2008年08月05日更新

裏#65 『東京オンリーピック』

1組のスキー板に2人の選手が乗り、
荒唐無稽のジャンプをする『スキージャンプ・ペア』。


この作品で一躍注目を浴びた真島理一郎が総監督を務め、
個性豊かな映像作家がクリエイトした奇妙キテレツなスポーツ競技を集めた
オムニバス作品『東京オンリーピック』。




東京オンリーピック
『東京オンリーピック』
8/8より新宿バルト9にて
配給会社:アスミック・エース エンタテインメント




2008年の邦画ワースト1は、『少林少女』で揺るがないと思っていたけど、
『少林少女』を凌ぐ作品に出会ってしまった。


インタビューさせて頂いた真島理一郎総監督には申し訳ないけど、
正直に書かせてもらいます。


どの作品もあまり笑えなかった。
シュール、ナンセンスとかいう以前に、くどい。


それぞれの競技の発想自体は悪くないと思うんだけど、
とにかく同じようなことを繰り返されるので、途中で飽きちゃう。


それが12本もあるうえ、
ナビゲーターの茂木淳一と中川翔子のスタジオトーク、
更には10分間の休憩まであって、上映時間余裕の2時間越え。


拷問だ。


東京オンリーピック


元々DVD企画だったものが、劇場でも公開することになったそうで、
上映時間が長いのもそれが原因のようだ。


でさ、長くなってしまったことを正当化するがために、鑑賞の手引きを後付けしている。


「スポーツ観戦みたいにリラックスして、見たい作品だけを見てくれればいい。
 興味のない作品の上映中は、トイレに行ったり、ロビーでくつろいで下さい」


これって“映画”なのか?


古臭い考えかもしれないけど、観客を楽しませて、
上映時間中椅子に座らせているのが映画だと思う。


途中で席を立って良いことが前提の映画なんて・・・


大体、全部きちんと見たいと思っている人からすれば、
他の人が上映中に立って、出たり入ったりするのは大迷惑だよ。


劇場でもやろうと言い出したのは、恐らく本作へ出資した企業の人でしょう。
いろんな思惑が伺える。


企業なんだから儲け主義で当然だし、それで良いと思うけど、
そもそもの企画意図からズレたがために、
弊害が生まれてしまうのはちょっとどうかと思う。


3人の外国人クリエイターの作品が、尺の都合で劇場版から漏れたりとかね。


元々劇場公開を前提にしていれば、始めからクリエイターを6人ぐらいにして、
上映時間1時間半以内に収めるとか出来たと思う。


時間に余裕がある人には良いかもしれないけど、
1分1秒、人生を生き急いでいる伊藤P的にはマッタリと見るのは無理っす。


『東京オンリーピック』真島理一郎総監督 インタビュー テキスト

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コメント (1)

dies:

全く同感です。


元々、『スキージャンプ・ペア』が何故にあんなに巷で話題になるかも疑問でした。

自分はごく普通の一般人、そして映画を愛する人間です。


そんな一般人でも思います。

「映画ナメテネェ???」

って。


“身内だけ”で楽しんで頂きたい作品(?)だと思います。


でもって、

またしてや伊藤Pさん、

同感です。

全て代弁してくれました。

流石です。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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