2014年10月12日更新

ディープツアー2014 鎌倉 PART5

<ディープツアー2014 散策記一覧>
「ディープツアー2014 鎌倉 PART1」
「ディープツアー2014 鎌倉 PART2」
「ディープツアー2014 鎌倉 PART3」
「ディープツアー2014 鎌倉 PART4」




「ディープツアー2014 鎌倉 PART4」からの続き。


佐藤アサト念願の「太田道灌の首塚」を経て辿り着いた源氏山公園で、
休憩をしながら次の行動を検討。


源氏山ハイキングコース→大仏坂切通し→長谷駅や、
銭洗弁天→鎌倉駅という案も出たが、
山道はスズメバチが怖いし、疲労もあるしで、化粧坂切通し→鎌倉駅を採択。


化粧坂切通しは、「ディープツアー」ではない2012年の「鎌倉」散策以来2年ぶり。


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新田義貞が鎌倉攻めの際に突入しようとした道だが、
鎌倉幕府15代執権・北条貞顕(ほうじょうさだあき)の息子、
北条貞将(ほうじょうさだゆき)の抵抗にあい、
4日間の激戦の末、結局突破出来なかった。


途中までは下るというより、
岩から飛び降りながら進む感じ。


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岩の段差を乗り切ると急カーブ。
その先は湧水に濡れた急な坂。


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2年前もここは濡れていた。


滑らないようにゆっくりと足でブレーキを掛けながら下る。


急勾配なんで上りも辛いんだろうけど、
多分、下りの方が足への負担は大きい。


その証拠といってはなんだが、
佐藤アサトは、岩からのジャンプで若干膝をやられてしまった。


「化粧坂切通し」から唐突に始まる住宅街を歩くと、石碑を発見。


IMG_5338_Rr.JPG


ここは「ディープツアー2011 鎌倉 PART3」でも通っているし、
先述の「鎌倉」散策では写真も撮っている。


にも関わらず、何故か全く気にも留めていなかった。


石碑の上にある岩穴にも何やら石碑がある。


IMG_5339_Rr.JPG


「水鑑景清大居士」。


戒名を表す“大居士”とあるので、
石碑ではなく墓石かな。


早速調べてみると、景清とは、平氏の侍・平景清のこと。


この岩穴は、源頼朝の暗殺を企て捕えられ、
幽閉されたという牢跡(景清窟)らしい。


牢跡の下にある石碑は、「向陽庵大悲堂碑」。


景清の娘である人丸姫が、捕えられた父に会うために、
京都から鎌倉にやってきたが、すでに父は斬首されてた。


悲しみにくれた人丸姫は、牢の上に「向陽庵」というお堂を建て、
そこに景清の守本尊(十一面観音像)を祀ったという。


数年後に亡くなった人丸姫の塚は、
北条政子の墓と伝わる塔がある「安養院」に、
十一面観音像は、ここから近い「海蔵寺」にある。


見落としてしまいそうな石碑だけど、なかなか奥深い。


この後、鎌倉駅に向かう予定だったが、
鎌倉駅周辺の混雑(特に小町通り)を避けたいのと、
まだ踏破していなかった「亀ヶ谷坂(かめがやつざか)切通し」を通って、
北鎌倉駅へと抜けることに。


横須賀線の線路の下をくぐって、「海蔵寺」管理下の八角形のお堂の所を左折。


すぐに「薬王寺」がある。
徳川家と縁があり、徳川家の家紋が入った供養塔があり、
家紋フェチの佐藤アサトが見たがったが、
すでに17時を回っており、拝観はできなさそうなので断念。


そのまま進むと「亀ヶ谷坂切通し」。


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“急坂のため亀も引き返した、ひっくり返った”というのが名前の由来。


名称の通り、かなりの勾配。


しかし、アスファルトで舗装されているし、
両脇は緑に覆われた切岸で風情があるしで、
それ程、辛いとは思わない。


そんな「亀ヶ谷坂切通し」の坂の途中に、
切岸をぶち抜いた形でマンションが建っていた。


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「扇ガ谷鎌倉コートハウス」


調べたら昭和60年に建設されたマンションのようだ。


結構な築年数で、かなりリノベーションしているんだろうな。


史跡を削ってまでしてここにマンションを建てる意味があるのかな?
建設にあたって反対運動とかはなかったのだろうか?


今日歩いた巡礼古道も途中で開発によって消失していた。


鎌倉が世界遺産になれない理由の一因のような気がしてならない。


この後も急な坂は続く。


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舗装される前の亀ヶ谷坂切通しを歩いてみたかったなぁ。


亀ヶ谷坂切通しを抜けると、
「神奈川県道21号横浜鎌倉線」にぶち当たる。


後は道沿いに北鎌倉駅を目指す。


途中に「安部清明大神」の石碑。


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一般的には「安倍晴明」と書くのに、なぜ「安部」?
平安時代の陰陽師の碑が、なぜ鎌倉に?


という謎は、コチラのサイトに詳しい。


さて、ハイキングコースやら坂歩きやらで、
なかなかハードな鎌倉散策となり、
2人ともかなり疲れており、まだ5時45分だったけど、
これにて鎌倉散策完了。


北鎌倉駅から横須賀線に乗車。


IMG_5348_Rr.JPG


今、2人がしたいことは、
風呂に入ってさっぱりしたいことと、その後の一杯。


今すぐにでも風呂に入り、酒を飲みたいところだが、
鎌倉の近くでそれをやると、そこから帰るのが辛い。


ということで、中野、高円寺、荻窪近辺で銭湯を探す。


一旦、高円寺の銭湯に決めるも、
この日、高円寺で祭があることが判明し断念。


荻窪駅近くにあるスーパー銭湯「天然温泉なごみの湯」という案も出たが、
入浴料が2,000円もするので却下。


荻窪の普通の銭湯を調べたところ、いくつか良さげな銭湯があり、
中でも藤乃湯が、駅からの距離など条件面で一番良く、
とりあえず、当りをつけておく。


そうこうするうちに横浜駅に到着。


このまま横須賀線に乗って行くと東京駅経由になる。


座れない可能性があるが、東京駅よりも新宿駅から中央線に乗りたく、
湘南新宿ライナーにお乗換え。


幸い、座れた。


佐藤アサトが早々に居眠りモードに入る中、
今日の散策を終えて、ますます「北条時政邸旧跡」への思いが募り、
iPhoneで「北条時政邸旧跡」について記載されているサイトを検索。


いろいろなサイトの記述を読んでいると、
衝撃的なサイトに辿り着いた。


そのサイトは「北条時政邸旧跡」に行ったことを記述しており、
掲載日を見ると、なんと今年の5月!


更に「北条時政邸旧跡」へのルートの入口が、↓だという。


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マジかっ!!!


衣張山の山頂にあったお地蔵さんと五輪塔じゃないか!


後ろにある藪を掻き分けると異空間が広がっているだと!?


今年3月の夜、都市開発で消滅の危機にあるいわれている、
稲城市の無縁仏石像群「ありがた山」を見に行った際、石像群がなく、
撤去されたんだと悲観しながら帰路についた。


しかし、帰りの電車の中で、実は途中で引き返していたという事実を知る出来事があった。


【散策の部屋】「稲城2014 PART1」


「ありがた山」の時と同等か、それ以上に愕然とした。


横で左右に船を漕いでいる佐藤アサトを叩き起こし、
iPhoneを手渡し、該当サイトを見せる。


寝ぼけ眼でサイトを読んでいた佐藤アサトの目つきが変わる。


「えっ、何これ・・・」


衝撃の事実に佐藤アサトも愕然。


2人を虜にし続けてきた「北条時政邸旧跡」。


そこへと通ずる入口のすぐ目の前まで来ていて、
しかも呑気に写真まで撮っていながらにして、
まったく気が付かなかった。


小生は、行って見た時の光景を大切にしたいという思いがあり、
「北条時政邸旧跡」へのルートを事前にしっかりと調べなかった。


佐藤アサトも己のリサーチの仕方を嘆く。


なぜ、衣張山の山頂で、もっとしっかりとルートを調べなかったのだ!


悔しさと屈辱が、2人に押し寄せる。


これまでのディープツアーは、毎回それなりの充実感を味わうことが出来たけど、
今回は相当、後味が悪い。


湘南新宿ライナーが新宿駅に着き、中央線に乗り換え荻窪駅まで向かう間、
2人は溜息ばかり。


その後、荻窪駅で下車し、予定通り「藤乃湯」へ。


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腕を組んで口を開けてスリープしている番頭を起こし、お金を払って入浴。


シャワーで汗を流し、湯船に浸かって疲れを癒す。


さっぱりとしたら、次は飲みだ。


いつもの行きつけの焼き鳥屋が定休日のため、
しばし物色した末、「串鳥」という居酒屋に入店。


いつもならその日の散策を振り返って、杯を交わすんだけど、
この日は完全に反省会。


「北条時政邸旧跡」。
遠い存在です・・・。


しかしながら、仮にあのお地蔵さんと五輪塔の後ろが、
ルートの入口であることを知っていて、藪を掻き分けたとしても、
多分、今日は「北条時政邸旧跡」まで行くのは相当困難だったのではないだろうか?


「北条時政邸旧跡」の入口を紹介している人が行ったのは5月だ。


5月と8月とでは、草木の伸びもかなり違うでしょう。
事実、雑草はかなり伸び放題だった。


それと虫。


5月はまだ虫が活発化していない。


特にスズメバチ。


今回、相当スズメバチに悩まされた。


9月20日付毎日新聞に、
スズメバチに刺された男性が死亡したという記事が掲載されていた。


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9月30日にもスズメバチに襲われ89歳の男性が死亡という記事が出ていた。


スズメバチは、マジでヤバイ。


「北条時政邸旧跡」に至るまでに、スズメバチに遭遇する可能性は拭えない。


草木にスズメバチ・・・。
ルートを知っていたとしても、断念せざるおえなかっただろう。


そんな気休めを語りながら酒を飲み、焼き鳥を食い、
そして、リベンジを誓った。


この日の歩行距離は約13キロ。


これまでのディープツアーに比べると、大して歩いていないが、
ハイキングを3つほどこなしているし、
「北条時政邸旧跡」の一件で精神的なダメージもあるしで、
たいへん疲れたツアーとなりました。


そして、鎌倉の凄味を感じました。


私にとって鎌倉は魔境です。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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