2013年02月04日更新

#686 『ゴーストライダー2』

ゴーストライダー2

『ゴーストライダー2』
2013年2月8日より丸の内ピカデリーほか全国にて
配給:ポニーキャニオン、松竹
©2012 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.


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悪魔のメフィストと契約をしたために、
ゴーストライダーという魔物を体に宿すことになったジョニー・ブレイズ。


悪人と出会うと姿を現すゴーストライダーは、頭が骸骨で全身炎まみれ。
乗っているバイクや鎖までも燃えており、
ジョニーの意志に関わらず、不死身な体と炎を武器に、次々と悪人を抹殺していく。


そんなダーク・ヒーローをニコラス・ケイジが演じた『ゴーストライダー』の続編。


ghostrider2ghost.jpg


前作は、見る前からポンコツ臭がプンプンと漂い、
案の定、期待通りのポンコツ映画だった。


そして、続編は、ゴーストライダーというキャラクターを“死ぬほど愛している”という
ニコラス・ケイジが当たり前のように主演続投。


すっかりB級映画の人と化した最近のニックの仕事ぶりを見ると、
今回もポンコツの雰囲気が・・・。


ghostrider2nick2.jpg
今回はハゲも隠してないぜぇ!!


しかし、監督のクレジットを確認すると『デアデビル』、『エレクトラ』といった
ポンコツ映画を世に送り出してきたマーク・スティーヴン・ジョンソンから、
『アドレナリン』と『アドレナリン2 ハイ・ボルテージ』を手掛けた
マーク・ネヴェルダインとブライアン・テイラーにスイッチしていた。


ハイテンションな俳優と監督がタッグを組み、
しかも題材が「ゴーストライダー」である。


一体どんな化学反応が起きるのか?


結果は期待以上のハイテンションだった。


やっぱり脚本は雑だし、予定調和だし、穴だらけなんだが、
それを凌駕する勢いが本作にはあった。


その勢いのほとんどを担っているのは、もちろんニックだ。


ghostrider2nick.jpg


特に前半から中盤にかけてのニックの切れっぷりは、半端ない。
正直、ニックのこの手の演技は、食傷気味なところがあったが、
ここまでやってくれるともう脱帽です。


因みにマークとブライアンも、「ニックは頭がおかしい(褒め言葉)」と思ったという。


切れた映画を作る監督から「頭がおかしい」と言われるほどの切れ俳優ニコラス・ケイジって・・・。


そんな話を聞いてから見たせいで、
ハイテンションなシーンで、撮影現場の光景を想像しちゃって、
思わず笑ってしまいましたよ。


大勢のスタッフに囲まれた中で、あの演技をしている。
「カット」がかかった瞬間の切り替えとかどうなんだろう?って。


やっぱりニックはスゲェ。


ghostridernick3.jpg


今回、一般試写で見たんだが、上映終了後に若い女性が、
「映像とかかっこいいし、面白かったんだけど、 脚本ひどくない?」と言っているのを耳にした。


彼女の言う通り、ダメなところがたくさんあって、前作同様、突っ込みどころも満載なんで、
トータルで見るとやっぱりポンコツ映画と言わざるおえないんだけど、
ニックが頑張っているから、まぁ、大目に見てあげようかなぁ・・・って。


そんなニックのハイテンションな雄姿が見ものの本作ですが、
ニック以外のキャストも結構注目です。


まずヒロインを演じたヴィオランテ・プラシド。
彼女はジョージ・クルーニー主演の『ラスト・ターゲット』で知った女優だが、
『ゴッドファーザー』でアル・パチーノ演じるマイケルとシチリア島で結婚する
アポロニア役のシモネッタ・ステファネッリの娘だったんですね。


ghostrider2hiroin.jpg


お母さん譲りのエキセントリックなエロさをまき散らしています。
(とはいえ、メイクがきつくて好みではないけど・・・)


あと前作では『イージーライダー』のピーター・ファンダという、
“狙いすぎ”のキャスティングがあったが、
今回はもっとマニアックな“狙った”配役があった。


物語の後半に謎の神徒の長として登場するクリストファー・ランバートだ。


ghostrider2cris.jpg
ダイアン・レインの元旦那なんだぜぇ!


80年代にSFやアクション映画を(「日曜洋画劇場」で)見まくっていた世代の人だったら、
彼の代表作として間違いなく『ハイランダー/悪魔の戦士』を挙げるでしょう。


この邦題にある「悪魔」は日本の配給会社が物語に関係なく付けただけで、
クリストファー・ランバートが演じた戦士が、悪魔というわけではないんだが、
首をはねられないと永遠に生き続ける不老不死という設定が、「ゴーストライダー」と似ている。


まぁ、ピーター・フォンダほど狙ったわけではないだろうけど、
クリストファー・ランバートが『ハイランダー/悪魔の戦士』に出ていたことを知っている人の多くは、
「おっ!」って思うんじゃないでしょうか?


細かいキャスティングも含め、サービス精神旺盛な作品ではあることは、間違いないので、
最初から完成度など期待せずに見れば、結構楽しめる作品になっているとは思います。


あとは好みの問題ですね。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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