2010年09月11日更新

#513 『恋するナポリタン〜世界で一番おいしい愛され方〜』


恋するナポリタン

『恋するナポリタン〜世界で一番おいしい愛され方〜』

9/11よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国にて
配給会社:日活
(C)2010「恋も仕事も腹八分目」フィルムパートナーズ




グルメライターとして出版社で働くOL瑠璃と、
イタリアン・レストランを営むシェフの武は幼馴染み。


小さい頃から、瑠璃は武の作る美味しい料理に癒されて来たが、
友達以上の関係にはならなかった。


ある日、武が仕事を終えると携帯に瑠璃から連絡が。


武がかつて勤めていた一流イタリア料理店オーナーの水沢からのプロポーズを受けるという。


慌てて瑠璃の元に駆け付けた武だったが、
丁度そこに屋上から転落したピアニストの佑樹が落ちて来て、武と衝突。
武は死んでしまう。


一ヶ月後、佑樹は覚醒するが、
なんと佑樹の頭の中には、武の記憶が残っていた・・・。


恋するナポリタン


死んだ男の記憶が別の男の頭に宿ったことで巻き起こる騒動を描いたラブ・ファンタジー。


この作品のタイトルを初めて耳にした時、なんて酷いタイトルだと思った。
「恋するナポリタンってなんなん?」って。


続いて予告編を見た。


真っ白の中からヌボ〜と塚本高史が現れこちらに向かって、
「ずっと好きだった」
と語りだす。


その後もキャストが次々とヌボ〜と現れて、
「付き合ってくれますか?」「大好きです」「そばにいて欲しいんだ」「好きだ」
とのたまう。


たまたま仕事で某シネコンさんの会議室で、
数名と一緒に見たんだけど、みんな目が点になった後、失笑。


いやー、家で見ていたら笑いすぎて悶絶しちゃってたかも!?


タイトルも酷ければ、予告編も笑激。
これは駄目だなと思った。


しかしながら、期待指数が限りなく底辺に近かったからか、
本編自体は思ったよりも良かった。


何も内容知らないで見たので、
しょっぱなマキダイが空から降ってきて、
塚本高史が死ぬというテレビドラマの方の「家族ゲーム」みたいな展開に度肝を抜かれた。


が、それ以降は、至って普通のお話で、何度かダレるところがある。
もう少し削って、上映時間90分台ぐらいにしたら丁度良いような気がする。


同じシーンを何度もフラッシュバックさせる演出もどうかと思うな。


“「おいしい」って言わないんです”というようなセリフが出てくるんだけど、
こういうのを説明しちゃうと映画ならではの“演出”が栄えないんだよね。


「おいしい」ってずっと言っていないって、
見ている側が分るように演出しておいた方が、
その言葉が発せられた時に受ける印象はより映画的になるはず。


あと、言ってしまえば二重人格となってしまう佑樹の葛藤や戸惑いの描写が、
かなりヌルイ。


なんだか随分と簡単に色々と受け入れちゃうのねぇ〜って。


とはいうものの、あまりそこに重きを置いてしまうと、
この作品の持つ良い意味でのライト感が削がれてしまうので、
こんなもんで良いのかもしれない。


そう、ライトなんだよね。
気軽に見られる。
ってのがこの映画の良さなのでしょう。


恋するナポリタン


続いて役者だが、
瑠璃を演じた相武紗季は、
『NECK ネック』とは比べ物にならないぐらい良かった。
無理がないというか、媚を売っていないというか、自然な感じだ。


というか、『NECK ネック』があまりに酷過ぎたか?


佑樹役にはEXILEの眞木大輔。


濃いねぇ〜。
とんこつラーメンみたい。


作品のテイストを考えると、ちょっとコッテリし過ぎな気もするが、
じゃ、他に誰をキャスティングする?ってなると思い浮かばない。


もう一人の重要キャラ武には、塚本高史。
優しい武を無難に演じている。


これが本作の売りであるトリプル主演なのですが、
もうひとつ本作の主役と言えるのが、料理だ。


イタリアンを中心とした料理がバンバン登場する。


料理の数々が物語の進行上、かなり重要な役割を果たすんだけど、
これも説明過多だし、意外性がない。


料理もたまねぎを切ってばかりで・・・。
本当に繰り返しが好きな監督ですなぁ〜。


まぁ、そんな感じなんだけど、
普通、料理が出てくる映画を見ると美味しそうって思うし、お腹も空くし、
映画に出てきた料理が食べたくなる。


しかしながら、この映画ではそういう気分に陥らなかった。


なぜなら、かなり満腹時に見てしまったからだ・・・。


これは大きなミステイク!


お腹をある程度空かせてから見た方が、絶対に良い!!


最後にメタラーとしては、
主題歌を担当したエリック・マーティンについて語らないわけにはいかない。


なんだかすっかり徳永英明みたいな“カバー大好き!”歌手と化してしまったが、
Mr.BIGファンとしては、こうやって活躍し続けてくれるのは嬉しいよね。


去年発売されたMr.BIGのライブアルバム「BACK TO BUDOKAN」をCD屋さんで視聴した時は、
あまりのかっこよさと懐かしさに全身鳥肌で、涙がチョチョ切れたよ。


高いから買わなかったけど・・・。


デイヴィッド・リー・ロスの後釜として、
ヴァン・ヘイレンに加入していたらどんなミュージシャン・ライフを送ったのかなぁ〜。


ヴァン・ヘイレンのその後を見るに、入らなくて正解だったように思う。


と、映画に対する着地点を見出せないまま、
メタル話でごまかして逃げるのでありました・・・。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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