2015年11月19日更新

ベジマイト

先日、同僚のワカと東銀座で昼飯を食った帰り道、
ソウルフードや各地の特産物の話になった。


群馬のやきもち、宮城のホヤといった食べ物が話題になった後、
以下の会話が繰り広げられた。


ワカ:「そういえば、伊藤さん、ベジマイトって知ってます?」


伊藤P:「なんじゃい、そのダイナマイトみたいなもんは?」


ワカ:「僕も食べたことないんですけど、
    オーストラリアではポピュラーな食べ物で、
    パンにバターのように塗って食べるんです。
    どうも日本人の口には合わない、強烈な味らしいんですよ」


伊藤P:「ベジマイトってことは、野菜が原料なのかな?」


ワカ:「さぁ…わからないです」


ベジマイト…とても食べ物とは思えないネーミング。
しかも強烈な味。
原料不明。


気になったので、早速ネットで調べてみたところ、
イースト菌抽出物を元に作られたビタミンB群を含んだペースト状の食品で、
確かにオーストラリアでは、普通に食べられているようだが、
ここ日本では、その強烈な臭いと塩辛さ故に「激マズ・危険物」と悪評が高い。


しかし、その一方で「言うほど不味くない」「美味しい」という声もあった。


一体、どんな臭い・味なんだろうか!?


ベジマイトへの興味が沸く。


日本では手に入り難いのかと思ったら、
明治屋、カルディなどで400円ぐらいで売られているらしいこともわかった。


ベジマイトが頭から離れないまま、
その夜、試しに地元の吉祥寺駅下にある成城石井に寄り、
ベジマイトを探してみると・・・


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あった…。


400円。


超迷う…。


普段、あまりパンを食べないから、
他にベジマイトの活用法があればと思い、
その場でレシピを検索したところ、
「実はベジマイトで和食を作ったら美味しい」というサイトがヒット。


ベジマイト磯辺焼き
ベジマイトせんべい
ベジマイト豚肉
ベジマイト+酒粕の鶏肉
ベジマイトのアサリ汁


などなど、ベジマイトを使用した料理と実食レポが掲載されていた。


中でもベジマイト納豆、ベジマイト焼き鳥が美味いらしい。


納豆は毎朝食べている大好物。


しかもタレ・カラシが入っていない納豆を買って、
自分なりに味付けして食べることが多い。


焼き鳥もちょいちょい作る。


基本、塩だが、わさび醤油、
青じそドレッシングなんかに漬けこんでから焼くこともある。


仮にベジマイトトーストがダメでも、
納豆や焼き鳥に使うことが出来るのであれば・・・
ということでお買い上げ。


ベジマイト用に食パン、とろけるチーズも別のスーパーで購入。
(成城石井のような高級スーパーでは、買えません!)


翌日の昼。
いよいよベジマイトにトライ。


IMG_7968_Rr.JPG


容器はクリープのようですが、
蓋を空けるとチョコレートのようなペーストが顔を出す。


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そして、これまでの人生で嗅いだことのないような独特な香りが漂い、
少しむせるが、くさやなんかに比べたら大したことない。


まずはヘラでほんの少しすくって、ベジマイトをそのまま食べてみる。


しょっぱいし、今までに食べたことのない味だ。


正直、あまり美味しいとは思えなかった。


しかし、パンに塗れば美味いのかもと、
食パンを半分に切り、ベジマイトを塗りトースターで焼く。


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その間、チーズとの相性が良いとの情報を得ていたので、
もう半分のパンにベジマイトを塗り、上にとろけるチーズを敷く。


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パンが焼き上がり、入れ替わりでチーズ乗せバージョンをトースターへ投入。


さて、いよいよベジマイトトーストを頂きます。


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熱を加えることで臭いがきつくなるかな?と危惧したが、
逆に臭いは抑えられている感じ。


行けるかも!?


ってことで、ベジマイトトーストをパックと口に含んだ瞬間、
脳から「これは食べてはいけません」という指令が…。


オーストラリアの方々、
(いるかどうか知らないが)ベジマイト好きの日本人の方々、
申し訳ございません。


無理っす!


咀嚼することも、飲み下すことも出来ないまま、
吐き出してしまいました。


めっちゃしょっぱい。
今まで味わったことのない強烈な味に、舌と脳が拒絶反応。


基本好き嫌いがなくて、なんでも食べられるが、ベジマイトは無理だ。


「うわぁ〜、すげえなぁ〜。マジでオーストラリアの人たちこれを食べているのか?」と
衝撃を受けた瞬間、トースターが「ち〜ん!」と鳴った。


ベジマイトチーズトーストの出来上がり。


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チーズによってベジマイトの風味が緩和されていることを祈りつつ、
恐る恐るかじってみたが、やはり無理っす…。


食べ物を粗末にするのは大嫌いで、
食べ残すということは己の流儀に反すると思っていたが、
すんません、食べられません。


私にとってベジマイトはダイナマイト級でした。


本国のベジマイトのCMでは、少女がバクバクとベジマイトトーストを食べ、
赤ちゃんがベジマイトの口の周りに塗りたくっていた。





ありえん!と思いつつも、外国人からしてみたら、
納豆とかゲテ扱いかもしれない。


タコを食べない国もあるし、
サーモンといえばのスウェーデンでは、あまりイクラを食べないという。


南米の子供たちが、唐辛子をモリモリと食べているのに、
わさびを口にした瞬間、オエェェェってなっているテレビ番組を見たことがある。


食文化の形成には、
小さい頃から食べ慣れていることが重要なようだ。


同じくワカから教えてもらったイヌイットのキビヤックなる伝統料理とか、
極寒地だからこそでしょう。





ベジマイトによって、
国による食の違い、味覚の違いの面白さを改めて感じた次第。


そんなベジマイトですが、捨てるのはもったいないので、
会社に持って行き、ワカにプレゼント!


ワカはコンビニでベーグルを買ってきて(食パンは売っていなかった)、
ベジマイトを塗ってバック!


「うわぁ〜、なんっすかぁ!これ!!」というリアクションかと思ったら、
意外と普通に食べてました。


ワカ以外の人も食べたが、そこまで「マズい」という意見はなく、
中には「懐かしい味がする」という猛者も。


日本人でも味覚は人それぞれ。

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コメント (1)

優音詩美:

懐かしいです。何十年も食べてなくて何処にも売ってないと思ってました。

不味い感想が無かったようで嬉しいです。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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