2011年10月03日更新

ディープツアー2011 鎌倉 PART2

PART1からの続き】


鎌倉駅東口へと出た伊藤Pとアサちゃんは、まず、レンタサイクルを借りるかどうか思案した。


共に37歳(アサちゃんはこの後、すぐに38歳を迎えた)。
歩いて回るのシンドクね?って。


ところが、今までほとんど降っていなかった雨が、かなり強く降りだしてきた。


更にレンタサイクルの料金を見ると、1日1,600円と結構なお値段。
吉祥寺のレンタサイクルなんて1日200円だぞ!
日本が誇る知名度抜群の観光地と庶民の街である吉祥寺との大いなる格の違いを見せ付けられた。


傘差しながらのチャリは危ないし、値段も高いし、結局「徒歩」を選択した。


で、まずどこへ行く?


今回の鎌倉散策は、実は、どこへ行くのかきちんと決めていなかった。


伊藤Pは、どこでも良いから風情のある「切り通し」。
夜、品川で用事があるというアサちゃんは、散策後に4時開店の焼き鳥屋「ひら乃」で一杯。
それぞれのリクエストは、こんな感じでかなり適当だった。


とはいえ、「鶴岡八幡宮」や「円覚寺」といった有名な観光地なんかに行く気はまるで無く、
じゃ、とりあえずということで、2人がまず向かった先は、
鎌倉と逗子を繋ぐ超有名バケトンの「小坪トンネル」。


「小坪トンネル」は、車では何度も通ったことがあるが、歩いてというのは初めての経験。
ぶっちゃけ心霊スポットと言われているがが、ちっとも怖くないトンネルだ。


普通だったら「若宮大路」から神奈川県道311号線鎌倉葉山線というルートを取るが、
流石は地元のアサちゃん、「観光客があまり来ない裏ルートから行きましょう!」と、
「鎌倉郵便局」と「スルガ銀行」の間の道を進んでいく。


突き当たってやや細い道を右折、右手に「本覚寺」を見つつ、


本覚寺


滑川にかかる橋を渡り、


滑川


築何年?ってぐらい味のある魚屋さん「魚七商店」を抜けると、鎌倉らしい細い道に出た。


この道には、「妙本寺」、「ぼたもち寺(常栄寺)」、「八雲神社」と寺や神社が密集している。


ぼたもち寺


にも関わらず、擦れ違った観光客は、わずか1グループ。
裏ルートというだけあるな。


で、ここまでの間、アサちゃんは、一生懸命「この寺は○○なんですよぉ」と解説してくれるんだが、
ごめん!実は寺院とかにあまり興味が無くて・・・。


アサちゃんも伊藤Pが関心無しというのを察したらしく、特に立ち寄ることもなくそのまま突き進んだ。


すると「小坪トンネル」へと続く、神奈川県道311号線鎌倉葉山線へと出た。
ご利益が「癌封じ」という珍しいお寺「上行寺」を右手に見ながら直進していると、
「行ったことないんですけど、この辺に黒澤明監督のお墓があるらしんですよ」とアサちゃんが言うではないか。


映画ファンとしては、是非ともお参りしておきたい。
ということで、2人で探すと、結構あっけなく発見。


黒澤明の墓


生憎、お花の用意がなかったので、献花は出来なかったけど、
手を合わせて「素晴らしい映画をたくさんありがとうございました」と心の中で唱えました。


黒澤明監督の墓の後ろは岸壁になっていて、そこにはポッカリと穴が開いていた。
鎌倉にはこういう穴がたくさんある。
やぐらなのか、単なる穴なのか・・・。


穴


黒澤明監督のお墓を後にした二人は、
不思議なタバコ屋がある路地などを探索しながら「小坪トンネル」へと向かう。


そして、アサちゃんがまた興味深いことを言う。
「小坪トンネルの横に、もうひとつトンネルがあるんですよ」


確かにありました。
塞がっていたけど。


小坪トンネル横穴


で、そのトンネルの横には、
ドドーンと本家トンネルが大きな口を開けて我々を待っておりました。


小坪トンネル


この「小坪トンネル」は、上下線それぞれ3つ、合計6つのトンネルがあり、
総称して「小坪トンネル」と呼ばれている。


このトンネル群の上に、火葬場があったり(因みに祖父母はここで火葬されました)、
現在封鎖中の「曼荼羅堂」というやぐらがあることから、
心霊スポットとして名を馳せた。


鎌倉から逗子方向が、「名越隧道」、「逗子隧道」、「小坪隧道」。
逗子から鎌倉方向が、「新小坪隧道」、「新逗子隧道」、「新名越隧道」。


早速、一本目の「名越隧道」に入ってみると、やっぱり普通のトンネルです。


名越トンネル


小坪トンネル内


心霊的な怖さは皆無ですが、交通量がかなり多い上、ちゃんとした歩道が用意されておらず、
結構なスピードで真横を通過していく車の方が怖かった。


続く「逗子隧道」。


逗子トンネル


そして、「逗子隧道」を出た辺りから、急激に雨脚が強くなった。
逃げるように「小坪隧道」へと入る。


小坪トンネル


小坪トンネル内


小坪隧道
「小坪隧道」反対側


「小坪隧道」を出た時にはかなりの雨で、今日初となる傘が登場。
そんな状態下、トンネルが貫く山の上にある洋館、
通称「サリーちゃんの家」の外観を捉えようとシャッターを切る。


しかし、良くわかりませんね・・・。


サリーちゃんの家


雨も降っているし、雨宿りも兼ねて、今度は逗子側から鎌倉側に抜けていくことに。


小坪逗子側


1本目の「新小坪隧道」を抜けたところで、
アサちゃんから「葉山のほうに行って、海眺めますか?」という提案が。


小坪トンネル


まぁ、相模湾も魅力的ではあるので、そうしようということになり、小坪7丁目の交差点を左折。


すると右側にトンネルの上へと上がる階段が。
この階段は、やぐら群がある「曼荼羅堂」へと続くという。


アサちゃん曰く、「かなり雰囲気はある」ということで、行ってみたかったんだが、
心無い人たちによって、一部破壊されてしまったため、現在は閉鎖中。


とりあえず、階段を上がってトンネルの真上に当たる広場にまで行ってはみたが、
「曼荼羅堂」までは、かなり階段を上がって行かないとダメらしく、
疲れるからということで、ここまでにした。


階段を下りて、葉山の方へと向かったんだが、
ここでちょっとした見落としをしてしまった。


まったく気がつかなかったんだけど、この階段を登った広場に井戸があって、
かつて肝試しに行った若者たちのうちの1人が井戸に落ちて死んでしまい、
その後、井戸には網が張られ封鎖されたという。


言われてみれば、金網で隔離されている場所があったような覚えが無きにしもあらず。


「井戸」の存在に全く気が付かなかった2人は、葉山へと続く道を歩いたんだが、
この頃になるとあれだけ強く降っていた雨は、すっかり上がっていた。


そして、例の階段から歩くこと5分ぐらい、片道一車線の道路の左側にある山の壁面に、

「鎌倉 世界遺産登録を目指す」という貼紙が貼ってあった。


その貼紙には「名越切り通し」に入る直前にある「大切岸」の写真が。


「こ、これは!!!」


以前、鎌倉特集が組まれていた雑誌に載っていた写真と全く同じ風景ではないか!


雑誌でこの風景写真を見た時に「行ってみたい」と思ったので、
アサちゃんに「行きたい」と伝えると、アサちゃんも行きたいという。


「大切岸」がある「名越切り通し」は逗子方面なので、今来た道を引き返す。


再び「小坪トンネル」を逗子方面に抜けて、横須賀線の久木踏切へ。
実はこの久木踏切も、白い服を着た女が現れるという心霊スポットとして知られている。
踏み切りを渡ってすぐを左折すると「法性寺」に辿りつく。


法性寺


「法性寺」は、布教活動を行っていた日蓮が、様々な法難に逢い、
白猿に導かれて、「法性寺」の岩窟まで逃げてきたと言う伝説があるそうな。


そのため「猿畠山」と書かれた山門の扁額(へんがく:寺院の表札のようなもの)には、
日蓮を導いたとされる白猿の彫刻が彫られている。


“日光の「見ざる、聞かざる、言わざる」みたいだね”なんてことを言いながら、
山門をくぐり結構な坂道を登っていく。


「法性寺」の坂は結構な急勾配で、途中からの眺めもなかなか良いです。


法性寺からの眺め


(恐らく)本尊があり、更に進むと右手にお墓、左手に先の「サリーちゃんの家」が見えてくる。


サリーちゃんの家


「サリーちゃんの家」とは反対側のお墓の先を見てみると、写真で見た「大切岸」が!


大切岸


大切岸2


大切岸3


ダイナミックな崖の下に、何故か農場が広がるというエキセントリックな風景がたまりません。


そして、お墓の横には、これまた穴が。


大切岸穴


この先には「名越切り通し」が待ち構えているんだが、
雨で道がぬかるんでいることと、2人の装備があまりにチンケなので、
“危険”と判断して、行きたい気持ちを抑えて諦める。


名越切り通り入り口


そして、「法性寺」を後にしたアサちゃんがお腹が空いたと言い出した。
時計を見ると既に昼の12時近くだ。


伊藤Pは、鎌倉駅前のマクドナルドで、朝のコンビを食していたが、
アサちゃんは何も食べていないという(午前3時まで飲んでいるのが悪いのだ)。


昼飯をどこで食べようかと思案していると、
アサちゃんが「ちょっと歩きますが、釜飯にしましょう!」と。


2人は釜飯屋を目指して、山に立てられた分譲住宅地「逗子ハイランド」を越えることに。
それはイコール山をひとつ越えることなんだが、あまり苦にならなかった。
というのは、道すがら2人の幼年期の思い出話(大概、トホホ話)やいつものメタル話に花が咲いたから。


「もしもレスラーだったら入場テーマなんにする?」とか、
「この坂を自転車で下りて、ハイポジのカセット買いにいったんですよ。でも帰りが辛い!」とか、
「AXIAといえば、ボン・ジョビだよね」とか、
37歳のオッサン2人が話す会話としては、かなりの低レベルさ。


でも、同い年で同じ時代を経てきているからこそ出来る会話だから楽しいのだ。


そんな楽しい会話をしながら「逗子ハイランド」を越えると、
まさにアサちゃんのホームタウン。


「ここのガードレールに○○ちゃん好きって書いたんですよ」とか、
「ここは誰々君の家」とか、「さっき擦れ違ったの○○君かも」とか、
地元ネタを炸裂させながら、間違いなくアサちゃんがいなかったら迷うだろうなという細い路地を歩く。


小道


途中にあった駐車場にポッカリと空いた穴を“観賞”。
何故か知らないが、どうも穴に魅力を感じるようだ。


駐車場穴


再び、路地を歩くこと数分、目的地である釜飯屋「多可邑」に到着。


多可邑


それぞれ鳥と鮭の釜飯と串揚げ、そしてビールを頼む。


多可邑串


釜飯


既にかなり歩いていて、流石に疲れたので、ビールが美味いのなんのって。
串揚げも、釜飯も美味しくて、大満足。


そして、腹ごなしが済んだ2人は、鎌倉ツアー午後の部へと雪崩れ込む。


以降、PART3へと続く。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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