「品川PART4 泉岳寺」からの続き。
「泉岳寺」を後にし、「大石良雄外十六人忠烈の跡」へと向かう。
その途中に通った道が、素敵だった。
高輪高校の敷地を突っ切る細い道を進む。
高輪高校を過ぎると鎌倉を彷彿させる路地となる。
で、手押しポンプ（昇進ポンプ）。
本ブログ「三鷹市PART8 鉄ちゃん垂涎の地」や「荻窪PART2 妙正寺」に引き続き、
やっぱり手押しポンプに萌える。
パッと見、そこまで古そうではない。
もしかしたら現役？
路地を抜けると右手に「正源寺」、左手に「保安寺」があり、
その間を抜けて左折すると結構な急勾配の坂がある。
その坂を登りきると、「川端玉章翁碑」と刻まれた石碑が。
誰？
石碑を撮影している間に、佐藤アサトが検索。
川端玉章（かわばたぎょくしょう）は、
江戸後期から明治時代に活躍した日本画家で、
さっき通り過ぎた「正源寺」に墓があるという。
ネットで川端玉章の絵を見てみたけど、知っているものはなかった。
でも、その絵は大変魅力的。
先程、撮影しておいた「泉岳寺」の入口にあった道標を頼りに進むと、
右手に明らかに普通の家ではないであろう塀があった。
改めて撮影した道標を見ると「高松宮邸」とある。
「高松宮」は日本の皇族の一つで、
高松宮は、��川十五代将軍慶喜の孫娘である徳川喜久子と結婚したが、
子宝に恵まれず、 昭和62年に高松宮、平成16年に喜久子妃が亡くなり、現在は断絶。
その歴史を短文で説明するのは無理なうえ、
正直、ちゃんと理解できないので、詳細は省きます。
「高松宮邸」を通り過ぎ、そのまま突き進むと、
左手に突如、インパクト大の巨木が出現。
木の前に設置されている案内板によると、
東京都指定天然記念物「旧細川邸のシイ」とのこと。
細川家は、本日、2度登場。
1回目は、「東海寺」の裏手にあった「熊本藩主細川家墓所」、
2回目は、「泉岳寺」に縁のある「赤穂浪士の討入り」。
旧細川邸は、細川家の江戸における下屋敷（本邸以外に江戸近郊に設けられた大名屋敷）で、
討入り事件で大石倉之助ら十七人が切腹を命ぜられたところ。
ちゅうか、いま目指しているのはそこじゃなかったっけ？
ってなことを忘れてしまうぐらい立派な木だ。
木にはいくつか空洞があり、
昭和56年には大規模な修繕処置が施されたようだ。
あまり写真を撮らない佐藤アサトも、珍しくスマフォで撮影していたが、
「この迫力を写真に収めるのは難しいですねぇ」とコメント。
同感です。
木の撮影は、非常に難しい。
最低限、ワイコンがないとダメだ。
（ワイコン高いんだよねぇ・・・）
「旧細川邸のシイ」を過ぎ、少し進むと「高輪コミュニティーぷらざ」に出た。
撮影した道標を見ると「大石良雄外十六人忠烈の跡」は思いっきり通り過ぎていた。
来た道を戻り、かつては細川家の下屋敷の敷地内であったであろう、
高松中学校と都営高輪一丁目アパートの間の細い道に入ってしばらくすると、
目的の「大石良雄外十六人忠烈の跡」が姿を現した。
門の前にある案内板によると、
元禄16年2月4日午後2時に切腹の言い渡しを受けた大石倉之助は、
一同を代表して「切腹仰せ付けられ候段有難き仕合に存じ奉り候」と述べたという。
「候段（そうろうだん）」とは、「〜したことは」、
「仕合」は、「めぐり合せ」、「候」は「〜です」の意。
つまり「切腹を言い渡されたことは、ありがたいめぐり合せです」と礼を述べていることになる。
切腹は覚悟の上で討入りを決行したのだろうから、
このような最期の言葉になったのでしょう。
切腹した場所は、大書院舞台側、大書院上の間の前庭で、
背後に池を背負った地で腹を切ったという。
門にあった隙間から中を覗いてみたけど、
当然、大書院も池もなかった。
上の写真だとフラッシュの効果で判りにくいけど、
既にとっぷりと陽も暮れてきたうえ、
疲労からか、ちょっと蓄膿症チックな顔面痛が出てきたので、
今回の散策は、これで切り上げることに。
で、後日、大好きな落語の噺のひとつ「井戸の茶碗」を
桃月庵白酒のCDで聴いたんだけど、
この話に細川邸が登場していることに気が付いた。
古今亭志ん朝
↑の後に↓を見るべし。
歌う井戸の茶碗 【柳家喬太郎】
細川邸は、赤穂浪士だけでなく、落語の舞台でもありました。
多分、佐藤アサトと一緒に回っていなかったら
「東海寺」裏の「熊本藩主細川家墓所」には気づきもしなかっただろうし、
「旧細川邸のシイ」はたまたま発見した。
こういうつながりや偶然があるから、散策は楽しい。
