2013年12月26日更新

横浜

メリー・クリスマス!
ってもう過ぎましたが・・・。


そのメリー・クリスマスの日、
12月25日、用事があり横浜の「クイーンズスクエア横浜」に行きました。


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前回、横浜に来たのは、多分「よこはまコスモワールド」での番組ロケだ。
10年ぐらい前だったと思う。


来ようと思えば、いつでも来られる距離に位置する街なのに、
なんだかあまり縁がない。


ということで、用事が終わった後、
少しだけ横浜の街を散策してみることに。


前回アップした記事が、9月に行った海。
今回アップの記事がクリスマス。


季節感がまるでない。


さて、「クイーンズスクエア横浜」を出てまず向かったのは、「横浜赤レンガ倉庫」。


有名な観光スポットだけど、行ったことがない。
情報によるとこの時期はライトアップされているという。


この日がクリスマスということもあり、それなりの人出は覚悟していたが、
「横浜赤レンガ倉庫」の手前、「よこはまコスモワールド」界隈の時点で大混雑。


ただでさえ人込みが苦手なのに(得意な人はいないか?)、
前も後ろもカップル、カップル、すれ違うのもカップル、カップル。


日が日なんで、もちろんカップルが多いことは承知の上だったけど、
カップルの波状攻撃は、単独行動をする40手前のオッサンにはボディブローだ。
少し来たことを後悔し始める。


この地で孤独な私には、心の拠りどころが必要だ。


普段、散策時にはあまり音楽を聴かないが、
今回は音楽に救いの手を求めた。


iPodを取り出し、イヤフォンを耳に装着。
選んだアルバムは、メタリカの「スルー・ザ・ネバー」。


同名映画のサントラというか・・・ライブ盤?


一曲目はメタリカのライブの入場曲、
エンニオ・モリコーネの「ジ・エクスタシー・オブ・ゴールド」。





貫録ありありで、颯爽と登場するメタリカのメンバーたちを思い描きながら、
人込みを勇んで掻き分け、突き進む。


続く、疾走しまくる「クリーピング・デス」で、
“周りはカップルだらけ、でも俺は独り”という劣等感は完全に無くなった。


良いぞ!メタリカ!!


歩き続けると程なく、「新港サークルウォーク」なる歩道橋に辿り着き、
登ると「横浜赤レンガ倉庫」が見えた。


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左奥に見えるのはベイブリッジか?


それにしても「横浜赤レンガ倉庫」に対して抱いていたイメージと、
遠目で見た雰囲気がかなり違う。


「横浜赤レンガ倉庫」といえば、世代的に「あぶない刑事」のエンディング、
舘ひろしの「冷たい太陽」だ。







寂れて、くすんだ外壁は、綺麗さっぱりなくなり、近代化していた。


そういえば、10年ぐらい前に再開発の一環で整備されたと、
なにかのニュースで耳にしたことを思い出した。


確かにかつてのままだったら観光地にはならないな。


「新港サークルウォーク」の上は、それほど混雑していなかったが、
「横浜赤レンガ倉庫」へと向かう階段は、こんな状況。


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もちろん、前も後ろも、すれ違う人たちもみんなカップル。


耳に響く曲はアップテンポで攻撃性抜群の「フューエル(燃料の意)」。
カップル蹴散らすぜぇ!!(嘘です)


普通にお行儀よく列に並んで、周囲の歩調に合わせて歩き、
「横浜赤レンガ倉庫」に到着。


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「横浜赤レンガ倉庫」は、明治の終わりから大正にかけて建設された保税倉庫。
その歴史についてはウィキペディアに譲りますが、
保税倉庫としての役割は、平成元年(1989年)に終え、放置された時期を挟んで、
2002年の再開発に伴い商業施設となった。


放置されたままの方が味が出るが、
たぶん、放置されたままだと「解体」の憂き目にあっていただろうから、
このような形で整備、再利用されたのは、良かったのかもしれない。


で、クリスマスの「横浜赤レンガ倉庫」は、予想通りカップルだらけ。


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2号館の均等なスペースを空けて寄り添うカップルたち。
わきまえてますなぁ。


奥に進むと視界が開け、先にベイブリッジが見えた。


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上の写真を「ライド・ザ・ライトニング」を聴きながら撮影している横では、
高校生のカップルがキスしてましたよ。


うーん、ロマンチック!(どこがだ)


倉庫と倉庫の間には、クリスマス・マーケットなる催しが開催されており、
ものすごい人だった。


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この中に突っ込む気力は皆無。


2号館の裏にも均等なスペースを空けたカップル。


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なんだか微笑ましい。
互いが不快に思う領域に侵入しない距離感。
日本人だなぁ〜って思う。


クリスマス・マーケットの中央には、クリスマス・ツリー。


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綺麗だとは思うが、「あの日のことは、忘れられたのか?」という疑問も・・・。
丁度、イヤフォンから流れる曲は、「ワン」だった。
(第一次世界大戦で負傷した兵士を描いた『ジョニーは戦場に行った』にインスパイアされた名曲)


「横浜赤レンガ倉庫」と「横浜ランドマークタワー」のツーショット。


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左手を見るとスケートリンクが設置されており、
カップルたちがスケートに興じていました。


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中学生の時にスケートを1回やっただけの身としては、
あんな大勢の人の中でよく滑れるなぁーと感心しきり。


カップルの邪魔になるだけなので、そろそろ場所を移すことに。


特にあてはなかったが、とりあえず横浜駅まで歩くことに。


「横浜赤レンガ倉庫」を出ると、
「ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル」、「観覧車」、
「横浜ランドマークタワー」の揃い踏み。


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そして、まず立ち寄ったというか、たまたま行った先にあったのが、「横浜税関」。


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昭和9年(1934年)に建造された歴史的建造物。


「神奈川県庁本庁舎(キングの塔)」、
「横浜開港記念会館(ジャックの塔)」とともに“横浜三塔”の一つとして数えられているそうな。


第二次大戦中、横浜も空襲の被害にあったが、
歴史的建造物が多く残るこの一帯は、空襲から免れたということか?


土地勘がまるでないため、iPhoneのマップを見ながら彷徨う。
撮影もあるので手袋をはめられず、手がかじかんだ。
やはり冬は散策に向いていない。


そうこうするうちに、「馬車道」に到着。


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その名称の由来は、
横浜港開港後、外国人がこの道を馬車で往来したからということぐらいは知っていたが、
何があるのかは知識ゼロ。


道端に設置された案内板を見ると、かなりの数の見どころが。


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しかし、寒いし、夜だし、ちょっと疲れたし、全部回るとブログに書くの大変だしなので、
国道16号線に至るまでで、右側にあるスポットで、気になるもののみという制約を自ら設けた。


まず、「旧横浜正金銀行本店」。


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明治37年(1904年)建設というから、109年も前の建物だ。
現在は「神奈川県立歴史博物館」となっているこの国指定史跡認定の建造物の設計は、
先ほど行った「横浜赤レンガ倉庫」も手掛けた妻木頼黄(つまきよりなか)。


「旧横浜正金銀行本店」のまん前には、「シェフィールドパークのガス灯」。


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明治5年(1872年)にイギリスのシェフィールドパーク内のガス灯と同じものが、
この「馬車道」に設置されたことを記念して建てられたもの。


シェフィールドといえば、我が愛するデフ・レパードの出身地。
ちょっと嬉しい。


あと、国道16号線までにあるのは「日本興亜馬車道ビル」ぐらい。


一本先の通りに「六道の辻通りの石碑」があるようなので、
そこを見つつ16号へ出て、横浜駅へと向かうことに。


で、「六道辻通りの石碑」はすぐに発見できたんだけど、
なんだかとっても残念な石碑でした・・・。


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案内板もなく、よくわからん。


仏教と関係ありそうだが、
かつて六筋の道があったことから「六道の辻」と呼ばれていた説が有力で、
平成11年(1999年)に置かれたものとのこと。


近代的なイメージが強いこの地と仏教が結びつかず、なんとなく納得。


この後は、国道16号線に出て、メタリカを聴きながらひたすら北上。


途中、突然鐘の音が聞えたきた。
見ると教会が。


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時計を確認すると00時とか30分とか切のよい時間ではなかった。
どうも時を知らせる鐘ではないようだ。
しかも随分と長いこと鳴っていた。


建物に貫禄があったので、近寄ってみると簡単な説明板があり、
横浜市認定の歴史的建造物「横浜指路(しろ)教会」で、大正15年(1920年)建設だった。


こちらは大江橋からの光景。


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コスモワールドの観覧車とインターコンチが重なって、
なんだかパラボナアンテナのように見える。


以降、桜木町駅を過ぎ、史跡や見どころもなく、黙々と歩く。
運動靴ではなかったので、足が痛くなってきた。


目の前に横浜駅行きのバスが・・・。
いやいや初志貫徹!


そして、歩き続けた結果、思わぬモノに遭遇。


仏具販売店「日本堂」のディスプレイにそこそこのサイズの仁王像が。


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値札は貼られていないが、これも売り物?


仁王像の前にいる2体の像のうち右側は、
昨年訪れた地元にある「安養寺」にもあった像と一緒だ。


あの時は、どのような像だったかわからなかったんだけど、
ディスプレイには「天灯鬼(てんとうき)」という札が書かれており、早速調べた。


仏教における四人の守護神(四天王)によって踏みつけられる邪鬼を独立させ、
仏前を照らす役目を与えられた鬼が、「天灯鬼(天燈鬼)」。


左側は「龍灯鬼(龍燈鬼・りゅうとうき)」で、「天灯鬼」とは対になっている。


奈良の興福寺に安置・展示されている仏師・康弁(こうべん)の手による木像が起源のようだ。


さらにその横には「聖観音菩薩像」。


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“金九百八拾万圓也”という金額にも驚かされたが、
それよりも作者の名前に目が行った。


北村西望。


明治から昭和にかけて生きた彫刻家で、
長崎の平和記念公園にある「平和記念像」の作者として知られている。


地元「井の頭自然文化園」には、かつて北村西望のアトリエがあり、
現在、350点の作品や「平和記念像」の原型が展示されている。


「井の頭自然文化園」でもっとも好きなのが、この北村西望の彫刻館。
静かで厳かな雰囲気が落ち着く。


まさかこんなところで、北村西望の作品と出会えるとは思いもよらず。


ちょっと興奮しながら、少し歩くと高架線の奥に踏み切りらしきものが見えた。


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現在、桜木町駅と横浜駅を結ぶ地上の路線は、京浜東北線・根岸線しかないはず。
なのに踏み切り?


何か臭う。
廃線?


横断歩道を渡り、踏み切りへ。


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こちら側には遮断機がない。


しかし、線路は荒れていない。


踏み切りの途中で線路を見ると、
信号機も設置されているし、どうやら現役線のようだ。


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高架線と高速道路に挟まれた単線というロケーションがたまらんのだが、
単線ということは、貨物線か?


帰りの電車の中で調べてみたら、その予想は大体当たっていたんだけど、
この界隈の線路の歴史の深さにたまげた。


とてもじゃないが簡単にまとめることはできないので、
興味がある方は、こちらのサイトをご覧下さい。


散策をするにつれ、何かを察知する嗅覚が段々と増したように思う。


この後は、特に見所なく横浜駅に到着。


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散策終了。


本当に当てもなくただ歩くという、
これぞまさに「散策」だった今回の散策で思ったこと。


横浜は歴史的建造物とカップルの宝庫であること。
冬場に慣れない土地で、iPhoneの地図とカメラ機能を駆使する散策は、
手がかじかんで辛いということ。
散策時の靴は重要であること。


そして、横浜の信号機は長いということ。


4時過ぎから一度も座らず、かなり疲れた。
東横線は込みそうだから座れないだろうなぁーと思ったら、案の定座れず。


渋谷まで立つ。


さらに渋谷駅の東横線から井の頭線の乗車ホームまでの移動が、しんどい。


東横線が地下化されて初めて、利用したんだが、
まぁー、遠いこと遠いこと。


不便になったとは聞いていたが、ここまでとは・・・。


こりゃ億劫になって、ますます横浜とは縁がなくなりそうですわ。


西武新宿駅のように、東急渋谷駅って名称にした方がいいじゃない?


座りたいので、各駅停車の井の頭線に乗って吉祥寺へ。


で、向かった先は、銭湯「弁天湯」。


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現在、伊藤家の風呂場はリフォーム中で、
風呂に入れないのです。


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在りし日のバッチィ風呂場。


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12月25日朝の風呂場。


24日も風呂がなかったので、「弁天湯」を利用。
クリスマスイブ&クリスマスに銭湯だぜ!


普段、冬場でも湯に浸からないのですが、
やっぱり浸かった方がいいですね。


夜、寝ているときのポカポカ感がまるで違いました。


散策の疲れも取れたような気がする。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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