2006年05月19日更新

裏#008 「エミリオ・エステヴェス 序章:栄華と衰退」

あの人は今。


エミリオ・エステヴェス。


芸能一家であるマーティン・シーンの長男として生まれる。
80年代から頭角を現し「アウトサイダー」(83)、「セント・エルモス・ファイアー」(85)などに出演し、
当時のハリウッド青春映画で活躍していた若手スター・グループ、
“ブラット・パック”の中心人物となる。


「ウィズダム/夢のかけら」では当時の恋人デミ・ムーアをヒロインに迎え監督デビューを果たす。
その後も「ヤング・ガン」シリーズ(88、90)、「飛べないアヒル」(92、94、96)シリーズで活躍するが、
同じく“ブラット・パック”出身のトム・クルーズ製作・主演「ミッション・インポッシブル」(96)で、
物語の開始早々にエレベーターに挟まれて死ぬという役柄でカメオ出演して以来、
日本において、スクリーンで彼の姿を拝むことはなくなった。


何故!?何故だ!!


あれほど才能溢れる人物が映画界から消えた理由は!?


それは、ジョージ・クルーニーの出現である。


俳優としてオスカーを受賞しただけでなく、
プロデューサー、監督、脚本家としてもその才能を如何なく発揮。
人柄も“ちょいワルおやじ”の「LEON」な感じで女性からモテモテ。
同性からも“良き兄貴”として慕われ、
“彼との仕事だったらギャラはいらない”と言わしめる。


現在の映画界において最も力のある人物の一人となった。


主にTVを活躍の場としていたジョージが映画界で頭角を現したのは、
96年〜97年あたりから。
エミリオが映画界から消えた時期とちょうど符合する。


エミリオが映画界を牽引し続けようとしたら、
同じようなことがしたかった同世代のジョージが彗星の如く現れ、
エミリオからリーダーの座を奪ったのである。


哀れなエミリオ。。。


そして、居場所がなくなったのはエミリオだけではない。
“ブラット・パック”出身で、未だ第一線で活躍しているのはトム・クルーズぐらい。
80年代〜90年代初頭に主役を張っていた俳優たちはことごとくシーンから消えていったのである。。。


裏#009 「エミリオ・エステヴェス 第一章:ビッグ・プロジェクト発動」に続く

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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