![]() 11/14より全国にて 配給会社:東宝 (C)2009 「なくもんか」製作委員会 |
阿部サダヲ×宮藤官九郎×水田伸生監督、
『舞妓Haaan!!!』トリオが再集結したコメディタッチのホームドラマ。
東京下町・善人通り商店街にある惣菜屋「デリカの山ちゃん」二代目店主の祐太は、
幼い頃、父に捨てられたトラウマから、いつも笑顔を絶やさない八方美人のお人好しとなり、
人々から良いようにこき使われている。
そんな祐太の元に、10数年前に商店街を出て行ったきり音信不通だった
「テリカの山ちゃん」の初代店主(故人)の娘・徹子が、子供2人を連れて現れる。
祐太と徹子は結ばれ、徹子の子供2人、
そして、痴呆症の徹子の母親と5人で暮らしだす。
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ところが婚姻届を出すために戸籍謄本を手に入れた祐太は、
兄弟コンビ「金城ブラザーズ」として大ブレイクした芸人・祐介が、
生き別れとなっていた実の弟だということを知る・・・。
赤の他人でありながら、本当の兄弟という触れ込みでデビューしたうえ、
悲劇的な生い立ちを捏造したことで、世間の同情を買ってしまった祐介は、
兄である祐太の存在が疎ましくなる。
一方の祐太は、実の弟の存在を喜び、
祐介の気持ちを逆なでするかのように、親しげに接してくる。
まず、この兄弟の気持ちの擦れ違いがある。
続いて、祐太と徹子の夫婦関係。
徹子は子供が2人いることからも分るとおり、
音信不通の10数年間で、様々な体験をしてきたらしい。
祐太も祐太で、毎週夜中に沈んだ顔で出掛け、
翌朝、爽快な姿で戻ってくるという怪しい行動を取っている。
お互いが秘密を抱えているが、この夫婦は事実を追究しようとしない。
そんな夫婦関係がある。
そして、その徹子が連れてきた子供たち2人は、
祐太のことを父親と認めることが出来ず、決して「お父さん」と呼ぶことはない。
この兄弟、夫婦、親子の関係の間にある溝をどうやって埋めるのかが、
本作のポイントなんだけど、
これ以外にも、祐太・祐介兄弟のお父さん、祐介とその相棒・大介との関係や、
商店街の人々との交流なども描かれており、
詰め込みすぎたか、結局、どれもこれも中途半端になってしまっているような気がする。
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それぞれのキャラクター間にある溝をどう埋めていくのか?
その過程が重要なのにも関わらず、改善のキッカケ、要因を描いていないから、
心境の変化が唐突で、あまり説得力がない。
特に祐太に対する子供たちの変化には、「なんで?」という疑問を抱いてしまった。
祐太は徹子の過去を聞かぬまま結婚しちゃうし、
徹子も夜こっそりと出掛ける祐太に、その理由を聞こうとしない。
いろんな夫婦関係があるから一概には言えないけど、
ちょっと夫婦としてどうなのか?って思ってしまった。
徹子はちょっと強引なところがあるから、
「あんた!なにやってんのよ!!」って問い詰めると思うんだけどな。
祐太と祐介の歩み寄りに関しても、もう一つパンチの効いたキッカケが欲しかった。
後半、沖縄に行ってからがちょっと雑なんだよね。
決して悪い作品じゃないし、人情劇としての狙いも良いと思うんだけど、
「なくもんか!」って思えるぐらいの感動には遠く及ばなかった。
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続いて役者について。
阿部サダヲは、
笑顔の裏にある複雑な“負”の感情を持った祐太役にはピッタリだと思うんだけど、
ちょっとオーバーアクトかなぁ・・・。
ややオーバーな芝居はこの俳優さんの持ち味なので、
これはばっかりは好きか嫌いか好みの問題でしょう。
向かったベクトルは違うが、兄・祐太同様、
屈折した性格の持ち主である弟・祐介を演じたのは瑛太。
難しい役柄だったと思うんだけど、落ち着き払った演技で、
祐介の複雑な心情を見事に表現している。
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動の阿部サダヲ、静の瑛太。
この主演2人の対比と絡みは、本作の面白さの一つだと思う。
そして、徹子役の竹内結子が個人的には一番良かった。
徹子はなんとなく掴みどころがないんだけど、
ちゃんと強い意志と信念を持っている。
竹内結子はこういう役所を演じるのが上手い。
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他にも光石研、伊原剛志、いしだあゆみ、陣内孝則といったベテラン勢が、
脇を固めている。
あと、本作を見て一番強いインパクトを残しているのが、
「デリカの山ちゃん」の名物ハムカツ。
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今から4年ぐらい前、異様にハムカツにはまった時期があって、
ハムカツを求め、近所のお肉屋さんは勿論のこと、
2、3つ離れた沿線の駅界隈にあるお肉屋さんを訪ねて回ったんだけど、
意外と売っていない。
売っていたとしても、値段の割には小ぶりだったり、
美味しくなかったり、サクサクしていなかったりした。
味とは関係ないけど、「1枚下さい」というと、
「えっ?たったの1枚?」って感じで露骨に嫌な顔をするお店もあった。
美味しくて、気楽に買えるハムカツになかなか出会えなかったのですが、
遂に理想のハムカツを発見!!
西荻窪駅近くにある「宝家牛肉店」。
ここのハムカツはサクサクで、ムチャクチャ美味い!!
1枚たったの70円!
対面ケースにハムカツがなくても、
お願いすると作ってくれる。
というか、その方が揚げたてホヤホヤのハムカツを購入できる。
しかも1枚だけお願いしても、快くオーダーを受けてくれるのが嬉しい。
『なくもんか』を見て、どうしても「宝家牛肉店」のハムカツが食べたくなり、
週末にチャリ飛ばして買いに行ってしまった。
なんだか『なくもんか』よりも「宝屋牛肉店」の宣伝になってしまいましたが、
本作を見たら、ハムカツが食べたくなること間違いなしです。