2009年05月28日更新

#380 『スター・トレック』


スター・トレック

『スター・トレック』

5/29より丸の内ルーブルほか全国にて
配給会社:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
(C)2008 Paramount Pictures. Star Trek and Related Marks and Logos are Trademarks of CBS Studios, Inc. All Rights Reserved




まず『スター・トレック』というタイトルに引かないで欲しい。


SFだし、オタクっぽいってね。


確かにトレッキーと呼ばれる「スター・トレック」の熱狂的ファンが世界中に存在する。


日本にも勿論いる。
身近なところでは某配給会社に勤める女性Kがトレッキーだ。


しかしながら、ここ日本ではトレッキーはレアな部類に入るでしょう。
圧倒的に「スター・トレック」に興味がない人たちの方が多いはず。


伊藤Pも特に好きと言うわけでもなく、
1979年のウィリアム・シャトナー演じるカーク船長らが活躍する1979年の『スター・トレック』から、
ピカード船長に交代した新シリーズの2本目ぐらいまで見てはいるが、
それも全作1回見ただけ。


カーク船長時代の作品に至っては、10〜20年以上前に見たっ切りで、
ほとんど内容は覚えていない。


映画化以前のテレビシリーズも見ておらず、最低限の知識しか持ち得ていない。


なので、J.J.エイブラムス監督が『スター・トレック』を撮るという話を聞いても、
何を今更と思ったし、興味も大して湧かなかった。


しかし、どうやら我々が知っている「スター・トレック」よりももっと前の時代の話で、
シリーズ最新作でもなく、リメイクでもなく、
J.J.エイブラムスらスタッフたちが、過去に製作された「スター・トレック」からヒントを得て、
新たに物語を再構築した“リ・イマジネーション”だと聞き、ちょっと興味をそそられた。


そして、予告編でそのビジュアルを見て俄然見たくなった。
確かに今までの「スター・トレック」とは明らかに違う質感を身にまとっていた。


が、


この見たいと思う衝動は、ファンでなくても一応、過去の「スター・トレック」を見ていて、
少ないながらも知識があったからだと思う。


それを証明するかのように、「スター・トレック」未経験の若いスタッフは、
「『スター・トレック』ですか?良く分からないですね。あんまり見たいと思わないです」
と発言していた。


まぁ、そうだろうなぁって。
多くの日本人がそう思うでしょう。


この部分を払拭しないと『スター・トレック』の日本での成功はないとも思う。


で、冒頭に戻る。


まず引かないで欲しい。


今までの「スター・トレック」を知らなくても十分に楽しめます。


スター・トレック


結局、『スター・トレック』を見た先述のスタッフも、
「映画として面白かったです」と言っていた。


ということで、初心者もOK。


更に楽しみたいのであれば、
どれか一本で良いから過去作品を見て、
カーク、スポックらエンタープライズ号の乗組員たちの人間関係を把握しておくと良いでしょう。


ちょっと「スター・トレック」に詳しい人曰く、
哲学的で娯楽性が乏しい一作目の『スター・トレック』よりも、
エンタメに徹した『スター・トレック2 カーンの逆襲』の方が入り易いとのことです。
※間違ってピカード船長時代の作品を見ないようにして下さい。


一方、トレッキーたちは今回の『スター・トレック』をどう受け止めているのかと言うと、
アメリカでの評価を聞く限り、絶賛。


評論家のウケもよく、
アメリカでは予想以上のヒットを記録しており、
公開3週目で2億ドル突破目前となっている。


ということで、初心者、中級〜上級者まで全員楽しめる作品になっている。
これは中々凄いことだ。


スター・トレック


エイブラムスはテレビ出身なのでアップが多い監督と言われているんだけど、
カークの激しい感情やスポックの抑制した心境が、
アップ多用により、語らずとも表情から読み取れるので、あまり気にならなかった。


CG技術が発達した現在、どんな映像を見せられても驚かないけど、
目を見張るショットが幾つかあった。


光沢の使い方が良くて、美しい。


スター・トレック


人間ドラマは『ダークナイト』のような深みを期待しちゃうと肩透かしを食らうけど、
そもそも資料によると「スター・トレック」は楽天義的な話のようなので、
そこを求めても仕方ないのかも知れないし、
逆にその分気楽に見られるので良いのかもしれない。


それでも荒くれ者のカークの成長や人間とバルカン星人とのハーフであるスポックの葛藤、
そして、二人の関係性や、仲間との連帯感の構築過程がしっかりと描かれていて見応えあり。


何度も言いますが、引かないで見て下さい。
娯楽作品としてよく出来ています。


あっ、そうそう!
エイブラムスが仕掛けた『クローバーフィールド/HAKAISHA』関連のセリフもあるよ。

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「スター・トレック」★★★★ クリス・パイン 、ザカリー・クイント 、エリック・バナ 、ウィノナ・ライダー 主演 J・J・エイブラムス 監督、2009... [詳しくはこちら]

コメント (2)

シン:

『クローバーフィールド/HAKAISHA』関連のセリフもあるよ に食いついてしまいました。。。

クローバーフィールドの過去記事で最初にコメントしたシンと申します。
私は、ピカード時代を見ていたので本作品に興味を持っていました。
TVCMでは、エイブラムスの作品だとわかってたのですが、まさか関連セリフがあるとは。。。
ますます見たくなってしまいました(笑)

伊藤P:

>シンさん
コメントありがとうございます。『クローバーフィルード』はシンさんから始まり、その後今でも時たまコメントがあるというレアケースな記事となっています。
最初のコメントありがとうございます!
『スタトレ』での『クローバーフィールド』繋がりのセリフはぶっちゃけ大したことないですし、重要でもありません。
でも、J.J.の遊び心は素敵だと思います。
あまり話すとネタバレになるのですが、「HAKAISHA」の原形?と思わせるような怪物も出てきます。
これは考えすぎかもしれませんが、一瞬「HAKAISHA」を思い出しました。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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