2008年07月01日更新

#242 『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』

上映を求める署名運動がネットで起こり、
日本公開に漕ぎ付けた『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』




ホットファズ
『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』
7/5よりシネマGAGA!ほか全国にて順次公開
配給会社:ギャガ・コミュニケーションズ
(C)2006 Universal Pictures International. ALL RIGHTS RESERVED.




パッと見、バカ映画。
で、コンビものの刑事アクション。


今では完全に風化してしまったジャンルだが、
伊藤Pが映画小僧だった頃は、花形ジャンルだった。


そんな訳で、早速見たのですが、
前半が結構だるいし、あんまり笑えない。


なんで署名運動が起きたの?
それとも伊藤Pの感性がおかしいのか?


って、思ってしまった。


それは後で判るんだけど、前半は種まきだったんだよね。
伏線を張り巡らしている。


で、張り巡らされた伏線が回収される段になって、
“あぁ、なるほど!”と思うわけだ。


そんな訳で前半から中盤にかけて、
かなりミステリー色が強い。


こちらはアクション・コメディの心構えだから、
そこにズレが生じちゃったんだな。


やっぱり先入観って怖いねぇ〜。


で、そのミステリーはとても良く練られているんだけど、
なんとなーく先の展開が読めちゃう。


しかしながら、ミステリーの謎解きが終わった瞬間、
今までの静寂をブチ破るHOTな展開が待ち受けていた!!


それは、ガン・アクションだ!!


たまらん!!たまらんぞ!!!!!!
『シューテム・アップ』でも書いたけど、
そもそも二丁拳銃が大好きなんだよ!!!!


ホット・ファズ


主人公ニコラスと相棒のダニーが繰り広げるアクションには、
アクション映画の様々なオマージュが!!


敵地に乗り込む直前に、
武器をガチャ、ガチャって早いカットで装着するシーンとか、
もう80年代の「今から行くぜ!!」のランボー、コマンドーだ!、


伊藤Pはジョン・ウェインのウエスタンが好きで、
ハワード・ホークス支持者で、
サム・ペキンパー信者だ。


西部劇的な展開にも体が震えた。


ショットガンを片手に持って、
ガッチャってやって弾を装填するとことか、もうヤバヤバ。
しかもそれを相棒に投げるでしょ。


あまりのかっこよさに涙が出てきましたよ。
『リオ・ブラボー』じゃない。


多勢に無勢と言う点では『ワイルドバンチ』だ。
弾の着弾地点の炸裂演出で、大粒の涙が頬を伝ったよ(マジマジ)。


長々と続く銃撃戦。
もう長ければ長いほどよい。


誰が誰を撃っているのか?という登場人物の位置関係も明白。
アクション演出の基本をキチンと抑えている。
(詳しくはコチラを)


いやー、燃えた。
本当にHOTに燃えた。


二丁拳銃が今年ブーム(?)だけど、
スタイリッシュというよりは、
正統派でベタな80年代アクションを髣髴させる『ホット・ファズ』が、
一番、伊藤Pの琴線に触れたね。


本当、近年稀に見る最高のガン・アクションだ。
アクション・シーンを見て、ブルブル震えたのはいつ以来か・・・


『マトリックス』以来かな?


これでカーチェイスがあったら完璧だなって、
贅沢なオーダーを頭に思い描いていたら、
目の前でカーチェイスが繰り広げられていた。


サービス精神旺盛だ。


アクションのギャグネタも良い。


マイケル・ベイの作品をネタにするセンスは、
素晴らしいの一言。


『ホット・ファズ』はバカ映画なんかじゃないよ。
よく研究された映画だよ。


ホット・ファズ


本作を筆頭に、80年代に映画好きになった人たちを喜ばせるような作品が、
ここ最近増えてきたように思う。


90年代に入り、CGが急速に発達したことにより、
80年代にあったリアルさとか、手作りさとか、
ベタなかっこよさとかがなくなってきた。


アクション映画を見てもなんかしっくりしないというか、
自分たちが興奮しながら見ていたのとは違うアクションだ。


でも、『シューテムアップ』『ザ・フィースト』
そして、『ホット・ファズ』とかは、
ドンピシャで「面白い!!」って思わせる何かがある。


なんでだろうと思ったら、
我々が見ていた映画を、同じ様に見ていた人たちが、
今、その影響下で映画を作っているからなんだな。


いわば、共有財産だ。


90年〜00年代はCG技術の開発と応用だった。
そして、今はもう驚異の映像で、驚異を感じることは出来ない。


だから、それらの技術を多少使いながらも、
原点回帰している監督が増えてきた。


影響を受けた作品に敬意を表しつつ、自分たちのフィルターを通して、
自分色にも染めている。


喜ばしいことだ。


ふっ〜、久しぶりにHOTに書いちまった。
でも『ホット・ファズ』のストーリーを全く書いていないな・・・
こんなんで、映画紹介文章として成り立ってんのかな?






『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』
※サイモン・ペッグ&エドガー・ライト監督 インタビュー 動画テキスト

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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