないという思いでしょうか?
映画で今一、主人公に命を吹き込めなかったのはそれが原因か?
考え過ぎなら良いが・・・?
投稿者: なおみ | 2009年12月22日 05:56