2006年02月06日更新

#103 「 熱き中近東 」

先日、パレスチナ評議会選挙でイスラム原理主義組織ハマスが、パレスチナ自治政府の第一党となったニュースが注目を浴びました。

それに呼応するかのように、映画界でも中近東に関連する映画が次々と公開。


まずはスティーヴン・スピルバーグ監督の最新作「ミュンヘン」。

1972年のミュンヘン・オリンピックで、パレスチナ・ゲリラによって11人のイスラエル選手が殺害された。その報復としてイスラエルは事件の首謀者たちを消すために暗殺チームを送り込む。暗殺チームは指示を受けるがままに任務を遂行して行くが、やがて、彼らにも報復という名の恐怖が襲い掛かり、追い詰められてゆく。

次いで「ジャーヘッド」。

若くして海兵隊に志願入隊したスオフォード。1990年、イラクのクェート侵攻を受けてサウジアラビアに派遣されるが、いるはずの敵がいない。ひたすら待つだけの日々。戦闘でストレスを発散することも出来ず、やがて精神は破綻を来たし始める。戦闘から引き起こされる狂気ではなく、戦闘出来ないことで引き起こされる狂気を描くという新しいタイプの戦争映画。


最後に「トラフィック」チームによる「シリアナ」。

アラブ某国の王位継承に伴う石油輸出問題。その問題の裏ではCIA工作員、エネルギー・アナリスト、弁護士、移民労働者など様々な人々が絡み合い、運命の波に揉まれてゆく。複雑に絡み合う複数の物語を巧みな構成でまとめ、様々な問題を浮き彫りにした社会派ドラマ。

この3作品、中近東という共通のキーワードがあるけれど、他にも共通項がある。

暗殺者たちもスオフォードも「シリアナ」の登場人物たちも皆、普通の人間。親がいて、家庭があって、仕事(任務)をしている。しかしながら、そんな彼らは国家や組織にとっては単なる駒でしかない。映画は権力に翻弄され、一個人としての人間性を失ってゆく様を描いている。

テロや戦争、企業の陰謀など、他人事の様に見える世界も、実は自分たちの実生活に重ね合わすことが出来る。よって、伊藤Pも含め会社勤めの方々、明日は我が身よぉ〜。なーんてちょっと思ったりする。

とまぁ、ちょっと堅苦しくて、重くて、取っ付きにくそうな3作品ですが、3作品ともとてもパーソナル映画で、見る者に共感を与えてくれます。

で、最後に、3作品を見る上でのアドバイス。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。
大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。
「リーサル・ウェポン4」、「アイズ ワイド シャット」、「マトリックス」などの宣伝を手がける。
2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」にて映画情報番組の製作に従事。
2006年11月、「カミングスーンTV」が総合エンタメチャンネル「シーエス Gyao」に変更したのを期に、映画情報サイトの運営に関わる。
現在は「Gyao」の「最新映画ナビ」をメインに、最新映画情報を収集、提供の業務に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年にスタート。
開始当初はコラムだったが、2007年にブログ化
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