2017年01月31日更新

Def Leppard 「and there will be a next time...LIVE FROM DETROIT」

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「and there will be a next time...LIVE FROM DETROIT」




2016年7月15日にデトロイトで行われた公演を収めた作品。


さて、この「and there will be a next time...LIVE FROM DETROIT」ですが、
「VIVA!Hysteria」同様、Blu-ray or DVD+2CDが基本パッケージで、
あくまでも映像メインでCDはオマケの位置付け。


よって、映像から見ることに。


メディアはもちろんBlu-ray。
DVDの画質はSDなのでオススメしません。


デカいテレビで見たら、その画質の差は歴然。


と、言いながら、それなりに大きいテレビが家にあるのですが、
家庭の事情でパソコンで鑑賞。


再生ボタンを押すとバンドが出る直前の会場内の映像が映し出される。


多くの観客がスマフォを片手に掲げている。


時代は変わったなぁ〜。


昔はカメラの持ち込みなんて有り得なかったし、
ライブ鑑賞はそういうものだという意識が植え付けられていたので、
ちょっと前までは違和感を覚える光景だった。


しかしながら、聴衆が撮影した写真がSNSに掲載され、
“拡散=宣伝”になる効果を理解した今は、
当たり前の光景として受け入れられる。


まぁ、自分も撮影することあるしね。


そんな映像の数秒後すぐにバンドメンバーが登場し、
演奏がスタートする。





「Hysteria」を完全再現した「VIVA!Hysteria」でも同じような印象を受けたんだけど
もう少し煽りの演出があってもよくない?


唐突過ぎる。


で、一曲目、「Let's Go」。


なんかステージが小さいような…。


ステージ側から客席が映し出される。
なんか会場も小さいような…。


レップスの初ライブ映像作品「In the Round In Your Face」を
こよなく愛する身としては、なんか特別感がない。





なんでこのデトロイト公演をパッケージ化したのか?


そんな思いを抱きつつ鑑賞。


まず、相変わらずフィル・コリンの裸体が凄い。


ナルナル。


フィル使用の黒のジャクソンがかっこいい。


調べたら「JCS Special Edition PC1」というシグネイチャーモデルらしい。


54万円なり。


対するヴィヴィアン・キャンベル(ヴィヴ)は、
ラメラメのギブソン・レスポール。


これも高いんだろうなぁ〜。


熊さんのシールが貼ってあるのが可愛い。


リック・サヴェージは、いつも通り5弦ベース。
デザインはユニオンジャック。


他のメンバーも衣装や楽器や小道具に、
ユニオンジャックを取り入れているのは、
レップスのファンだったら誰もが知っていること。


リック・アレンのドラムキットは、
ベードラに「DEF LEPPARD」のデザインが入っている。


よく見ると2011年11月7日の来日公演の際に、
ドラムキットのフレームに取り付けられていた
おもちゃのひまわりが確認できる。


ジョー・エリオットは、2016年初頭、喉の不調で、
エリック・マーティン等に代役を立てたり、
ツアーを延期したりしたけど、この日は絶好調。
https://www.barks.jp/news/?id=1000123837


ちゃんと声が出ています。
(後で加工していなければ)


癌と闘っているヴィヴも元気で、
バンドの状態は非常に良好そう。


続いて演奏された「Animal」。





2015年11月の武道館公演の2曲目は、
「Rock! Rock! (Till You Drop)」だったから、
この時点でセットリストが異なっている。


「Animal」の後は「Let It GO」。


近年のレップスの曲ではあまりない、
ギターの“弾き倒し”が見られるのが良い。




4曲目は、武道館公演では演奏されなかった「Dangerus」。





この曲のライブバージョンは、これが初なので有難い。


フィルもヴィヴも見慣れたギターに持ち替えている。


ジョーの「1983年戻るよ!」というMCに誘われて「Foolin'」。


スマホを片手にと、ライブ鑑賞の仕方は変わったが、
30年以上前から変わらないものがある。


名曲はいつまで経っても名曲。


リック以外のコーラスが目立つ。


そして、次の「Love Bites」。


フィルのギターが、フェンダー・ストラトキャスター!


フィルがフェンダーを使っている初めて見たような気がする。


前から使ってる?


この曲は、ストラトの芯はあるけど柔らかくて、
甘いトーンがマッチしている。


ヴィヴはギブソン・レスポールで、
ソロが相変わらずハートに刺さります。


ステージのバックは来日公演と同じで、
羽根の筆で書いたような歌詞が映される。


いつもだったら、
ジョーがMCでヴィヴを弄ってからの「Armageddon It」だけど、
無しバージョンで、リフいきなり奏でる。


フィルとヴィヴが立ち位置を交換したり、
ヴィヴがボーカルを取ったり、
サヴがコーラスで大活躍とバンドの一体感を確認できる。


笑顔のヴィヴが花道に歩み寄り、ソロを奏でる。
おいら、やっぱりヴィヴ大好き。


アウトロはフィルがソロ。


全員参加の一曲!
これぞバンドの後は、サヴのソロタイムからの「Rock On」。





あんまり好きな曲じゃないけど、
結構、ギターが鳴っていることを再認識しました。


武道館公演と同様に、ジョーがシルクハットに衣装替え。


演奏が終わる直前、
観客が映されるんだけど、
カップルがブチューッしておりました。


「Rock On」の後は、同じくベース主体でリズミカルな「Man Enough」。


日本公演では演奏されなかった曲だけど、
「BURRN!」のジョーとフィルのインタビューによると、
今のバンドにとって重要な曲のよう。


日本公演でもやって欲しかった。





リズミカルと言えば、跳ねたリズムの「Rocket」。


がっ!


観客を映し出す映像には、
腕組みして微動だにしないオッサンがっ!


まぁ、仕方ないか。


観客のほとんどがオッサン、オバサンだもの。


ブラジャーをステージに投げ込むオネーサンはおらんよね、


続く、「Bringin' on the Heartbreak」で、
フィルはこれまた見たことのないブルーのジャクソンを使用。


使っているギターをしっかりと確認できるのは、
映像作品の良いところ。


見慣れたカスタムレスポールで奏でるヴィヴのソロが、素晴らしい。


途中のソロは、ほぼスティーヴ・クラークのそれに忠実だが、
アウトロのソロで己を出す。


んでもってそのまま「Switch 625」。


花道でフィルとヴィヴが競演。


でもあんまり盛り上がっていない…。


もっと盛り上がれよ!
と思いつつ、まぁ、年取ったらそんなもんだよな。


でもラストのリック・アレンのドラムへの歓声はデカイ!


大盛り上がりの中、リック・アレンが、カツカツカツ。


「Hysteria」。


バックのヴィジョンに1980年代の映像が映るが、
今との熱気の違いを感じざる負えません。





このことに関しては後述します。


ここからは必殺のハイテンションソング2連発。


「Let's Get Rocked」。


しかも走り気味。


リック・アレンは後ノリのドラマーなので珍しい。


「Let's Get Rocked」は、思い入れが強い。


デフ・レパードが好きになってから、
初めてリリースされた新作が、
「Let's Get Rocked」収録の「Adrenalize」だった。


当時は発売日の前日に店頭に商品が並ぶことが多く、
レコード店でCDをフライングゲットして、
自宅のデッキのターンテーブルにCDを載せて、
再生ボタンを押した時の興奮は今でも忘れらない。


個人的には「Hysteria」の次、
「Pyromania」よりも好きなアルバム。


近年のライブでは、「Adrenalize」収録曲の演奏が減ってしまい残念。





「Let's Get Rocked」のお次は、「Pour Some Sugar On Me」。


何度聴いてもかっこいいね。


本編はこれで終了。


アンコールは、「Rock of Ages」。


フィルのギターのネックになんか着いているなぁ〜と思ったら、
その正体がギターソロの時に解りました。


そして、フィードバックのまま「Photograph」。


イントロリフでの観客の歓声は、この日一番。


「Photograph」は、ちょっと前まで本編の中核を担っていたのに、
ここ最近はラストのポジションに落ち着いている。


演奏が終わり、大歓声の中メンバーが去って終わり。


先の武道館公演でもちょっと感じたし、
デフ・レパードだけに限ったことではないんだけど、
LEDの導入など、ロックコンサートで大がかりなデジタル演出が増え多た分、
演奏とシステムの一体化が進んだように思う。


故にショウ全体が細部までガチガチに決め込まれていて、
かつてロックのライブにあった、
「遊び」や「自由」がなくなってしまったような気がする。


悪く言うとワンパターンで型にはまっていて、面白みがない。


あの曲やってくれた!的なサプライズや、
アドリブ的要素が減ってしまった。


「Rock of Ages」の最後、
花道でフィルのギターの弦にヴィヴがチョップをして、
アームを押すが、これは武道館公演でもやっていた。


こういうプレイまでもが、
決まり事としてショウに組み込まれているのか…。


KISSなんかは、演奏する曲をパンフレットに載せちゃうぐらい、
昔からガチガチに固めたショウをやっていた。


KISSのショウは様々な仕掛けが施されているので、
ガチガチでもいいと思うけど、
別にDEF LAPPRADがKISS化する必要はないんじゃないかと。


あとはお客さんの熱気が、非常に気になった。


観客のほとんどがオッサン、オバサンなんで仕方がないけど、
突っ立って見ているだけの観客が、たくさん見受けられた。


後方の客席ならまだ判るけど、
アリーナ前方でそりゃないでしょう…。


なんか寂しいよね…。


かつて日本人の観客は静かと言われていた。


でも2015年の武道館公演は、
デトロイトと同じく、年齢層は高かったけど、
ムッツリ顔で腕を組んで見ている人も、
ビール片手にのんびりと見ている人もいなかった。


みんな数年に一回しかやってこない、
デフ・レパードの来日公演の価値を理解していた。


ステージに集中し、こぶしを振り上げ、
手拍子をし、大声で叫んでいた。


デトロイト公演よりは、
武道館公演の方が、熱気があったと断言できる。


ライブ盤、しかも映像作品なのであれば、、
会場の“熱”は超重要だ。


是非、日本で始まったツアーなんで、
凱旋して「LIVE IN JAPAN」を作って欲しい。
(「BURRN!」のジョーのインタビューを読むに、凱旋はなさそうだが…)


ほんと、なんでこのデトロイト公演を映像化したのだろうか…。


ここまで書いて、本作のライナーノーツを読んだら、
フィル・コリンがその理由を語っていたが、
あんまりピンと来なかった。


ジョー曰く、
「デトロイトでは場内が暗転した瞬間、陽が沈むのが見えて、
お客さんからのエネルギーが湧き上がっていった」



映像を見る限り全くそうは思わんかった。


このところデフ・レパードは、ライブのカタログが多い。


2枚組ライブ・アルバム「MIRRORBALL」(2011年)、
※特典でドキュメンタリーDVDあり。
Blu-ray or DVD+2CDの「VIVA!Hysteria」(2013年)。


その後、スタジオアルバム「DEF LEPPARD」をリリースしているが、
約6年間でライブものが3作品。


「またっすかぁ〜?」的な感は否めない。


かつてはオリンピックバンドと言われるぐらい、
作品のリリースのスパンが長かったんで、
ライブだろうと何だろうと彼らの作品が、
こうして我々の手元に届られるのは有難いことではある。


しかしながら、ライブのカタログを出すならば、
もっともっと特別感を出して欲しいと強く思う。


Blu-rayとCD2枚で、9,504円。
Blu-ray単体でも、6,389円。


ファンしか買わないよね。


なんか足元見られている気がしてならない。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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