2011年05月06日更新

#578 『アンノウン』


アンノウン

『アンノウン』


5/7より新宿ピカデリーほか全国にて
配給会社:ワーナー・ブラザース映画
(C)2011 DARK CASTLE HOLDINGS,LLL




リーアム・ニーソン主演のサスペンス・アクション。


リーアムが、異国の地で窮地に追い込まれならがらも孤軍奮闘!
といえば、『96時間』


『96時間』は、“リュック・ベッソン製作なので期待しなかった割には”という前置きがあるけど、
面白いと思ったし、
リーアム・ニーソンの初めての本格的なアクションが、とても新鮮だった。


そして、『アンノウン』。


『96時間』二番煎じ的なポジション。
リーアムのアクションも免疫あり。


という圧倒的に不利な状況下ではあるが、
その面白さは『96時間』以上でした。


アンノウン


学会に出席するため、
妻と共にドイツ・ベルリンを訪れた植物学者のマーティン・ハリス博士は、
事故に遭い意識を失ってしまう。


事故から4日後、病院のベッドの上で目覚めたマーティンは、
次第に自分が誰で、なんの目的でドイツにいるのかを思い出す。


滞在予定だったホテルへと向かったマーティンは、
そこで妻との再会を果たす。


しかし、妻の発した言葉は「あなたは誰?」。


もうこの時点で十分ミステリアスなんだが、
『アンノウン』はさらに追い討ちをかける。


なんと、妻の傍には「自分がマーティン」だと主張する見知らぬ男性が!


アンノウン


ある男性が事故に遭い、記憶を失い、
身元不明人になるという内容ぐらいしか知らないで見たので、
妻だけでなく、もう一人のマーティンが現れ、かなり驚いた。


こいつは中々手ごわそうなサスペンス映画のようだ。


そして、その予測はことごとく的中した。


マーティンは、身分を証明するものは一切持っていない。
異国の地であり、頼れる人物は誰一人としていない。
所持金も心もとない。


こんな窮地をどう打破するのか!?


しかも、自分が本当のマーティンであることを証明しようとすればするほど、
もう一人のマーティンがマーティンであることを証明してしまう。


あなたがマーティンだったらどうしますか?


この宙ぶらりんで不安な展開がたまりません。


あんまり語りすぎると本作の面白さが激減してしまうので、
もうストーリーは言及しませんが、これぞサスペンスです。


ヒッチコックを彷彿させる巻き込まれ型サスペンスという、
クラシック的な要素が多分にありつつ、
現代的な“外しと捻り”も効いていて、単なる巻き込まれ型では終わらない。


アンノウン


監督は『エスター』のジャウム・コレット=セラ。


ジャウム・コレット=セラのことを書くにあたり、
改めて『エスター』の記事を読み返してみたんだけど、
「“セオリー”と“外し”が混在している」という記述があった。


うーん、『アンノウン』と同じようなを書いている・・・
(それは書き手に語彙力がないからかっ!!)


そして、当然、謎だらけの『アンノウン』には、オチがあります。
その『アンノウン』のオチが、『エスター』ほどの衝撃かどうかは分りませんが、
そこに至るまでの伏線の張り方は、やはり上手いです。


見ている最中、「おいおい、なんでやねん!」と思ってしまうシーンがいくつかあったんだけど、
そんな疑問もオチを知ると「あぁ、なるほど!」と納得してしまう。


アンノウン


小説で言うと「読み出したら止まらないイッキ読み」的な作品で、
感動したとか、深いところとかはないんだけど、
娯楽映画としては申し分のない出来。


ヒッチコック+『フランティック』+「○○」シリーズ。


そんな感じの映画でした。
「○○」には何が入るのかは、見てのお楽しみ。


ブルーの色彩を強調したジャン=ピエール・メルヴィルのような映像もカッコイイし、
ヒロインを演じるダイアン・クルーガーのノーブラも最高です!


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.t-shirt-ya.com/blog/cgi/mt-tb.cgi/2017

この一覧は、次のエントリーを参照しています: #578 『アンノウン』:

» 【映画】 アンノウン レビュー 送信元 映画鑑賞&洋ドラマ& スマートフォン 気まぐれSEのヘタレ日記
JUGEMテーマ:洋画「アンノウン」(原題:UNKNOWN)上記作品を見に行ったときの感想です!  鑑賞しにいったときは公開日から日に... [詳しくはこちら]

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)




リンク

プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
Powered by
Movable Type