2008年12月11日更新

#311 『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』


無ケーカクの命中男/ノックトアップ

『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』

12/20より新宿ミラノ3にて
配給会社:東宝東和




決まった仕事もないグータラな無責任男ベン。
酔っ払った勢いで一夜を共にした女性キャスター・アリソンが妊娠。


産んで育てると決まったは良いが、お互い良く知らない者同士で、
ちょっとしたことで仲たがい。
しかもベンは口先ばかりで、現実を受け入れることが出来ない。
果たして2人とお腹の赤ちゃんの運命は・・・?


バカ映画ぽいけど意外とまともなダメ男の奮闘劇。


何の心の準備も無い男女に、突然赤ちゃんが!というよくある話ですが、
それぞれの立場や考え方、更には男と女の根本的な違いに到るまで、
きちんと描いているし、それを説教臭くなくコメディタッチで描いている点が良い。


一方、倦怠期を迎えたアリソンの姉夫婦のやり取りが、また秀逸。


「旦那をボロカス言うのよ。そうするとショックを受けて直そうとするの」


調教だ。


そして、王道パターンでエンディングに突き進むわけですが、
ちょっと最後は感動してしまった。


もう一本のヘタレ男ムービー、『寝取られ男のラブ♂バカンス』とセットにして、
「男たちの恋愛強化月間!?」という括りで2本立て公開されるんだけど、
まず日本で公開されるだけでも奇跡に近い。


ポスター


DVDスルーに出来ない政治的な理由があっての日本公開で、
端からヒットなんて狙っていないってのは判るんだけど、
それにしても酷いタイトルだね。


まず覚えられない。
映画の仕事をしている伊藤Pでさえ、
ことある毎に調べないと正式タイトルが出てこない。
もう少し覚え易いコンパクトなタイトルにするべきでしょう。


幾ら捨て作品だとしてもこれじゃ一般には認知されないよ。
2作品ぐちゃぐちゃになるし。


あとキービジュアル。
ムサイ男じゃなくて、女性にした方が良かったんじゃないかな?
アリソンを演じたキャサリン・ハイグルは日本で知名度低いけど、
美人だしスタイルも良い。


アメリカではネットアンケートの「最も理想的な女性99人」の1位に選ばれているほどなので、
女性からも好感持たれると思うんだけどなぁ。
(因みに子役時代に『暴走特急』でセガール演じるライバックの娘を演じている)


性器が露骨に映るカットがあるんだけど(個人的には不必要なショットだと思う)、
それ以外は普通にコメディ映画として、女性も見られると思うんだよね。


『俺たちフィギュアスケーター』以降のバカ映画の流れに便乗したんだろうけど、
公開する劇場も違うし、同日公開の作品数、なんと34本(前日公開の『地球が静止する日』含む)だよ。
埋もれるって。


80年代後半から90年代前半によく見かけたライトなラブコメのテイストが漂うし、
結構、面白かったんで、公開の仕方もうちょっとどうにかならんかったのかな・・・

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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